出世街道まっしぐら「ごますり」の意味・使い方・上手なやり方を解説!
あなたは上司や先輩に「ごますり」をしたことがありますか?
ごますりなんかより、自分は正当な方法で評価されたい!という真面目な人もいるでしょう。
確かにずるいイメージのある「ごますり」ですが、やり方によっては自分にも周囲にも良い影響を与えることが可能です。
そこで今回の記事では、「ごますり」の意味や使い方・上手なやり方を徹底解説していきます。
Contents
ごますり(胡麻擂り)の意味とは?
まずは、ごますりという言葉の意味や語源について見ていきましょう。
意味
ごますり(胡麻摺り)とは、自分の地位や利益のために他人に媚びへつらうことを意味します。
社長のご機嫌をとったり権限のある相手におべっかを使ったりと、相手の気分を良くさせることで自分の立場を有利にしようとすること、といえばわかりやすいでしょう。
ごますりが上手い人は実力以上に出世できるイメージがあることから、周囲からは口だけでのし上がったずるい人と思われがちです。
中国語では?
中国語でごますりは「拍马屁」と表します。
これは直訳すると「馬の尻を叩く」という意味であり、かつて馬が一般的な移動手段であった時代は、すれ違った他人の馬の尻を叩いて「良い馬ですね」と褒めたのだとか。
ただし、この挨拶はたいして良い馬ではない場合も礼儀として行われていたそうです。
そうした理由から、中国語では馬の尻を叩くの意味をもつ「拍马屁」が「ごますり」の意味になりました。
語源
「ごますり」という言葉の由来には諸説あります。
代表的なものは以下の2つです。
- ごまをすり鉢ですると、あっちこっちに飛び散って場所を選ばずくっつく様子から
- 人が媚びへつらうときの揉み手の動作が、すり鉢でごまをするときの様子と似ているから
他にもすり鉢でごまをする作業が上手い小坊主は、和尚さんの機嫌を良くさせたからという説もあり、いずれにせよ「ごまをすり鉢ですること」が語源に関わっていることは間違いないようです。
類語
日本語における「ごますり」の類語としては以下のものを挙げることができます。
- おべっかを使う
- おべんちゃら
- 媚び売り
- ご機嫌取り
- よいしょする
いずれも、自分の立場を有利にするために相手を持ち上げていい気分にさせることを意味する表現です。
使い方
「ごますり」「ごまをする」を使った例文は以下の通りです。
- 彼はごますり上手なので、上司からの覚えがいい
- 父は妹のごますりに弱いので、簡単におねだりを聞いてしまう
- 自分は不器用なので、上手にごまをすることができない
英語表記
ごますりを表す英語表現は「suck up」です。
〇〇さんにごまをすると表す場合は、「suck up to 〇〇」と言えばOKです。
また、「suck up」単独で「ごますり」や「おべんちゃらを言う人」という名詞的表現としても使うことができます。
他にも「ごますり」を表す以下のような言い回しが存在します。
- Brown-noser
(汚れを気にせずお尻にキスをする人) - Apple Polisher
(りんごを磨く人)
こうした英語表現についてより詳しく知りたい人は、例文付きの解説ページなどをぜひ検索してくださいね。
ごますりする人が与えるイメージとは?
正直「ごますり」にいいイメージを持つ人はあまりいませんよね。
そこで、ごますりをする人は世間にどう見られているのかをここでは見ていきましょう。
すぐ同調する人
ごますりする人は周囲から「すぐ同調する人」だと思われています。
物事を良くするためには反対意見を言うことも必要でしょう。
とはいえ、反論イコール敵だと思われかねないため、上の立場の人にはつい同調してしまうものです。
とくにごますりする人の場合は、「自分の意見を曲げてでも同調する人」というイメージが付きまといがちです。
権威に弱い人
ごますりする人イコール「権威に弱い人」というのは、多くの人がもつイメージです。
権威のある人、自分より立場が上の人には好かれておいて損はないと、積極的によいしょするのが典型的なごますりでしょう。
また、これまでごますりしていた相手であっても、利益がないとわかれば途端に態度を変える計算高い一面もあります。
認めてもらいたい人
ゴマすりする人には、周囲から「認めてもらいたい人」というイメージがあります。
上に同調し常に多数派でいれば、自分自身があぶれることはありません。
逆にごますりをやめてしまうと、孤立して認めてもらえなくなるという恐怖心もあるでしょう。
自分の立場を守り、承認欲求を満たすために有力者にすり寄ってごまをする人もいるのです。
周囲を気にしすぎな人
「周囲を気にしすぎな人」というのもごますりする人にありがちなイメージです。
このタイプの人は、周囲に反論されるのが怖くて自分の意見を主張できずにいます。
結果として多数派や権威に同調しているように見え、消極的ながらもごますりをする人になってしまうのです。
上司・先輩にごますりするのはダメなこと?
そもそも上司や先輩にごますりをするのはダメなことなのでしょうか。
結論としては「ごますり」もケースバイケースだといえます。
ごますりを全くしない部下とごますりしてくる部下であれば、人情としてごますりするタイプの方が覚えがいいはずです。
ごますりばかりに労力を割くのは問題外ですが、例えば新しいプロジェクトを上司に通したいなら、ごますりのような相手の懐に入るテクニックを使った方が成功率は上がるでしょう。
また、転職などで環境が変わったときや夫婦関係がギクシャクした場合にも応用することが可能です。
「ごますり」というと聞こえは悪いかもしれませんが、他人に話を聞いてもらうためのアプローチ方法の1つだと考えるなら、上手に使うのもアリなのです。
処世術に抜群な上手にごますりする方法
最後に、処世術として使える上手なごますりの方法を紹介します。
社内で上手く生き残りたいという野心家の人は、ぜひチェックしてくださいね。
お世辞を貫き通す
ごますりとしてお世辞を使うなら、最後まで貫き通すようにしましょう。
わかりやすいお世辞だと、相手によっては「お世辞でしょ」と見抜かれる場合があります。
だからといって「そうです。すみません!」と素直に認めてしまうのはNGです。
たとえお世辞だとわかっていても、褒められると悪い気はしないもの。
一度口に出したお世辞は、最後まで曲げずに貫き通すことをおすすめします。
フットワーク軽く動く
ごますりはなにも言葉だけではありません。
上司が近くにいたら、フットワーク軽く動いて態度で示すようにしましょう。
エレベーターや扉を開けておく、挨拶は積極的にするなど、少々わざとらしく見えたとしても、積極的に動けば上司の目にとまる可能性が高くなります。
センスを真似る・褒める
気に入られたい上司・先輩のセンスを真似たり褒めたりするのもおすすめです。
とくに持ち物にこだわりのあるタイプであれば、褒められることで上機嫌になることは間違いなしでしょう。
ただし、中には真似られるのを嫌がる人もいます。
もしセンスを真似るなら、「かっこいい鞄ですよね、参考にしてもいいですか?」など、事前に許可を取ることをおすすめします。
また、異性が相手の場合は言い方を間違えるとセクハラになってしまうので、服装や髪型よりも時計などの小物を褒めるのが無難でしょう。
大袈裟に褒めまくる
相手を褒めるときは、ちょっと大袈裟なくらいに褒めまくるのがポイントです。
とても自分ではかなわない相手だと示すことで、ごますりされた側もまんざらではないと気持ち良く働いてくれるようになるでしょう。
少しややこしい問題が起こったときも、普段から持ち上げておけば「俺が何とかしてやる」と本当に頼りがいを見せてくれるかもしれません。
ごますりは平等に
ごますりが「ずるい!」と思われがちなのは、相手によって態度を変えてしまうからです。
ごますりを社内で活用したいなら、ぜひ平等に行うことをおすすめします。
上司や先輩は持ち上げ、男性にも女性にも愛想よく接していれば「調子がいいけど好感を持てる人」として良いイメージを持ってもらえるはずです。
うまく「ごますり」をして出世街道を歩もう!
ごますりで他人に気に入られる方法は何となく抵抗感がある人も多いでしょう。
しかし、ごますりを「人間関係を円滑にし、仕事を進めやすくするテクニック」と捉えれば悪いこととは言い切れないはずです。
とはいえ、あからさまなごますりは周囲からの印象も悪いので、上手くごますることが大切です。
ごますりでお世辞を言った場合は最後まで貫き通すこと、中途半端なごますりほどダメなものはありません。
また、特定の人だけでなく平等にごますりをすれば「ずるい」と思われることもないでしょう。
ぜひ「ごますり」のテクニックに磨きをかけ、出世や人間関係に活かしてくださいね。
- ごますりとは、自分の立場を有利にするために他人に媚びへつらうこと
- ごますりする人は、すぐ同調する・権威に弱いといったイメージを持たれてしまう
- 上手なごますりには仕事を円滑にすすめる効果がある
- 好感度の高いごますりテクニックを身に着ければ出世への近道も夢じゃない