漁夫の利(ぎょふのり)の意味とは?読み方や由来、使い方を紹介
「漁夫の利(ぎょふのり)」とは、争い合っている隙に第三者が利益をかすめとってしまうことを意味する言葉です。
目先の相手にとらわれている間に、別の誰かに先を越されてしまったという経験がある人も多いのではないでしょうか。
この記事では「漁夫の利」の意味や読み方、言葉の由来、適切な使い方について解説します。
例文も併せて紹介しますので、どういったシーンで使えるか気になっている人はぜひチェックしてみてください。
漁夫の利の読み方と意味
「漁夫の利(読み方:ぎょふのり)」とは、人が争い合っている隙に第三者が利益をかすめとってしまうことを意味する言葉です。
当人同士が争っている間に第三者が利益を横取りするため、ずる賢いというニュアンスが含まれます。
漁夫の利の由来
「漁夫の利」という言葉は、中国の戦国時代における史書『戦国策』の燕策の故事に由来します。
内容としては、趙(ちょう)の国が燕(えん)を攻めようとしたときの出来事を記したものです。
燕の蘇代(そだい)という外交家が趙の恵文王(けいぶんおう)に会った際、以下のような話をしました。
私はこの国に来るにあたって、易水という川を渡った。
その際、鷸(しぎ)がハマグリを食べようとしている光景を目撃した。
食べられそうになったハマグリは殻を閉じて、鷸のくちばしを挟んでしまった。
そうして鷸とハマグリの二者間で争いが起きているなか、突然現れた漁師は両方を捕らえてしまった。
蘇代はこの話を通じて、趙と燕が争えば第三者であり強国の秦(しん)が利益を得る可能性があることを説明しました。
この話を聞いた恵文王は、燕を攻めるのを中止したのです。
「漁夫の利」という言葉はこの故事から生まれた故事成語とされており、争い合う二者を横目に第三者が利益を得る状況を指す際に、広く用いられるようになりました。
漁夫の利の使い方
最後に、「漁夫の利」の使い方を例文と共に解説します。
【例文】
- 公園で子供同士が遊具を取り合っている隙に、別の子がその遊具で遊び始めて、まさに漁夫の利を得たようだった
- 同期が出世争いで足の引っ張り合いをした結果、漁夫の利を得て自分が一番評価された
- 同じ人を好きになった二人が争っているうちに、漁夫の利を狙って自分は直接アプローチをかける
このように漁夫の利を使う場面は誰かが争っているうちに、利益を横取りした時に限られます。
争いがない場面で使うのは適切ではないので注意しましょう。
漁夫の利の意味を理解して、正しく使おう
「漁夫の利」という言葉は、当人たちが揉めているうちに第三者に利益を横取りされることです。
そういった状況に陥らないためにも、頭の片隅に「漁夫の利」という言葉を置いておきましょう。
正しく使用することはもちろん、言葉の本質をとらえて教訓とすることで、より豊かな人生を歩めるはずです。
- 「漁夫の利(ぎょふのり)」とは、人が争い合っている隙に第三者が利益をかすめとってしまうことを意味する言葉
- 漁夫の利の由来は中国の戦国時代における史書である『戦国策』の燕策の故事であり、争っている鷸とハマグリを漁師が労せず捕らえたという話が基になっている
- 利益を横取りされないためにも、頭の片隅に「漁夫の利」という言葉を置いておくべき