十分と充分の違いは?言葉の意味や、使い分け方を例文付きで解説!
「じゅうぶん」は、「十分」と「充分」のどちらの漢字でも表記されることがあります。
「十分に満足している」と「充分に満足している」では、どちらも問題がないように思えますよね。
意味や使う場面が似ている「十分」と「充分」ですが、正しい使い分けはあるのでしょうか。
この記事では、「十分」と「充分」の違いや意味、使い分け方を例文付きで解説していきます。
この記事を参考に、「十分」と「充分」の違いを学びましょう!
Contents
「じゅうぶん」の意味
「じゅうぶん」とは、「満ち足りていること」「思い残すことがないこと」という意味です。
例文としては、「じゅうぶんな量の食事だ」「気持ちはじゅうぶん分かる」といった使い方が挙げられます。
「じゅうぶん」は物理的な量に対してだけでなく、気持ちや時間など形のないものに対しても使うことが可能です。
十分と充分は同じ意味
「十分」と「充分」は、どちらの漢字でも同じ意味であり、明確な使い分けは存在しません。
広辞苑で「充分」と引くと「十分と同じ」と記載されており、完全な同義語という扱いです。
つまり、「十分」と「充分」はどちらの表記を使っても、全く問題がないということになります。
公文書では十分と表記
公的文書では、かな書きで「じゅうぶん」表記が採用されていますが、漢字で表記する際は「十分」と書くルールになっています。
「充分」は「十分」の当て字であり、本来は「十分」と表記することが正しいとされているためです。
一般的にも「十分」が使われていることが多く、どちらを使うか迷った場合は「十分」を使う方が確実でしょう。
不十分と不充分はどちらが正しい?
「十分」と「充分」は同じ意味ですが、「不」をつけ「不十分」「不充分」とする際はどちらの表記が正しいのでしょうか。
広辞苑で「不十分」と引くと、同じ欄に「不充分」と載っています。
つまり、「不十分」と「不充分」にも明確な使い分けはなく、どちらの表記を使っても問題ありません。
十分・充分の使い分け【例文付き】
「十分」と「充分」は全く同じ意味ですが、使い分けをするべき場面はいくつか存在します。
ここでは最後に、「十分」と「充分」を使い分けるべき場面を例文とともに紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
時間について述べるとき
時間について述べるときは、「十分」ではなく「充分」を使う方がベターです。
【例文】
「待ち合わせまで、まだ時間は充分あります。」
「時間は十分あります」という表記では、「10分(じゅっぷん)」と勘違いされる可能性があるので、時間を表現する場合は「充分」を使った方が混乱を防げるでしょう。
正式な文書を書くとき
正式な文書を書くときは、「十分」を使いましょう。
【例文】
「十分な調査の後、報告いたします。」
本来正しいのは「十分」の方なので、ビジネスメールや正式な文書では「十分」を使うべきです。
感情を込めたいとき
文章に感情を込めたいときは、「充分」を使った方が気持ちが伝わりやすくなります。
【例文】
「ありがたい申し出ですが、お気持ちだけで充分です。」
「充実」の「充」を使うことで、感謝の気持ちがより相手に伝わるはずです。
十分と充分は基本的には同じ意味なのでどちらを使っても問題ない
「十分」と「充分」は、どちらも「じゅうぶん」という読み方で、全く同じ意味の言葉です。
明確な使い分け方は存在しないため、基本的にはどちらを使っても問題ありません。
ただし、時間を述べる際や正式な文書など、一部で使い分けた方がいい場面も存在します。
一般的には「十分」が使われることが多いため、どちらを使うか迷った場合は「十分」を使う方が確実です。
基本的には「十分」を使い、例外として「充分」を使う場面があると覚えておきましょう。
- 「じゅうぶん」とは、「満ち足りていて不足がないこと」「思い残すことがないこと」という意味
- 「十分」と「充分」は同じ意味であり、明確な使い分けはない
- 「不十分」と「不充分」も明確な使い分けはなく、どちらを使っても良い
- 時間について述べるときは「充分」、正式な文書を書くときは「十分」、感情を込めたいときは「充分」を使う