「感慨深い」の意味や使い方は?使う際の注意点も合わせて解説!
「感慨深い」は、嬉しい気持ち・感動した気持ちを表すときに使われる言葉です。
ビジネスシーンにおいても使われることの多い言い回しですが、正しく使えているかどうか自信のない人もいるのではないでしょうか。
そこで今回の記事では「感慨深い」の正しい意味や使う際の注意点などを合わせて解説していきます。
Contents
「感慨深い」の意味と使い方
「感慨深い(かんがいぶかい)」とは、物事や思い出を深く感じ、心が揺さぶられることを意味します。
単に目の前の出来事に心が動かされるというよりは、過去の思い出や物事と結びつくことでしみじみとした気持ちになるというニュアンスで使われます。
過去から今につながる出来事に対し、強い感動を覚えたとき・大きな喜びを感じたときなどに「感慨深い」と自身の複雑な感情を一言で表すことができるのです。
「考え深い」との違い
「感慨深い」と似たフレーズとして「考え深い」があります。
「考え深い」とは、ある物事に対し深く考察し、思考を巡らせることを意味します。
感動やしみじみとした気持ちを表す「感慨深い」とはかなり意味合いが異なるため注意が必要です。
また、「感慨深い」が「出来事」への気持ちを表すのに対し、「考え深い」は人や物を対象としている点も大きな違いです。
「感動」との違い
しみじみとした気持ちや大きな感動を覚えることを表す「感慨深い」は、同じく心動かされたことを表す「感動」と近い言葉のように思えます。
たしかにポジティブな心の動きを指すという意味では両者ともに共通していますが、指し示す対象が微妙に異なる点には注意が必要です。
感慨深い | 過去からつながる今の出来事によって心を動かされる |
感動 | 今現在の独立した出来事によって心を動かされる |
上記で示した通り、「感慨深い」は過去からの影響を受けた出来事に心を動かされるという「線」での視点が含まれています。
一方、「感動」の場合はあくまで今起こった出来事の影響であり、過去とは切り離されたものです。
心を動かされたことを表すときは、その出来事が線視点なのか点視点なのかを見極めて使い分けることをおすすめします。
「感慨深い」の類語・言い換え
続いて「感慨深い」の類語・言い換え表現を見ていきましょう。
「感無量」
「感無量」とは「感慨無量」を省略した言い回しであり、「感慨」が測れないほどにあふれている(無量)であるという意味です。
つまり、深い喜びや感謝・感動した気持ちを表しています。
「感慨深い」とほぼ同じニュアンスの言葉であり、過去から今につながる出来事に対し使うことが可能です。
「心に染み渡る」
「心にしみ渡る」とは、ある出来事が心を動かし、しみじみとその感動や喜びが広がっていく様子、心が震えた余韻を表しています。
単なる「感動」よりも、喜びがひろがるさまを体感的に表現できるので「感慨深い」を言い換える言葉としてもぴったりです。
「感極まる」
「感極まる」とは、感動が極限に達した状態を表しています。
基本的には今起こった出来事への強い感動を意味しますが、「過去からの影響によって今感動が爆発している」といった意味合いでも使うことが可能です。
「感慨深い」を使った例文
「感慨深い」はビジネスシーンや日常生活でもよく使われる言い回しです。
ここでは、具体的な例文とともに「感慨深い」の使い方を見ていきましょう。
子どもや部下の成長を実感したとき
- 息子が卒業式で堂々と答辞を読む姿に、よくここまで育ったかと感慨深くなった
- 面接時から目をかけていた部下の成長した姿は、感慨深いものがある
過去から今につながる感動といえば、目下の相手の成長を感じた時でしょう。
とくに自分が育ててきた子どもや部下の成長を実感できたときは、まさに感慨深い瞬間です。
長期の目標を達成したとき
- このプロジェクトの成功は、これまでの努力の成果だと思うと非常に感慨深い
長期プロジェクトの成功や資格試験の合格など、長年の努力が実を結んだときは非常に嬉しいものです。
過去の頑張りも合わさった感動的な気持ちは、まさに「感慨深い」で表すのが適切ではないでしょうか。
ビジネスメールでも、単に「嬉しい」「喜ばしい」より「感慨深い」を使用したほうがきちんとした印象を与えられます。
結婚式のスピーチ
- 学生時代からお二人を見てきた身としては、本日の結婚式は非常に感慨深いです
- 本日、皆様に結婚のご報告ができたことを感慨深く思っています
結婚式というのはカップルが歩んできた道の集大成です。
もちろんこの先も生活は続いていくわけですが、1つの門出として感慨深くなるシーンの1つといえるでしょう。
「感慨深い」は主役の2人を見守っていた周囲の人たちはもちろん、本人たちも喜びを伝える意味で使うことができます。
「感慨深い」を使う際の注意点
「感慨深い」は感動や喜びを伝えるときに便利な言葉ですが、やみくもに使えるわけではありません。
そこで最後に「感慨深い」を使う際に知っておきたい注意点を解説していきます。
目上には使えない
「感慨深い」は友人や同僚・親しい間柄の相手に使う言葉なので、目上の相手に使うことはできません。
「感慨深い」は過去の努力や出来事を知った上での気持ちを表すので上から目線のニュアンスになってしまい、目上の人に使ってしまうと失礼にあたるからです。
使う相手によっては悪い印象を与えてしまう可能性があるので、くれぐれも注意しましょう。
ポジティブな意味で使う
「感慨深い」はポジティブな意味合いで使います。
悲しみや辛さも「心が大きく揺り動かされた」出来事ではあるものの、そうしたネガティブな感情を表すには「感慨深い」は不適切です。
結果として大きな喜びや成功につながったなら「感慨深い」でもOKですが、終始ネガティブな出来事に対して使うのは避けた方が良いでしょう。
瞬間的な出来事には使わない
「感慨深い」には、過去からつながる目線が含まれています。
なので今起こったことや、瞬間的な出来事に対しては「感慨深い」とは言いません。
たとえ心を大きく動かされたとしても、今この瞬間のことであれば「嬉しい」「感動した」といったワードのほうが適切です。
「感慨深い」はポジティブで長期的な出来事に使われる
「感慨深い」はこれまでの経過・努力などを含めた出来事に対して使われる言葉です。
結婚式やビジネスの成功などおめでたいシーンにもぴったりのフレーズであり、活用できる場面は多いでしょう。
誰かの努力が実ったり、嬉しい成長を実感したりしたときはぜひ使ってみてください。
ただし、「感慨深い」が使えるのはポジティブで長期的な出来事のみです。
「感慨深い」の意味やポイントをしっかり押さえたうえで正しく活用してくださいね。
- 「感慨深い」とはある出来事によって心が大きく動かされること、強い感動や喜びを意味する
- 「感慨深い」の類語表現には、「感無量」「心に染みわたる」「感極まる」などがある
- 「感慨深い」は目上の人には使えない!過去からつながるポジティブな出来事に使おう