コンセプトの意味とは?言い換え表現や具体的な事例をわかりやすく解説
ビジネスシーンでよく耳にする言葉「コンセプト」。
何気なく使っているけど、正確な意味はわからない人もいるのではないでしょうか。
この記事では、コンセプトの意味や具体的な事例をわかりやすく解説します。
コンセプトと混同しがちなテーマや目的との違いも紹介しているので、参考にしてくださいね。
Contents
コンセプトの意味とは?わかりやすく解説
コンセプトという言葉はビジネスシーンだけでなくプライベートでも使う場面の多い言葉です。
色々なシーンで使う言葉だからこそ、正しい意味や使い方をマスターしておきましょう。
まずは、コンセプトの意味についてわかりやすく解説します。
コンセプトの意味
コンセプトとは英語の「concept」をカタカナ読みした言葉で、概念・思想・発想という意味です。
音楽や絵画などの作品に込められた想いや意図、目的を普遍的・抽象的にしたものを指します。
もともとコンセプトとは哲学用語の1つで、芸術や芸能などの作品で表現したい想いや意図を表す言葉です。
物事の本質となる構想や概念を指すという点は、本来の哲学用語としての使い方も現代の使い方も共通しています。
ビジネスにおけるコンセプト
コンセプトという言葉はブランディングやデザイン、サービスなど、日本ではビジネスで使われることが多いです。
ビジネスにおけるコンセプトは、ターゲットに対してどのような価値を提供するのか、どういうメリットがあるのかなど企画の構想や骨組みのことです。
コンセプトは、サービスや商品の方向性を決めるうえに欠かせないものなので、あらゆるジャンルの企業がコンセプトを決めています。
また、コンセプトを言語化することで周りと目的の共有ができ、方向性がブレずらいというメリットもあります。
英語「concept」の意味
コンセプトは、もともと英語の「concept」をカタカナ読みにしていますが、英語圏では概念や思想、発想など本来の意味で使われます。
ビジネスシーンで使うことの多い日本に対し、英語では物事の思想や考え方などを指す場合にも用いられるので注意しましょう。
コンセプトの類義語・言い換え表現とは
コンセプトはビジネスシーンで多用される言葉で、非常に使い勝手が良い言い回しでもあります。
さらに、コンセプトに似た言い換え表現や類義語を活用することで、コミュニケーションがとりやすくなりますよ。
こちらでは、プライベートはもちろん、ビジネスシーンでも使えるコンセプトの類義語や言い換え表現を紹介します。
概念
コンセプトの言い換え表現として使いやすいのが「概念」。
conceptの和訳でもあるため、言葉のニュアンスもコンセプトと同じです。
コンセプトと比べるとかなり堅苦しい印象があるので、フォーマルなシーンに相応しい言い換え表現といえるでしょう。
理念
「理念」とは、事業や計画の大本にある考え方のことを指す言葉。
物事の骨組みとなるコンセプトも、企画の根本となる指標であるため、ニュアンスはほとんど同じです。
ただし、理念とは物事の根本的な指標となるため不変なのに対し、コンセプトは方向性やブラッシュアップしていくうちに変化していく場合も。
コンセプトよりも確固たる土台となる部分である場合に、理念と言い表します。
理想
「理想」とは、実現したい最善の目標や、こうなりたいという最高の状態を意味する言葉です。
意味合いは少し異なりますが、実現のために企画を提案したり、方向性を練たりする点ではコンセプトと同じ。
コンセプトより抽象的な意味合いが強いので、カジュアルな印象を与えます。
考え方
考える方法や方向、思考の傾向を表す「考え方」。
コンセプトが物事の意図や目標を意味するのに対して、考え方は意図や目標だけでなくアイディアや設計・開発、最終目的、などあらゆるフェーズで使える汎用性の高い言葉です。
目的
「目的」とは、物事に対しての狙いや目当てを意味する言葉です。
行動を起こす動機となるような事柄を指す意味合いがあり、類義語であるコンセプトや目標と比べるとやや抽象的。
結果的にどうなりたいのか、物事の「最終点」を表す際に使います。
構想
「構想」は、新しく立案した物事について内容や規模、戦略など基盤となる事柄をまとめたものを指します。
物事の骨組みという点ではコンセプトと同じですが、意図や目的など大本の土台を表すコンセプトに対して、構想はコンセプトを元により具体的な道筋をまとめたものです。
コンセプトと「テーマ」「目的」の違いとは
コンセプトと同じように使われる用語はたくさんありますが、その中でも混同しがちなのが「テーマ」と「目的」という言葉。
いずれもビジネスでは良く使うので、それぞれ正しい意味や使い方をしっかりとマスターしておきましょう。
コンセプトとテーマの違い
「テーマ」とは、物事の主題となる部分のことで、伝えたい想いや目的などを表す言葉です。
コンセプトとテーマの意味はよく似ていますが、テーマは企画の土台部分、コンセプトは土台となるテーマの上にある軸部分となります。
そのため、テーマを先に決めてからコンセプト案をいくつか提案していくのが基本的な流れです。
土台は全体を支える根幹となるため1つしかないのに対して、コンセプトは状況に応じて好きなだけ提案できます。
土台となるテーマをもとに、コンセプトでより具体的に肉付けしていくイメージが分かりやすいのではないでしょうか。
コンセプトと目的の違い
コンセプトが物事の考え方や想いを表す言葉に対して、目的は最終的なゴールを表す言葉です。
同じ内容であっても、ニュアンスが少し変わってきます。
たとえば「ヘルシー志向のカフェ」の場合、コンセプトはヘルシーをキーワードに、サービス内容や店内の雰囲気など企画の骨組みを組んでいくことです。
一方、目的の場合「顧客にヘルシーメニューを楽しんでもらう」ことが最終的なゴールであることを表します。
非常に似ていますが視点は異なるため、混同しないよう注意しましょう。
コンセプトの事例一覧
これまで、コンセプトの意味や類義語や言い換え表現を紹介しましたが、具体的にコンセプトとはどういうものなのかピンとこない人もいるでしょう。
そこでこちらでは、有名企業やブランドのコンセプト実例を集めました。
いずれもしっかりとしたコンセプトのもと、制作された成功事業ばかりなので、プレゼン資料や企画制作やコンセプト設定する際の参考にしてくださいね。
スターバックス
世界的に有名なコーヒーショップであるスターバックスのコンセプトは「サードプレイス」。
自宅でも職場でもない3番目の場所にしたい想いのもと、内装や外観、ディスプレイの至る部分まで細かくデザインされています。
洗練されたおしゃれな空間でありながら、スタバの店員さんは気さくに話しかけてくれるなど、アットホームな雰囲気がありますよね。
自宅のような居心地の良さと、優雅な時間を提供してくれる店内は、まさにサードプレイスといえるでしょう。
ライザップ
さまざまな芸能人の、体型変化を映像化したCMが大きな話題を生んだ「ライザップ」。
そんなライザップのコンセプトは「結果にコミットする」です。
お客様が必ず手に入れたい身体を叶えるべく、向き合い続けるという確固たる意志を感じさせます。
一人ひとりの理想・現状の体型・体質に合わせたオーダーメイドのプランや、目標を設定するマンツーマントレーニングは大きな注目を集めました。
「結果にコミットする」と大々的に広告を打ったこともあり「これなら自分も痩せられるかも…」と勇気を与えてもらった人も多いでしょう。
ダイソン掃除機
ダイソン掃除機のコンセプトは「吸引力の変わらないただ一つの掃除機」です。
創業者ジェームズダイソンが、掃除機の機能低下に不満を抱いたことがきっかけに生まれたコンセプトで、そこから世界初のサイクロン式掃除機を誕生させました。
実際に、吸引力の高い掃除機といえば、ダイソンを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
時代と共にどんどん便利に進化し続けているダイソンは、今もなお掃除機メーカーの中でも高い人気を誇るブランドです。
東京ディズニーリゾート
東京ディズニーリゾートは、ディズニーの生みの親ウォルト・ディズニーの思いが、コンセプトの基盤となっています。
日本のディズニーランドを運営する株式会社オリエンタルランドは「あらゆる世代の人々が一緒になって楽しめるファミリー・エンターテイメント」がコンセプトであると説明。
異なる雰囲気のディズニーランドとディズニーシーが楽しめるだけでなく、エリアごとに特色の違うテーマをデザインすることで1人やカップル、ファミリーでも楽しめる大型エンターテイメント施設となっています。
ウイダーinゼリー
ウイダーinゼリーのコンセプトは「簡単に栄養を摂取する」。
アルミパウチ容器でゼリーを飲むスタイルは、発売当初にはない画期的だということで大きな話題を集めました。
さらに、ウイダーinゼリーは時代に合わせたニーズの変化にも敏感に対応し、発売から20周年を迎えたタイミングでコンセプトとデザインを一新しています。
健康意識が高まる現代に寄り添うようコンセプトを「自分自身でコンディショニングできる」に変更し、ユーザーが手に取りやすいようラインナップやパッケージも変えています。
コンセプトの意味をしっかりと理解して状況に応じて言い換え表現と使い分けよう
コンセプトとは、物事の骨組みとなる思想や考え方を具現化したもので、ビジネスには欠かせないものです。
テーマや目的など類似している言葉も多いですが、ニュアンスや意味合いが微妙に違うので正しい意味をしっかりと理解しておきましょう。
何もない状態からコンセプトを考えるのは中々大変です。
迷った際は、この記事で紹介した事例や競合のコンセプトを参考にし、自社らしいコンセプト案を作成しましょう。
- コンセプトとは、物事の思想や概念を言語がした骨組みとなるもののこと
- ニュアンスが異なる言い換え表現や類義語を状況に合わせて使い分けよう
- テーマと目的はコンセプトと混同しがちなので、それぞれの意味を正しく理解しよう
- コンセプト作成に迷ったときは、実際のコンセプト事例を参考にしよう