善処しますの意味とは?言い換え・類語・ビジネスでの使い方を紹介
「善処します」は、ビジネスシーンで用いられることが多く、一度は聞いたことがあるフレーズではないでしょうか。
しかし、なかには「善処します」の正しい意味がわからず、自分なりの解釈で使っている人もいるはず。
そこで、善処しますの正しい意味や、言い換え・類義・ビジネスでの使い方について紹介します。
Contents
「善処します」の意味とは?わかりやすく解説
善処とは、その場に応じて適切に処置すること。
「善=正しい」「処=取り計らう」が組み合わさった言葉で、政治やビジネスシーンで多く使われます。
第三者から依頼を受けた時の返答に使い「できる限り対応します」という意味が込められています。
確約しているわけではないので、断言する時には相応しくありません。
すぐに回答できない時や、相手の望む結果を得られない可能性がある場合に使うフレーズです。
「善処します」の例文と使い方
「善処します」という言葉を聞いたことがあっても、使い方がわからない人もいるのではないでしょうか。
善処は「可能な限りやってみます」を丁寧にしたフレーズですが、正しい使い方を知っているだけで、ビジネスシーンに活用できますよ。
そこで「善処します」の例文と使い方について紹介します。
この件については善処します
「この件については善処します」は、ビジネスシーンで返答する時に使うフレーズ。
目上の人や上司など、依頼を受けた時に用いられ「できる限りのことはやってみます」という意味があります。
すぐに返事ができない場合に使えるので、クレーム対応の時にも役立ちます。
ただし「善処します」は「お断りします」を言い換えている場合も。
その時の状況や「善処します」の前にくる言葉で、どのようなニュアンスかを判断しましょう。
善処するように努力します
「善処するように努力します」は、上司や取引先に対しての返答に使えるフレーズ。
「善処する」は「一旦保留にする」という意味で使うこともあり、すぐに返答ができない時に相応しい言葉です。
名言を避けたい時や、確認しないとすぐに回答できない場合に用いられます。
ただし、保留の意味を込めて伝える場合は、結論が出た時点で相手に連絡する必要があります。
「善処する」だけでは曖昧さが残り、最終的な結果が見えません。
そのため、結論が出たら相手に伝え、不安にさせないようにしましょう。
善処いただくようお願いいたします
「善処いただくようお願いいたします」は「前向きに検討してほしい」という意味が込められたフレーズ。
相手に自身の要望を受け入れてもらいたい時に使います。
第三者に依頼する時は「できる限り善処いただくようお願いいたします」と伝えれば、丁寧な印象を与えられるでしょう。
また「前向きに検討してほしい」という思いを丁寧な言葉で表現することで、自身の要望を伝えつつ、相手への敬意を示すことにも繋がります。
言葉選びで第三者からの見られ方が変わるので、ビジネスで依頼する時は、会話の中に取り入れると良いでしょう。
善処いたしますが、ご期待に添えない場合がございます
「できる限りは対応しますが、希望通りにいかないこともあります」という意味のフレーズ。
依頼を受ける時に、あらかじめ「できないかもしれない」と伝えるために使います。
「善処する」だけを伝えると、曖昧な意味に捉える人も少なくありません。
そのため「ご期待に添えない場合がございます」を加えることで、万が一対応できなくても大きなトラブルには発展しにくいでしょう。
希望に添えるよう善処します
「希望通りにいくように可能な限りやってみます」という意味が込められたフレーズ。
断定を避けるニュアンスであるため、要望通りの結果が得られない可能性がある時に使います。
「絶対にできる」と断定していないため、確約できない時や名言を避けたい時にぴったりです。
できるかどうかがわからない時に断言すると、後でトラブルになる可能性があります。
そのため、結果が不確かな場合は「希望に添えるよう善処します」と加えたうえで伝えるほうが好ましいでしょう。
「善処します」と言われたらどうする?
「善処します」と言われた場合「必ずしも希望通りにいくとは限らない」という認識でいることが大切。
曖昧な表現であるため、肯定的に捉えると後で落胆するかもしれません。
遠回しに断る時にも使われるため、必ずしも自分にとって良い意味だとは限らないのです。
その一方で、相手は最善の努力をし、前向きに取り組む姿勢を示している可能性があります。
どちらにしても、その場では「よろしくお願いします」と伝えておくのがベター。
あくまでも「希望通りにいけばラッキーだな」という気持ちで受け取りましょう。
「善処します」の言い換え・類語
「善処します」というフレーズには、似た意味の言葉が存在します。
同じような意味ではありますがニュアンスが違うため、正しい意味を理解したうえで使い分けることが大切です。
そこで「善処します」の言い換えた表現や類語を紹介します。
対応
「対応」は、周囲の状況に合わせて行動することを指し、ビジネスシーンで用いられることが多いフレーズです。
善処は適切な行動が求められる一方で、対応は行動全般を示しているため、必ずしも望む結果が得られないことも。
どちらも「周囲の状況に合った行動を取る」という点は共通していますが、ニュアンスに違いがあるので、使い分けに注意しましょう。
対処
「対処」は、物事を適切に処理することを表します。
善処には「対応できるかわからない」という意味がありますが、対処には曖昧なニュアンスが含まれません。
「状況に合わせて適切に行動する」という意味が強く「クレームが起きたので迅速に対処します」というように、トラブルが起きた時にも使えます。
断言した伝え方なので、相手が不安になることも少ないでしょう。
お取り計らい
「お取り計らい」は、相手が自分に対して気遣いを示す時に使う敬語表現。
文章やメールなどの書き言葉として使われるフレーズではありますが、話し言葉として用いても問題ないでしょう。
一般的には、目上の人や取引先に対して使います。
「お取り計らい」は、想定を上回る気遣いをしてもらった時に使うため、ネガティブな意味は含まれないフレーズです。
前向きに検討する
「前向きに検討する」は、物事を肯定的に捉えたうえで判断すること。
善処は「不安はあるけど頑張ってみる」という前向きな意味があるため、どちらも相手の気持ちを汲んだ表現になります。
しかし、断る時の丁寧な伝え方として用いられることもあるため、誤って解釈しないように注意が必要です。
ポジティブな意味として捉えると、後日予想に反した回答がくるケースも少なくありません。
そのため、ネガティブな意味が込められている可能性があることを覚えておきましょう。
「善処します」は目上の人や上司に使ってもOK
「善処します」は「最善を尽くす」という意味が込められており「自分なりに頑張ってみます」という気持ちを表す丁寧な表現。
言葉自体に悪い意味はないため、目上の人や上司に使っても問題ないでしょう。
「善処いたします」「ご善処いただく」などの表現を使うことで、より丁寧に伝えられます。
伝え方を変えるだけで丁寧さが増すため、相手の捉え方が大きく変わります。
相手に合わせた表現に変換し、その場に相応しい伝え方をしましょう。
「善処します」をビジネスで使うときに注意すること
「善処します」を用いる場合、いくつかの注意点があります。
伝え方によっては、相手にネガティブな印象を残す可能性があるため、正しい使い方を押さえておくことが大切です。
そこで「善処します」をビジネスで使う時の注意点を解説します。
曖昧な表現になる
「善処します」は曖昧な表現であるため「はっきりしない」「曖昧な回答」と捉えられる可能性があります。
相手は不安に感じることがあり、ネガティブな印象を与える可能性があるのです。
状況によって断言できない時もありますが、多用するのは好ましくありません。
類語に置き換えるなどして、相手に不安を抱かせないように配慮しましょう。
後日結論を伝える
「善処します」と伝えたら、後日結論を述べるようにしましょう。
結論がないと「結局どうなったんだろう」と気になり、気持ちがスッキリせず、モヤモヤが残るのです。
たとえば「善処しますが、ご期待に添えない場合はご容赦ください」と伝えていた場合、その後連絡がないと相手は結果がわかりません。
「善処します」と伝えるからには、最終的にどうなったのかを伝える義務があるのです。
相手に心配させないためには「〇〇日までに回答します」と伝えましょう。
あらかじめ回答の期日を提示することで、相手の気持ちに余裕が生まれ、必要以上に気にせずにすむのです。
「善処」は敬語ではない
「善処」は丁寧な言葉ではありますが、敬語ではありません。
目上の人や取引先に伝える時は、そのままでも伝わりますが、敬語表現に変換することでさらに丁寧な言い方になるでしょう。
たとえば「する」を謙譲語の「いたす」に変換すれば「善処いたします」と丁寧な表現になりますよね。
物事は、伝え方によって相手の捉え方が変わります。
より丁寧な伝え方を覚えておくとビジネスシーンで役立つので、相手との関係性によって伝え方を柔軟に変えましょう。
「善処します」の意味を理解して状況に合わせて使おう!
今回は、善処しますの意味や言い換え・類義・ビジネスでの使い方について紹介しました。
活用方法を正しく覚えれば、ビジネスシーンで役立ちます。
「善処します」の意味や使い方をマスターすることで、目上の人や取引先とのコミュニケーションがより円滑に進むでしょう。
ただし、曖昧な表現であることから、多用するのは控えたほうが無難です。
状況や相手との関係性に合わせて上手に活用すれば、丁寧な印象を与えられるので、ぜひ「善処します」を使ってみてくださいね。
- 善処とはその場に応じて適切に処置すること
- 「善処します」は明言や断言を避ける時に使う
- 「善処します」と言われたら希望通りにいかない可能性がある
- 目上の人や上司に使っても問題ない
- 正しい活用方法と注意点を覚えてビジネスシーンで役立てよう