人脈とは|人脈の意味と必要とされる理由・人脈を広げる方法を解説!
社会人になったらキャリアを築く上で人脈づくりが大事とよくいわれます。
今回の記事では、人脈の意味と必要とされる理由、あわせて人脈を広げる方法を解説します。
人脈づくりは自分自身を知ることから始まりますので、その本質を理解して、効率よく人脈を広げていきましょう。
人脈の意味
そもそも人脈とはどのような意味があるのでしょうか。
まずは基本となる人脈の意味について見てみましょう。
人脈の意味は「人と人のつながり」のこと
人脈は人の脈と書きます。
脈とは、一続きになっているものを表し、同時に血管という意味もあります。
生命を維持するために不可欠な血の流れを表す際にも、脈という言葉が使われているわけです。
見込みや望みがある時に、脈があるともいいますよね。
人の脈とは、人がひと続きになっている様を表すので、人脈の意味は「人と人のつながり」のことを指します。
人とのつながりにも大切なものが流れており、だからこそ希望や可能性も宿るのかもしれませんね。
人脈の類語
人脈の類語には、組織網・情報網・ツテ・地縁血縁などがあります。
人脈を英語でいうと
人脈を英語でいうとconnectionです。
日本語でもコネクションや省略形のコネはよく使われますね。
networkともいい、こちらもカタカナのネットワークでお馴染みです。
人脈が必要とされる理由
人との繋がりである人脈が大事といわれるのにはさまざまな理由があります。
ここでは人脈が必要とされる理由について見ていきます。
自分ひとりでは得られない情報にふれることができる
世界にはさまざまな情報が溢れていますが、あらゆる情報を掌握するのは至難の業です。
しかし人脈を介することで、自分ひとりでは得られない情報にふれることができるようになります。
我が身はひとつしかないので、日本にいればリアルタイムに手に入るのは日本の情報だけです。しかし、もしもアメリカ在住の相手と繋がっていれば、日本にいながらにしてアメリカの情報を手に入れることもできます。
単に距離的な問題だけでなく、日本人だからわかること、アメリカ人だからわかることもあります。
世代の違いも同様で、20代と60代とでは見るものや考えることは違ってくるでしょう。
幅広い人脈があればこそ、自分とは異なる視点からの発想を得ることができるのです。
意見やアドバイスをもらうことができる
『宮本武蔵』『三国志』の作者として知られる著名な作家、吉川英治の言葉に「我以外皆師なり」という言葉があります。
自分以外の全ての人から教わることがあるという意味です。
子供からでも学べることもあるわけで、人脈が広ければ広いほど、多くの人からさまざまな意見やアドバイスをもらうことができるでしょう。
大人になると、耳が痛い忠告や遠慮のない意見を言ってくれる人はなかなかいないものです。
自分ひとりでは気づけないことに気づかせてくれる第三者の意見は、厳しい局面を打開する際の重要な道しるべとなるでしょう。
困ったときに助けてもらえる
公私を問わず、不測の事態に見舞われる可能性は誰にでもありますが、困ったときに助けてもらえるツテがあるのは心強いものです。
ひとりで解決できないことも解決に導けるスキルを持っている人と繋がっていれば、どんな局面も切り抜けられます。
助けてもらったら、今度は相手が困っている時に力になってあげましょう。
人脈づくりをするうえで気を付けたいこと
人との繋がりは、ただやみくもに顔見知りになるだけではうまくいかないこともあります。
人脈づくりをするうえで気を付けたいことについて説明します。
相手に喜んでもらえることを意識する
地縁血縁の人間関係とは異なり、お互いプラスの関係にあるのが人脈です。
自分が得することばかり考えていては、人脈づくりはうまくいきません。
自分も相手に喜んでもらえることを意識して行動するようにしましょう。
対等であってこそお互いを尊重し合い、信頼関係を築いていけます。
自分自身のスキルを磨き、誰かのサポーターになれる人間であり続けることを目指しましょう。
信頼関係を急いでつくろうとしない
人脈とは時間をかけて築いていくものです。
信頼関係を急いでつくろうとしないようにしましょう。
そもそも早く信頼関係を築きたいという欲求自体が、自分の都合でしかありません。
お互いの利害が一致すれば問題はありませんが、相手のペースを無視して手っ取り早く関係を結ぼうとすれば、自己中心的と思われ、かえって信頼を損なう結果となってしまいます。
大事なのは相手がどう感じているかを常に意識し、無理のないペースで距離を縮めていくことです。
時に直近の問題解決に間に合わないこともありますが、焦れば元の木阿弥です。
間に合わないのは早く行動しなかった自分が悪いのですから、己の利益のために相手を急かすことは絶対にしないようにしましょう。
よくあることわざでも「急いては事を仕損じる」といいますよね。
例え今、損をしても、相手を尊重する余裕を持てるか否かが人脈づくりでは問われます。
一緒にいて心地よいから信頼できるし、良い関係が長く続くのです。
選択権は自分ではなく相手にあることを忘れないようにしましょう。
上辺だけの付き合いをしない
人脈は数を競うものではありません。
信頼あってこそ繋がるのですから、上辺だけの付き合いをしないようにしましょう。
大事なのは量より質です。
顔の利くひとりと親密な関係を築いていれば、その人を通して数は十分にカバーできるので、大勢と繋がらなければと考える必要はないのです。
広い人脈は結果であって、目標ではないことを理解しておきましょう。
上辺だけの関係をどれだけ重ねても、関係が薄い相手がいざという時にひと肌脱いでくれるわけがありません。
細くても長く付き合える関係になる
人脈は打算だけで成り立つものではありません。
役に立たないからといって連絡もせず、おざなりにしているようでは人脈を広げることはできないでしょう。
目先の利益に囚われず、細くても長く付き合える関係になることが大切です。
複数の人と交流すれば自然と視野は広くなります。
その時点で十分に得るものがあると気づけば、例え目の前の利益に繋がらなくても、相手を尊重することはできるはずです。
長期的なスパンで物事を捉えることができるようになれば、それだけ情勢も見えてきます。
人脈とは自分自身の見る目を鍛えてくれるものでもあるのです。
人との繋がりによって何を得ているかに気づける人間になりましょう。
見返りを求めない
人脈は確かに利益を得るために作るものです。
しかしさまざまな人といろいろな視点で話ができている時点で、既に十分に得るものはあるはずですから、それ以上の見返りを求めないようにしましょう。
みんながあなたの力になってくれるのは、あなたとの信頼関係から得るものがあるからです。
つまり、お互いが繋がることへのお返しとして助けてくれるわけで、ギブアンドテイクだからこそ人脈は途切れることなく続いているのです。
普段の交流から得るものの大きさを常に意識しましょう。
そうすればきっと改めて見返りを求めようとは思わなくなるはずです。
同じ考えを持った相手を選ぶ
考え方が違う相手との交流はとても刺激的ですが、ビジネスなどで具体的な目標がある場合、同じ考えを持った相手を選ぶ必要があります。
例えば画期的な商品を販売して経済的な成功を目指すなら、最小限の物しか持たないミニマリストとばかり繋がっていては、その人脈が仕事に何らかの利益をもたらすことはないはずです。
ビジネスとプライベートで異なる人脈があるように、自分が成長したいジャンルでの人脈づくりを意識することが大切です。
人脈を広げる6ステップ
人脈を広げようと思っても、どこから手を付ければいいかわからない人も多いのではないでしょうか。
ここでは人脈を広げる6ステップを紹介します。
①自分が何者なのかを明確にする
人脈は目的に応じて作る必要があります。
しかし、そのためには自分が何者なのかを明確にすることが大切です。
自分の強みやスキルを見極めて、自分に何ができるかをきちんと把握しましょう。
人脈とはギブアンドテイクです。
自分自身が相手の役に立つ何者かでなければ、人脈づくりはうまくいくわけがありません。
一流と繋がりたいなら、自分も一流を目指す意識は常に必要です。
注意すべきは自己肯定感の低さです。
「自分なんてまだまだ非力」と考えるのは謙虚ではありますが、実力以上の卑下は自分の能力を発揮する際の障害となります。
何かをすべき場面で「私にはできません」と固辞して何もしない選択をすれば、誰も信頼してはくれないでしょう。
「非力ながら精一杯努めます」と引き受けて、結果を出してこそ信頼を勝ち取れるのです。
自己肯定感を高めるためには、自分ができることを書き出してみるのがおすすめです。
上司や同僚から誉められたことがあれば、それは客観的な事実として自分自身ができることです。
若い人の場合、胸を張って「できる」と言えるほどのスキルはまだないかもしれませんが、それでも第三者から認められたことであれば、「できない」と卑下せず更に磨いていけばいいのです。
例えそれが過大評価だったとしても、スキルアップして追いつけば正当な評価になりますよね。
自己評価に下方修正は必要ありません。
努力によって常に上方修正していきましょう。
②名刺作成
自分が何者かがわかったら、自分というブランドを明確に形にしていきましょう。
そのためには名刺作成もひとつの手です。
会社の名刺は持っているかもしれませんが、それはあくまで社員としての自分を表すもの。
勿論、会社関係だからこそ広がる人脈もありますが、公私を問わず人脈を築きたいのなら、会社の肩書が載った名刺とは別に、プライベートでも使用できる自分だけの名刺を作っておきましょう。
オーダーメイドで注文してもさほど高額にはなりませんし、経費を押さえたいなら画像編集ソフトを使って自分で作ることもできます。
③理想の人脈像を明確にする
名刺を作ったからといって手当たり次第に渡すのでは、あまりに効率が悪すぎます。
また、いつも足を引っ張るような相手と繋がってしまっては元も子もありません。
行動を起こす前に理想の人脈像を明確にしておきましょう。
ビジネスでの成功をおさめるための人脈であれば、その道のプロと繋がらなければ意味がありません。
その業種の専門知識を持った人に絞り込んで知己を得る必要があり、バランスも必要です。
何事かをなすにはコンサルタントも必要ですし、情報通も必要です。
営業面に詳しい人材もいれば、広告や販促の知識も必要になってくるでしょう。
コンサルタントばかりでも、営業マンばかりでも成功するのは難しいです。
最初から戦略的に自分に必要な人材を獲得していくことが理想の人脈づくりには必要なのです。
④交流会・勉強会への参加
自分の得意ジャンルなら知り合いは大勢いるでしょうが、その場合大抵は自分も同じ知識を持っているものです。
大事なのは、自分とは異なる専門知識を持つ人と繋がること。
そのためには交流会・勉強会への参加がおすすめです。
異業種交流会には向上心があり、広い視野を持つ人たちが集まりやすいので、こまめに顔を出すとよいでしょう。
他の参加者も人脈づくりを狙っているはずですから、積極的に話しかけて名刺交換しましょう。
オンライン上で専門家によるセミナーが開催されていることもあります。
企業の公式ホームページだけでなく、著名な経営者が個人で主催している場合もあるので、こまめにチェックしてみましょう。
ひとつ情報が見つかればタグ付けから他のイベント情報につながる場合もあります。
小規模セミナーの場合は定員数が少ないこともあるので、早めの応募が必要です。
何事も拙速を旨として行動しましょう。
⑤相手のコミュニティに飛び込む
交流会などのイベントで顔見知りになれたら、相手のコミュニティに飛び込んでみましょう。
専門知識が全くなくても、興味を持って話に耳を傾ける者を邪険にする人はいないはずです。むしろ専門家だからこそ自分の持てる知識を話したいと思っている人は少なくありません。
まずは相手の話を引き出せるよう聞き上手になりましょう。しっかりと傾聴して礼儀を持って接することが大切です。
あなたの誠意が伝われば、きっと良い関係性を築いていくことができるでしょう。
よく聞く話ですが、喫煙者は秘書でもないのに会社の内情に異常に詳しいことがあります。
それは喫煙室で社長や役員などと顔を合わせる機会が多く、雑談に加わることができるからで、そのため喫煙しないのにわざわざ電子タバコを買って喫煙室に通う新人社員もいるほどです。
喫煙所から広がる人脈も実際にあるのですから、犬も歩けば棒に当たるの精神で、あらゆるコミュニティに飛び込んでいく行動力を持ちましょう。
⑥記憶に残る印象を残す
優秀な人材は当然のことながら、引く手あまたです。
いろいろな人に注目されていますから、より親密な関係を築いていこうと思ったら、あなた自身が特別な存在になる必要があります。
交流していくなかで、自分の印象を記憶に残してもらえるよう心がけましょう。
異業種の相手であれば、自分の専門分野は相手にとってはあまり馴染みのないものです。
なので文字通り異業種交流して、相手の知らない話をするとよいでしょう。
一番いいのはお互いの業種をクロスオーバーさせて話すことです。
相手の得意分野から自分の分野へと話を広げていけば興味を引きやすいので、もっと話を聞きたいと思ってもらえるよう誘導しましょう。
逆に同業種の相手だと違った切り口が必要になってきます。
同業種間で周知の話をしても、相手の記憶には全く残らないからです。
その場合は雑談で興味を引くとよいでしょう。
ちょっとした小話や小ネタを用意しておいて、相手を楽しませることができれば、次に繋げることができるはずです。
また何度も顔を合わせるのもひとつの方法。
人間は繰り返し接する対象に対して好意的な感情を抱きやすいといわれており、これを単純接触効果といいます。
地道な努力で得られるものもあるので、何事も諦めないことが大切です。
自分の利益だけではなく人との繋がりを大切にしよう!
人脈づくりというと自分の利益のためと考えがちですが、あまりに利益重視の姿勢では愛想をつかされることだってあります。
人と繋がること自体を楽しみ、その結果として得をすることもあるのだという認識を持った方が、結果として良好な関係を作りやすいです。
人と繋がっただけでも十分に意義があるのですから、自分の利益だけではなく人との繋がりを大切にしましょう。
良い人間関係を築こうと思ったら己を知り、人の役に立つ人間になる必要があります。
お互いさまの精神で支え合い、時間をかけて信頼関係を築いていきましょう。