柔軟性の意味とは?仕事において必要な柔軟性と自己PRのポイント・例文
柔軟性があることは仕事において大きな長所になるため、就職や転職する際には企業に対する絶好のアピール材料になります。
そこで今回は、仕事において必要な柔軟性と自己PRのポイントを記事にまとめ、面接官の心を動かせる自己PR例文を交えながら紹介していきます。
職歴や資格が少なく、履歴書や職務経歴書にアピールできる要素がないと感じている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
Contents
柔軟性とは
まず、柔軟性について理解を深めるために、言葉の意味・類語・英語表記を見ていきましょう。
言葉の意味
柔軟性とは、「優しくしなやかな性質」「その場に応じた適切な判断ができること」という意味です。
つまり、柔軟性がある人とは「その場の状況に応じた臨機応変な対応ができて、自分のルールだけに固執せず、相手の意見を尊重して理解できる人」と解釈できます。
類語・言い換え
柔軟性の類語には「撓い(しない)」「弾力性」などがありますが、これらは物体に対する柔軟さを意味した場合の類語です。
「柔軟性がある人」というように、柔軟性を性格や人間性として意味する場合の類語は、
- 融通性
- しなやかさ
- 寛容さ
などが類語・言い換えとして適切な表現になります。
英語表記
柔軟性を英語にすると「softness」「pliability」「flexibility」になり、例文として「柔軟性を伴う」を英語にすると「with flexibility」とあらわします。
また、「柔軟性のある人」のように柔軟性を比喩的に表現した場合は、「flexible」 「adaptable」になります。
仕事において必要とされる柔軟性
仕事においては柔軟性が必要ですが、一言で柔軟性といっても要素はさまざまです。
そこで、仕事で必要な柔軟性について解説していきます。
変更点があっても臨機応変に対応できる
企業は、業務に即対応できる人材を求めているため、業務内容に変更点があっても臨機応変な対応力が必要です。
- 営業職でアフターフォローを取り入れる
- 介護職で高齢者の入浴手順が変わる
- 配達業で商品の配送ルートが変わる
このような変更点に対応できる柔軟性があれば、業務内容の変更にあたってのムダな時間が発生しないため、戦力としての価値が高くなります。
他者の意見・アドバイスを素直に受け入れられる
他者の意見・アドバイスを素直に受け入れられる柔軟性があれば、周囲のアドバイスを参考にするため、自己流を貫いて仕事する人に比べて成長が見込めます。
どんなに成績優秀な就活生でも、新卒で入社した時点では会社の中で素人同然の戦力であり、他者の意見・アドバイスを受け入れる柔軟性が求められます。
とくに、会社は新卒の人材に対して成長性を重視しており、柔軟性があることはそんな成長性を感じさせる要素になるのです。
コミュニケーション能力が高く相手を尊重できる
会社の人間関係においても柔軟性が求められ、コミュニケーション能力が高く相手を尊重できる柔軟性があれば、視野を広く持つことができます。
仕事で話し合う場面では利害関係を含んでいることが多く、相手の意見をそのまま受け入れたり、自分の意見を押し通したりするようでは結果を出すことができません。
一方、柔軟性があればお互い納得するまで考えをすり合わせることができるため、誰にとっても利益のある仕事ができ、周囲との信頼関係が深まります。
一つの方法にこだわらず切り替えができる
一つの方法にこだわらずに切り替えができる柔軟性は、仕事の完成度を高めつつ損失を最小限に抑えることにつながります。
たとえば、別の方法を試すことでより効率良く作業できる方法が見つかる可能性がありますし、リスクの高い工程を避けられる作業方法が見つかるかもしれません。
つまり、目的達成までの過程において、一つの方法にこだわらない柔軟性が求められるのです。
新しいことでも失敗を恐れずチャレンジできる
近年では企業が新規の分野に挑戦することが多いですし、新規分野が会社の命運を握っている可能性も高いでしょう。
たとえば、
- 人材派遣会社が転職支援サービスを取り入れる
- 飲食店がデリバリーを始める
- アプリの開発会社がCGアニメを製作する
などのような状況で、失敗を恐れずチャレンジできる柔軟性があると、企業内でマルチに活躍できる人材として高く評価されるのです。
柔軟性をアピールするには?自己PRのポイント&例文
ここでは、採用担当者に対して効果的な柔軟性のアピール方法について具体的に解説していきます。
面接時には、以下の例文を参考にしてみてください。
柔軟性の自己PR:例文①
「私の長所は柔軟性が高いことです。私は学生時代に野球部のキャプテンを務めてきました。
バッティング練習の中では筋肉トレーニングを重視してきましたが、伸び悩む部員もいて、全員が同じトレーニングではいけないと気づきました。
足の速い部員にはバント練習、器用な部員にはゴロを打つ練習をさせるなど、部員個人のタイプに合わせた練習方法を柔軟に指示することを考えました。
その結果、チームは強くなって県大会出場を果たし、私は人や環境にあわせて柔軟に対応することの必要性を学べたと思います。
このような柔軟性は仕事でも必要だと思うので、作業一つひとつに対して思い込みで判断するのではなく、柔軟な対応を心がけたいと思います。」
<ポイント>
この例文では、「柔軟性が身についたきっかけや場面」を経験として伝えているため、自分がどんな柔軟性を持っているのかを相手が理解しやすくなります。
「物事に対して柔軟性がある」の一言では、漠然とし過ぎてアピールにならないため、自分の柔軟性についての成功エピソードを話すのがポイントです。
柔軟性の自己PR:例文②
「私は、仕事において重要なのは柔軟性だと考えています。
仕事の対応に完全なマニュアルはなく、状況・環境の変化や顧客のニーズにあわせた柔軟な仕事をする必要があると考えているためです。
PC機器の販売が業務となる貴社では、お客様の知識や技術に合わせた対応が求められると思っています。
自分が持っている柔軟性を仕事で最大限に発揮して、新商品だけにこだわらずお客様のタイプに合った商品を提案していきたいと考えています。」
<ポイント>
この例文では、「自分の柔軟性が企業でどのように活かせるか」を伝えてアピールしているのがポイントです。
このアピールは会社にとってのメリットになるため、採用担当者は採用した後の姿を想像しやすくなり、効果的にアピールをすることができます。
柔軟性の自己PR:例文③
「私は仕事に対して柔軟性のある対応をすることができます。
前職では、マニュアルどおりに行動するだけでなく、お客様のニーズに合わせた対応を心がけてきました。
例えば、お客様から商品の問い合わせを受けた際、希望する商品がなくても、ただ『ない』と回答するのではなく、その商品を希望する理由などを確認していました。
その上で、お客様の希望に限りなく近い商品を代替案として伝えて、臨機応変に対応してきました。
ときには、その代替案がお客様にとって最初に希望した商品以上に合っていることもあり、購入してもらえただけでなく、お褒めの言葉をいただいたこともあります。」
<ポイント>
この例文では、「自分の柔軟性が成功した経験」を伝えており、採用担当者に対して仕事に役立つ柔軟性を持っていることを証明しているのがポイントです。
このような経験を伝えることは、「柔軟性がある」のアピールに説得力を持たすことができます。
長所だけじゃない!柔軟性の短所もチェック
柔軟性があることは一般的に長所と捉えることが多いですが、一方で短所となる要素も秘めているため、上手にアピールすることが重要です。
以下で柔軟性の短所を解説するので、転職成功ノウハウの一環として把握しておきましょう。
自分の意見がないと思われる
柔軟性がある人は周囲に合わせた行動ができますが、これに対して自分の意見がないと思われてしまうケースがあります。
確かに、企業では協調性が重要視されるため、周囲に合わせることができるのは長所になりますが、自分の意思がないと解釈されてしまうと問題です。
器用貧乏な印象を与えてしまう
柔軟性があることは、どのような環境にも対応できるのが強みですが、別の見方をすれば「幅広くこなす能力がある=一つの能力に突出していない」とも解釈できます。
この場合、柔軟性があることによって能力的に器用貧乏の印象を与えてしまうため、専門分野を求める企業に対してはアピールポイントになりづらいでしょう。
飽きやすいと思われる
たとえば、ストレッチから筋トレの運動に変えたとして、運動方法において柔軟に対応するという解釈ができますが、一方でストレッチに飽きたという解釈もできます。
このように、柔軟性があることに対して「飽きやすい」と思われる可能性もあり、柔軟性を伝えるつもりが持続性のなさを伝えてしまっていることもあります。
柔軟性は新卒入社・中途入社関係なく立派なアピールポイント!
柔軟性は、新卒入社・中途入社関係なく立派なアピールポイントになり、就職や転職では資格や職歴がすべてではありません。
確かに、求人情報誌の中では資格の所持を条件としている会社がありますし、輝かしい内容の職歴があれば転職活動も成功しやすいでしょう。
しかし、志望動機が曖昧だったり面接官への態度が悪かったりすれば、いくら優秀な転職エージェントのバックアップがあっても企業に求められる人材にはなれません。
企業が最も重要視するのは性格と人間性であり、その中でも柔軟性があることは立派なアピールポイントになるでしょう。
- 柔軟性とは、「優しくしなやかな性質」「その場に応じた適切な判断ができること」を意味する
- 柔軟性の意味から考えて、柔軟性のある人とは「その場の状況に応じた臨機応変な対応ができる人」と解釈できる
- 仕事においては、「変更点があっても臨機応変に対応できる」などの柔軟性が求められる
- 柔軟性をアピールするには、「柔軟性を持ったきっかけ」「柔軟性が企業にもたらすメリット」「柔軟性によって成功した経験」などを伝えるのがおすすめ
- 柔軟性は見方を変えると「自分の意見がない」などの短所とも受け取れるため、アピールするときには伝え方に要注意