皮肉屋の意味とは?皮肉屋の特徴&厄介な心理・上手な対処法を解説!
人が失敗したらここぞとばかりに小言を言ったり、盛り上がっているときに水を差したりする「皮肉屋」。
その場の空気が悪くなるとわかっているのに、なぜ彼らは余計な一言を言わずにはいられないのでしょうか。
皮肉屋な人には嫌悪感を抱きますが、上手に対処すればストレスを溜め込まなくてすみます。
今回の記事では、皮肉屋の意味や皮肉屋の特徴・心理、上手な対処法を徹底解説します!
皮肉屋とは
よく見聞きする「皮肉屋」という言葉ですが、具体的にはどのような人を指すのでしょうか。
まずは皮肉屋の意味を確認しておきましょう。
言葉の意味
読んで字のごとく「皮肉」とは「皮と肉」「身体」を指し、そこから派生して「皮相」という意味で使われることがあります。
もっとも皮肉屋という場合の皮肉は、「遠回しな嫌味」や「当て擦り」を意味します。
こちらは仏教用語から来ており、中国禅宗の僧侶・達磨大師が弟子の修行を評した際に使われた「皮肉骨髄」に由来しています。
達磨大師はダルマさんのモデルになったことで有名なお坊さんですね。
「皮肉」は表面的な理解、「骨髄」は本質的な理解のことで、他人に対して「本質がわかってないね」と上から目線で非難するのが皮肉というわけです。
皮肉屋の「屋」はそうした気質を持つ人を揶揄する言葉ですから、ポジティブな意味で使用されることはまずありません。
類語
皮肉屋の類語には、風刺家・毒舌家・冷笑的な人などがあります。
皮肉屋と同様、ポジティブなイメージがない言葉ばかりです。
英語
皮肉屋を英語で表現すると、「cynic」です。
形容詞「cynical」はシニカルとして日本語でもお馴染みですね。
cynicはギリシャ語に由来しており、もとは古代ギリシャ哲学の一派・犬儒学派を表す言葉でした。
犬儒学派は自然に生きることが正しいと考え、当時の社会を見下し嘲笑したことから「皮肉」といった意味で使われるようになったのです。
皮肉屋の特徴【男女共通】
男性女性を問わず、皮肉屋と呼ばれる人はいるものですが、彼らにはいくつかの共通点があります。
続いては、皮肉屋の特徴を紹介していきます。
すぐ感情的になる
理性派を気取っている皮肉屋ですが、感情のコントロールがとても苦手です。
自分が言いたいと思ったら我慢できず、すぐ感情的になっては余計な一言を口にしてしまいます。
他人の成功に嫉妬することは誰にでもあるものですが、たいていはその感情を押し隠し、成功者に祝福の言葉をかけるものです。
しかし、皮肉屋の人は嫉妬心を隠すことができず、嫌味な言葉を口にしてしまうのです。
他人と比較する癖がある
皮肉屋は他人と比較する癖があり、すぐに不公平だと主張したがります。
しかし、彼らが求めているのは平等ではなく、自分が優遇されることです。
皮肉屋は自分が優遇されて当然の存在と思っているため、他の人と同じ扱いをされることに納得できません。
とはいえ、世間は自分をそこまで評価していないことも経験から知っているため、ストレートに主張せず、皮肉を言うことで自分が有能であることをアピールしているのです。
物事を自分中心に考える
人間誰でも子供の頃は、自分を中心に世界を理解します。
成長とともに客観的な視点が身につくと、他人を思いやることができるようになるのですが、精神的に幼いままだと物事を自分中心に考えることしかできません。
難しい言葉を使いたがる皮肉屋ですが、他人を思いやれない精神的未熟さが透けて見える言動をとるため、幼稚な印象を周囲に与えることは少なくないでしょう。
余計な一言が多い
皮肉屋は自己中心的な視点で物事を見ているため、状況把握が苦手です。
そのため、TPOを無視した余計な一言がどうしても多くなります。
周囲があえて口にしていないことを、自分だけが気づいていると錯覚し、いちいち口にしては周りの気遣いを台無しにしてしまうことも珍しくありません。
人を不快な気持ちにさせるスペシャリストといっても過言ではないでしょう。
頭の回転が早い
頭の回転が早いのも皮肉屋の特徴です。
それだけに鋭い指摘をすることもありますが、自己中心的で感情的な性格が災いし、せっかくの能力も他人を傷つけたり、場の空気を悪くしたりする方向に働いてしまいます。
頭の良さは道徳的正しさを伴って初めて人に貢献できるものです。
良心の欠けた賢さは悪知恵として他人を陥れることもあり、良好な人間関係を築くことは難しくなります。
皮肉屋の厄介な心理
他人につい皮肉を言ってしまう人にはどのような心理傾向があるのでしょうか。
ここでは、皮肉屋の心理について見ていきましょう。
ネガティブ思考
皮肉屋にはネガティブ思考の人が多いです。
前向きな人を見れば能天気と冷笑し、他人の成功は一時的なものと見下すなど、何事も否定から入り、それが賢い人間のあり方だと信じています。
他人を否定したくなるのは単なるやっかみに過ぎないのですが、そうした指摘も否定して認めようとしないため、いつまでも誤りに気付くことがありません。
承認欲求が強い
皮肉屋はネガティブ思考であるがゆえに、劣等感が強く、ありのままの自分を認めることができません。
自分の存在価値を見出せない人は、他人からの賞賛を求めます。
皮肉屋は承認欲求が強く、他人が自分よりも賞賛されているのを見るとプライドが傷つき、一言嫌味を言わずにはいられなくなってしまいます。
ネガティブ発言を繰り出すことで周囲から認められることはないので、ますます皮肉を言って承認欲求を満たそうとするでしょう。
嫉妬深い
他人の成功を素直に喜べない皮肉屋には嫉妬深い人が多いです。
彼らは常に自分を世界の中心に置いていますから、赤の他人の成功を見ても、なぜ自分ではなくあの人なのか、と自分と関連付けて嫉妬します。
自分を中心に広がる世界で、赤の他人に成功がもたらされることは理不尽であり、不公平なのです。
そのため、彼らは目に映るポジティブな出来事すべてに嫉妬し、他人が喜んでいる姿を見ると、皮肉を言わずにはいられません。
皮肉屋の上手な対処法
周りに不快感を与える皮肉な人とはどのように付き合っていくのがいいのでしょうか。
ここからは、皮肉屋の上手な対処法を紹介します。
相手にしない
皮肉屋にとって皮肉は自己顕示欲を満たすための手段です。
他人が反応すれば、皮肉がどんどんエスカレートしていくので、相手にしないようにしましょう。
人に構ってほしい皮肉屋は、相手を怒らせてでも気を引こうとします。
自分の一言によって他人に怒られても、彼らの頭の中では「相手が怒るのは自分の鋭い指摘が当たったからだ」と勝手に解釈して悦に入るだけなので、相手にするだけ損です。
皮肉屋の発言は気にせずノーリアクションで流しましょう。
適当に相槌を打って聞き流す
面と向かって皮肉を言ってこられると完全無視は難しいので、そういう場合は適当に相槌を打って聞き流すと良いでしょう。
皮肉に対して「そうかもしれませんね」と同意したり、「以後気をつけます」と謙虚に受け止めたりすると皮肉屋を喜ばせてしまい、今後もマウント取りのターゲットにされやすくなります。
周囲からも皮肉屋と同類と見なされる可能性があるため、極力避けた方が賢明です。
困ったように笑いながら「あ~そうですか~…」と適当に流せば、手応えのなさに皮肉屋もガッカリするでしょうし、周囲も皮肉屋に困らされていることに気づいてくれるでしょう。
指摘する
あまりにひどい内容の皮肉を言うようなら、指摘することも必要です。
彼らの言動をたしなめたいなら、他人の皮肉に対して「あなたの誤解だと思います」「そういう人じゃないですよ」とやんわり否定しましょう。
皮肉屋は自分の指摘は鋭いと思っていますし、賢く理性的に見られたいとも思っています。
決して自分が悪者になる展開は望んでいませんから、皮肉な口ぶりをトーンダウンさせることができるはずです。
しかし、自分への皮肉に対して直接指摘するのはNGです。
相手の怒りを買って、さらにひどい皮肉を言われる可能性があります。
皮肉屋が職場の同僚や学校の友達であれば、上司や先生、先輩に相談してみるのもいいかもしれません。
立場が上の人からの指摘であれば、皮肉屋も耳を貸さざるを得ないでしょう。
アドバイスだと思って聞く
中には毒舌ながら的を射た皮肉を言う人もいないわけではありません。
そんなときはいちいち逆らわず、アドバイスだと思って聞くようにしましょう。
「良薬口に苦し忠言耳に逆らう」といいますよね。
言われたくないことをズバッと言われるとカッとなってしまうものですが、もしわずかでも「確かにそうだ」と思える部分があるのなら、怒りの感情をグッと堪えて、おとなしく耳を傾けましょう。
皮肉屋に見えても、口が悪いだけで本当に賢い人もいます。
賢い相手であれば素直に聞く姿を見て、強い言葉を使う必要がないことに気づくでしょう。
そうなれば次からは普通にアドバイスしてくれるようになるかもしれません。
皮肉屋キャラは嫌われる可能性大!おすすめの改善方法
もしあなた自身が皮肉屋なら、改めた方が賢明です。
皮肉屋キャラは嫌われる可能性大です。
最後に皮肉屋キャラから抜け出せる、おすすめの改善方法を紹介します。
ポジティブ思考を身につける
前述したように皮肉屋はネガティブ思考な傾向があるため、ポジティブ思考を身につけるのがおすすめです。
ポジティブになれる方法をいくつかピックアップしてみました。
できることからはじめてくださいね。
【ポジティブ思考を身につける方法】
- 何事もネガティブな面とポジティブな面をセットで見る習慣をつける
- 「できない」と思ったら「できる」方法を考える
- 前向きな人と一緒に行動する
- ちょっと頑張ればできることに挑戦し、成功体験を積み重ねる
- 自分にできると思うことを紙に書き出し「できる自分」をイメージする
- 健康的な生活を送り、朝日を浴びて幸せホルモン「セロトニン」の分泌を促す
少し考えてから発言することを心がける
何でも思いついたことはすぐに言いたいのが皮肉屋です。
余計な一言を言ってしまいがちなので、少し考えてから発言することを心がけましょう。
いったん頭の中で「これを言われたら相手はどう思うか」をシミュレーションすれば、余計な一言をカットできるはずです。
他人からは「皮肉屋」と言われるものの、全く自覚のない人は一度、非公開のブログやLINEに思ったことをそのまま書き連ね、自分の言葉を「見える化」してみましょう。
可視化すれば、思った以上に強い言葉を使っていることに気づくはずです。
言葉を発するときは、必ず話し手と聞き手がいます。
聞き手の気持ちを想像しながら発言する習慣がつけば、皮肉な表現は自然と減っていくでしょう。
怒りの感情をうまくコントロールする
皮肉屋は他人と比べることで嫉妬し、怒りの感情を抱えやすいところがあります。
そのため、嫌味を口にしがちな人は、怒りの感情をうまくコントロールすることが大切です。
最近では「アンガーマネジメント」という言葉をよく見聞きするようになりました。
これは、怒りの感情とうまく付き合う方法のことです。
アンガーマネジメントの実践方法はいたってシンプル。
怒りの感情が湧いてきたら、数字を6までゆっくりと数えましょう。
人の怒りのピークは最長6秒といわれています。
興奮状態MAXのときにわざわざ自分の怒りと向き合う必要はありません。
6秒過ぎれば落ち着くのですから、考えるフリをしたり「ちょっとトイレ」と言って席を外したりして、感情の嵐が過ぎ去るのを待ちましょう。
また、腹式呼吸にはリラックス効果があるので、カウントしながら深呼吸してみるのがおすすめですよ。
皮肉屋とは距離を置くのが吉!
会社や友達関係に嫌味を言ってくる皮肉屋がいれば、ストレスが溜まってしまいます。
接するたびに嫌な気持ちになるなら、皮肉屋とは距離を置くのが吉です。
皮肉屋が他人につらく当たるのは本人の問題であることが多いだけに、他人ができることは限られています。
仕事関係や友達関係の人と距離を置くと、仲間外れにしているようで気が引けるかもしれませんが、皮肉屋が相手にされなくなることで、自分の内面と向き合えるようになることだってあります。
軽く指摘しても直らないようなら、相手にする必要はないでしょう。
- 皮肉屋とは、遠回しに嫌味を言う人のことで、ポジティブな意味で使われることはない
- 皮肉屋の特徴には、すぐ感情的になる・自己中心的・他人と比較する癖がある・頭の回転が早い・余計な一言が多いといった点がある
- 皮肉屋は、ネガティブ思考で承認欲求が強く、嫉妬深い傾向がある
- 皮肉屋の対処方法としては、相手にせず、適当に相槌を打って聞き流すのがおすすめ
- 皮肉屋キャラの人は、ポジティブ思考を身につけ、少し考えてから発言することが大切