「取り急ぎご連絡まで」は失礼にあたる?丁寧な言い換え表現や例文を紹介

ビジネスメールでお馴染みのフレーズはいろいろありますが、「取り急ぎご連絡まで」もその1つです。
用件だけを伝えたいときに便利なフレーズなので、よく使っているという人も多いでしょう。
ただし、「取り急ぎご連絡まで」という表現は、相手によっては失礼にあたることもあるのです。
今回の記事では、「取り急ぎご連絡まで」の使い方について解説します。
丁寧な言い換え表現や例文も紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
Contents
「取り急ぎご連絡まで」の意味
「取り急ぎご連絡まで」の意味が、今ひとつピンと来ないという人もいるかもしれません。
まずは、その意味を押さえておきましょう。
「取り急ぎご連絡まで」とは、「とりあえず用件だけを伝えます」という意味の表現で、「詳細は追って知らせる」という旨が含まれています。
先に用件のみを伝え、その後に詳細を知らせる予定であることが、間接的にほのめかされているわけです。
「取り急ぎ〜まで」という言い回しは、「ご連絡」以外に「取り急ぎご報告まで」「取り急ぎお礼まで」といった形でも使われます。
【ビジネスシーン別】「取り急ぎご連絡まで」の使い方と例文
「取り急ぎご連絡まで」はとても便利なフレーズです。
ここでは、「取り急ぎご連絡まで」の使い方と例文をビジネスシーン別に紹介します。
日程変更の共有をするとき
急に予定が変わったら、関係各位への迅速な伝達が必要です。
日程変更の共有をするときには、まず変更がある旨を簡潔に伝え、後ほど詳細を送るようにしましょう。
- 明日の午後のミーティングは延期となりました。
新たな日程は決まり次第、お知らせします。
取り急ぎご連絡まで。
- 本日の商談は先方のご都合により、来週以降に変更となりました。
取り急ぎご連絡まで。
メールや資料の受領報告をするとき
先方からのメールや資料の受領報告をするときにも「取り急ぎご連絡まで」は便利です。
内容を確認する必要があっても、確認してから受領報告していては時間がかかってしまいます。
まずは無事に受け取った旨だけを先方に伝えましょう。
- メールをお送りいただき、有難うございました。
後ほど詳細を確認させていただきます。
取り急ぎご連絡まで。
- ただいま、資料を受け取りました。
あいにく外出先のため、後ほど拝見します。
取り急ぎご連絡まで。
業務の進捗や完了を報告するとき
仕事では「報連相」が不可欠です。
業務の進捗や完了を報告するときにも「取り急ぎご連絡まで」が使えます。
- ただ今、商談が終了し、無事に契約成立の運びとなりました。
取り急ぎご連絡まで。
- 〇〇の件ですが、先方から期日を延期してほしい旨、申し出がありました。
こちらの都合は伝えていますが、明日までの回答をご希望です。
取り急ぎご連絡まで。
重要な情報を周知するとき
緊急性が高いときこそ、迅速な情報共有が必要です。
重要な情報を周知するときには「取り急ぎご連絡まで」を使って相手に用件を伝えましょう。
大切なのは他の用件を併記しないことです。
必要な用件だけに絞って書くようにしましょう。
- 先ほど配布した資料に誤りがありました。
追って上長から指示がありますので、しばらくお待ちください。
取り急ぎご連絡まで。
- 書類の提出期限は明日までです。
提出が難しい場合は必ず本日中にご連絡ください。
取り急ぎご連絡まで。
問題が発生したことを周知するとき
何らかの問題が発生したことを周知するときには、速やかに対応することが大切です。
「取り急ぎご連絡まで」を使って情報が素早く共有されることによって、更なる問題発生を防げる可能性が高まります。
- ただいま、システムトラブルが発生しました。
ログアウトの上、待機をお願いします。
取り急ぎご連絡まで。
- 電気系統の異常が確認されました。
直ちに作業を中止し、上長の指示に従ってください。
取り急ぎご連絡まで。
「取り急ぎご連絡まで」を使うときの注意点
便利なフレーズの「取り急ぎご連絡まで」ですが、使う際には気をつけるべき点がいくつかあります。
ここでは、「取り急ぎご連絡まで」を使うときの注意点を解説します。
詳細について改めて連絡する
「取り急ぎご連絡まで」を使用した場合、必ず2回の連絡が必要です。
取り急ぎの連絡は用件のみの簡潔なものなので、これだけでは相手に充分に内容が伝わったとはいえません。
当然、詳細について改めて連絡する必要があるのです。
取り急ぎの連絡は、速報と詳報の2つがセットと覚えておきましょう。
連絡する内容を1つに絞る
「取り急ぎご連絡まで」は緊急性の高い場合に使われるので、連絡する内容を1つに絞ることが大切です。
急いで伝えるべきときに、あれもこれも付け足していては時間がかかりますし、どれが急を要する案件なのか、わからなくなってしまいます。
もっとも緊急性が高い内容のみを最初に送り、それ以外の内容は2回目の連絡に回しましょう。
口頭で使用しない
「取り急ぎご連絡まで」は、もともと手紙文の締めに使われるフレーズです。
今は手紙だけでなく、メールやチャットでも使用しますが、いずれも書き言葉の範疇を出ません。
そのため、くれぐれも口頭では使用しないように注意しましょう。
口頭で「取り急ぎ」を使う際は、最初に「取り急ぎお伝えいたしますが…」などと、断りを入れる形で使うのが一般的です。
簡潔に用件を伝えた上で「詳細は改めてご連絡します」「詳細については後ほどメールでお知らせします」などと締めくくるといいでしょう。
「取り急ぎご連絡まで」を目上に対して使うのは失礼?
「取り急ぎご連絡まで」は文末が省略された表現なので、相手によっては失礼だと思われてしまう可能性があります。
社内で連携を取る際は、商機を逃さないように迅速な伝達が奨励されています。
そのため、「取り急ぎご連絡まで」を使っても問題ない場合が多いでしょう。
しかし、大切な取引先や目上の人に対しては、当然話は別です。
目上の人に対して「取り急ぎご連絡まで」を使う場合は、詫びの言葉を一言添えたり、丁寧な言い回しに言い換えたりすることが求められます。
文末を省略しないだけでも印象は違うので、相手に合った表現を選ぶよう心がけましょう。
「取り急ぎご連絡まで」の丁寧な言い換え表現
「取り急ぎご連絡まで」を失礼がないよう伝えるには、どんな表現が望ましいのでしょうか。
最後に、「取り急ぎご連絡まで」の丁寧な言い換え表現を紹介します。
「取り急ぎ」を「まずは」に言い換える
「取り急ぎ」は「とりあえず急いで」という意味なので、相手にせわしない印象を与えてしまう可能性があります。
相手を不快にさせないために、「取り急ぎ」を「まずは」に言い換えるといいでしょう。
「まずは」は、「最初に」「とりあえず」という意味を持つ言葉です。
「まずはご連絡まで」とすることで、せっかちな印象をなくすことができるでしょう。
文末の「まで」を言い換える
続いて、文末の「まで」を言い換えましょう。
「取り急ぎご連絡まで」は、簡潔に伝えるために「まで」に続く言葉を省略している言い回しです。
そのため、「まで」に続く言葉をきちんと最後まで表現することで、相手に敬意が伝わるようになります。
「まずはご連絡申し上げます」「まずはご連絡のみにて失礼いたします」など、丁寧に敬語を使って表現しましょう。
謝罪の言葉を添える
目上の人に急ぎの用件を失礼がないよう伝えるために、謝罪の言葉を添えるのもいいでしょう。
「取り急ぎご連絡まで」を「ご迷惑をおかけし申し訳ございませんが、まずはご連絡のみにて失礼いたします」と言い換えるだけで、より丁寧な文章にすることができます。
口頭でのやり取りとは違い、メールでのやりとりでは相手の様子がわかりにくい場合が多いです。
急ぎの用件にプラスして、自分の謝罪の気持ちを伝えることで、危険なコミュニケーションを避けることができるでしょう。
「取り急ぎご連絡まで」をビジネスシーンで活用しよう
ビジネスメールやチャットでは、迅速な情報伝達のためにさまざまな表現が用いられており、「取り急ぎご連絡まで」もその1つです。
端的に用件を伝えられる便利なフレーズなので、使い方をマスターして「取り急ぎご連絡まで」をビジネスシーンで活用しましょう。
しかし、取引先や目上の相手に使うと失礼にあたる場合もあります。
丁寧な言い換え表現も、あわせて覚えておくといいでしょう。
ビジネスシーンで使う言葉にはさまざまなルールがあり、面倒に思うこともありますが、一度覚えてしまえば、繰り返し使えるので便利です。
この機会に「取り急ぎご連絡まで」の使い方を覚えてしまいましょう。
- 「取り急ぎご連絡まで」とは、「とりあえず用件だけを伝えること」を意味する表現
- 「取り急ぎご連絡まで」を使うときの注意点は、詳細について改めて連絡する・連絡する内容を1つに絞る・口頭で使用しない
- 「取り急ぎご連絡まで」は文末が省略されているので、目上に対して使うのは失礼にあたる場合がある
- .「取り急ぎご連絡まで」の丁寧な言い換え表現は、「取り急ぎ」を「まずは」に言い換える・文末の「まで」を言い換える・謝罪の言葉を添える