付和雷同の意味とは?由来や例文付きの使い方・対義語や類義語を解説
「付和雷同」という言葉を聞いたことがありますか?
小学校・中学校で、四字熟語として習ったこともあるでしょう。
実は、付和雷同はネガティブ表現として使われる言葉です。
本記事では、付和雷同の意味や読み方はもちろん、対義語・類義語や使い方を解説。
誤った意味の捉え方をしないよう、しっかり覚えてくださいね。
Contents
付和雷同の意味とは?
まずは、付和雷同の意味や読み方、表記について解説します。
意味はもちろん、誤った読み方や書き方をしないようしっかり覚えておきましょう。
意味
「付和雷同」の意味は、自分にしっかりとした主義・主張がなく他人の言動に同調して、すぐに賛成すること。
ニュアンスとしては、何を言われても「はい」「そうですね」と答えるイエスマンのようなイメージでしょう。
臨機応変に相手の考えに合わせて賛同しているわけではないのです。
なので、もし「あなたは付和雷同な性格だね」と言われたら、協調性というよりも流されやすいという非難の意味合いがあるので使い方には気を付けましょう。
読み方
付和雷同は「ふわらいどう」と読みます。
「ふわどうらい」と読む人もいますが、こちらは間違いです。
誤った読み方に注意しましょう。
附和雷同との違い
付和雷同は「附和雷同」と表記することもありますが、どちらも同じ意味です。
そもそも「付和・附和」とは一定の意見を持たず、すぐ人の意見に賛成することを表した言葉。
なので、漢字が違っても意味が変わることはありません。
ただし「不和雷同」と表記するのは間違いなので気を付けましょう。
付和雷同の由来・語源
付和雷同は、古代中国の書物「礼記(らいき)」のなかにある漢文の一節「毋勦説、毋雷同」に由来する四字熟語といわれています。
「勦説(そうせつ)するなかれ、雷同するなかれ」と読み、人の意見を盗んだり、安易に他人の考えに賛成したりするべきではないという意味です。
この教訓が浸透し、日本人になじみ深い四字熟語となったのですね。
ただし、漢文のなかに「付和」という言葉はなく、由来しているのはあくまで「雷同」のみ。
結局のところ、付和雷同の語源とは言い切れないので覚えておきましょう。
付和雷同の使い方【例文付き】
他人の意見や考えに流されがちな人を表す言葉「付和雷同」。
ネガティブ表現のため、相手をたしなめるにしても多少の配慮は必要かもしれません。
例文をいくつか解説しますので、参考にしながら使ってください。
「あの人はすぐ付和雷同するから苦手だ」
付和雷同は四字熟語のため名詞として使われる場合が多いです。
しかし実は「~する」「〜して」をつけ、動詞として使われる場合もあります。
たとえば「どうしても付和雷同してしまう」「付和雷同しているほうが楽だ」などの使い方ができますよ。
動詞であれば文章に落とし込みやすいでしょう。
「彼が付和雷同的な態度をとるのは珍しい」
相手に対して、それらしい様子を示す表現「~的な」をつけて「付和雷同的な」とも表現します。
つまり、人の性質を形容する使い方もできるのですね。
なので、相手にだけではなく自分に対しても「私は付和雷同的だ」のように用いられます。
断定せず付和雷同っぽい要素が含まれる例文ですが、誉め言葉ではないので注意しましょう。
「彼女は付和雷同な性格なので自分の意見を言わない」
付和雷同に「~な性格」「~な態度」といった言葉をつければ、相手の状態や性格が確定している際にも使えます。
形容するのではなく、同調ばかりする人であることを表現し、流されやすさを非難するニュアンスを含んだ使い方をします。
また「付和雷同な性格でごめん」のように、自身への教訓としても使える言葉です。
付和雷同の対義語
付和雷同は、自分の考えを持たず、むやみに人の意向に賛成するというネガティブな意味の言葉です。
では、逆にポジティブな意味の言葉にはどんなものがあるのでしょうか?
あくまでも対義語ですが、知っていて損はないでしょう。
独立独歩
「独立独歩(どくりつどっぽ)」は、他人に頼らず自分の力で信じた道を進んでいくという意味です。
自分でしっかり考え行動するさまは、むやみに同調する付和雷同とは真逆。
理念や信念を持っている人に対して使う言葉です。
初志貫徹
「初志貫徹(しょしかんてつ)」は、最初に決めた意志を最後まで貫き通すという意味です。
「~する」といった動詞で使う場合もあれば「~な性格」など人の状態を表せます。
最初に決めたことを最後までやり遂げるのは、付和雷同と反対のニュアンスでしょう。
志操堅固
「志操堅固(しそうけんご)」は、主義や意志などを堅く守り抜くという意味です。
「志操」とは自分の考えや見解を変えない心のことで「堅固」は容易に壊れないさま。
つまり、意志が堅いという意味の言葉です。
しっかりした人に対して使われる言葉なので、周囲に同調しがちな付和雷同とは対称的でしょう。
付和雷同の類義語
他人の判断や見解に安易に賛同するという意味の言葉は、付和雷同だけではありません。
いくつか類義語があるので、ぜひ覚えてくださいね。
言い換え表現を知っておけば、さまざまな場面で使えますよ。
唯唯諾諾
「唯唯諾諾(いいだくだく)」は、人の言いなりで何事にも従うという意味です。
「唯」「諾」どちらも応答や了承を表す言葉で付和雷同と同様、似た意味の二語が連続している四字熟語。
まったく逆らう様子を見せないさまは付和雷同と似ていますね。
ただし、唯唯諾諾の場合、自分の意見を持ったうえで他人に同調します。
自分の考えがないまま相手に従う付和雷同とは少々ニュアンスが異なるので注意しましょう。
吠影吠声
「吠影吠声(はいえいはいせい)」は、根拠のないことでも誰かがさも本当であるかのように言い出すと、同調して多くの人が軽々しく言いふらし始めるさまの意味です。
何の変哲もない影に怯えた一匹の犬が吠えると、ほかの犬も一斉に吠え出すことに由来する言葉。
雷が鳴ると万物が呼応する「雷同」と似た意味なので類義語として使われます。
尻馬に乗る
「尻馬に乗る(しりうまにのる)」とは、物事の善し悪しを判断できないまま他人に同調し、軽はずみな行動をするさまという意味です。
人の言うこと・やることすべてに便乗する様子を表した言葉で、やや強めに非難する際に使われます。
「尻馬に乗って騒ぐ」「尻馬に乗るようなことはしない」などとも表現できますよ。
同調したり、便乗したりするという意味では付和雷同と似た言葉と言えるでしょう。
付和雷同は褒め言葉ではない!自分の考えをしっかり持って主張しよう
「付和雷同」とは、自分ではっきりとした主義・主張がなく、相手の意見や考えに同意するさまを表すネガティブな言葉です。
物事の善し悪しを判断し後先を考えているようにもとれますが、実はそうではなく他人に便乗するだけで、自分の考えを持っていないのです。
つまり「付和雷同な人だね」と言われたら、あまり誉められていないので注意しましょう。
もちろん、時には空気を読んで周囲に合わせて賛同することも必要です。
しかし、いつまでも主張せず同意ばかりするのは付和雷同と言われても仕方ありません。
自分の考えをしっかり持つことが大切です。
- 付和雷同はネガティブ表現として使われることがほとんど
- 「附和雷同」とも書くが「不和雷同」は誤り
- 動詞・名詞としても用いられる
- 対義語と類義語を知っておくことで表現の幅が広がる
- 付和雷同な人にならないよう、ほどほどに自分の意見を主張できるのがベスト