共依存とは?共依存になりやすい人の特徴と克服方法を紹介
共依存とは、頼りにされることに依存してしまい、お互いに依存し合っている関係のことです。
共依存に陥ってしまうと、自分自身のことを見失ってしまう恐れがあります。
この記事では、共依存になりやすい人の特徴と克服方法を紹介します。
共依存の意味や具体例についても解説するので、共依存について悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
共依存とは
「共依存」とは、相手に必要とされることが自分の存在価値と思い込み、お互いに依存してしまう状態のことです。
相手との関係性に自分の価値を見出してしまうことで、過度な自己犠牲やさらなる依存を引き起こすことがあります。
もともとはアルコール依存症の夫と世話を焼き続ける妻の夫婦関係から生まれた言葉ですが、現在ではお互いに依存し合う関係に対して広く使われる言葉になっています。
共依存の例
共依存は、さまざまな関係において発生する可能性があります。
ここでは、共依存の具体的な例について紹介するので、自分や周りに共依存の人がいないか確認してみてください。
親子間での共依存
親子間の共依存の具体例は、「引きこもりの子供を甘やかし続ける親」や「子供が自立しようとすると病気になる親」が代表的です。
過保護や過干渉な親が子供の行動を支配することで、彼らの自立を妨げてしまいます。
共依存の親は「親がいないと自分は何も決められない」「子供がいないと親が困ってしまう」と子供に思わせることで、自分の側から離れないようにするのです。
共依存の関係性にある子供は、親に喜んでもらうことに自分の価値を見出してしまうため、アイデンティティの形成が阻害されてしまいます。
カップルの共依存
カップルの共依存の具体例は、「自立をしていない彼女を甘やかし続ける彼氏」や「ギャンブルに依存している彼氏の借金を肩代わりする彼女」などがあります。
カップルの共依存では、自立できずに相手に甘える依存者側と甘えてくる相手を支え続ける援助者側に分かれます。
相手の世話を焼くことはいいことのように思えますが、過度に甘やかすことで相手の自立を妨げることにもつながります。
尽くす側も、相手を支えることに自分の価値を見出してしまうため、お互いにますます依存し合ってしまうのです。
共依存になりやすい人の特徴
共依存になりやすい人には、パーソナリティや家庭環境などに特徴があります。
ここでは、共依存になりやすい人の特徴について紹介するので、当てはまるものがないかチェックしてみてください。
異様に世話焼き
共依存になりやすい人の特徴として、異様に世話好きなことが挙げられます。
他人の世話を焼くことは悪いことではありませんが、共依存になりやすい人は困ってない人の世話まで焼こうとします。
自分を犠牲にしてまで他人に奉仕する人は、共依存になりやすいといえます。
自己肯定感が低い
自己肯定感が低いことも、共依存になりやすい人の特徴です。
自己肯定感が低い人は自分の中に価値を見出すことができないため、他人から感謝されたり頼られたりすることに、自分の存在価値を見出しています。
男性や女性に関わらず、恋愛関係にある相手からのDVに存在価値を見出してしまうこともあるでしょう。
自尊心の低さが原因で、相手から見捨てられることに対して強い不安を感じているのです。
他人をコントロールしたがる
共依存になりやすい人は、他人をコントロールしたがる傾向があります。
自分の都合のいいように他人を変化させようとするのです。
このパターンはとくに親子関係の共依存に多く見られます。
親の思い通りにすることが、まるで子供にとっていいことであるかのように思わせるのです。
コミュニケーションが不得意
コミュニケーションが不得意なことも、共依存になりやすい人の特徴の一つです。
自分の気持ちや要求をうまく伝えることができないため、相手に言いくるめられて支配されてしまいます。
いつの間にか相手のペースになってしまうことが多い人は、共依存に陥る可能性が高く注意が必要です。
家庭環境に問題があった
共依存になりやすい人は、家庭環境に問題があることが多いです。
子供にとって、家庭は安心できる場所でなくてはいけません。
衣食住や医療など、子供に与えられるべきものが与えられない家庭で育つことで、大きな不安を感じ、共依存に繋がってしまうのです。
家庭の中で意見を言う自由がなかった
共依存になりやすい人の特徴として、家庭内で意見を言う自由がなかったことも挙げられます。
家庭内に強い権力を持った人が存在していた場合、家族関係が平等ではなく、一人ひとりの意見が尊重されなくなってしまいます。
家庭で自分の意見が言えずに生活することで、自己肯定感や自己効力感が育ちにくくなってしまうのです。
相談相手がいない
共依存になりやすい人は、周りに相談相手がいないことが多いです。
自分一人で全ての問題を解決しようとするため、共依存に陥りやすくなってしまいます。
また、二人の依存関係の異常さを指摘してくれる人もいないため、共依存である事実に気づきにくくなってしまいます。
共依存の克服方法
共依存を克服するためには、自分の正直な気持ちと向き合うことが大切です。
ここでは共依存の克服方法について紹介するので、共依存に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
子供の頃を振り返ってみる
共依存を克服するために、自分の子供時代を振り返ってみることをおすすめします。
自分の子供時代に感じていたことやどんな家庭環境だったかなど、ノートに書き出してみましょう。
子供が健全に育つためには、衣食住や医療、家庭での安心感などさまざまなものが必要です。
自分の子供時代にあったものと無かったものを客観的に把握することで、自分自身の喪失感と向き合うことができます。
共依存に陥ってしまった原因を知ることができるでしょう。
共依存の問題を明確にする
共依存を克服するためには、共依存の問題を明確にしましょう。
自分と誰かが共依存の関係にあることに気づけたなら、二人の関係において何が問題なのかを把握する必要があります。
「二人の間に共依存の関係がいつ表れるのか」「共依存の関係を自分がどう感じるのか」といった質問を自分に問いかけてみましょう。
自分が心地よいと感じることをする
自分が心地よいと感じることをするのも、共依存を克服するために大切です。
共依存の原因の一つとして、お互いの自尊心の低さが考えられます。
二人の関係以外の自分が心地よいと思えることを最優先にすることで、自尊心を育み共依存を克服するきっかけになるでしょう。
専門家に相談する
共依存の悩みを一人で抱えこまずに、カウンセラーなどの専門家に相談することも視野に入れましょう。
共依存が起きる原因は、子供時代の家庭環境やパーソナリティなどが複雑に関わっています。
根本的な原因と向き合わなければならない場合もあるため、専門の医療機関やカウンセリングを受診するのが最も効果的です。
自分を大切にして、共依存を克服しよう
共依存に陥ってしまって、悩んでいる人は少なくありません。
「共依存から抜け出すことができるのだろうか」と不安になることもあるでしょう。
共依存を克服するには、自分を大切にすることが必要です。
子供時代を振り返り、本当の気持ちに向き合いましょう。
自分一人で解決できないときは、周囲の人や専門家に相談することも検討してみてくださいね。
- 共依存とは「特定の相手に頼られることに依存することで、お互いに依存しすぎてしまう状態」を意味する
- 共依存の例は「親子間の共依存」「カップルの共依存」
- 共依存になりやすい人の特徴は「異様に世話焼き」「自己肯定感が低い」「家庭環境に問題があった」など
- 共依存の克服方法は「子供の頃を振り返ってみる」「共依存の問題を明確にする」「自分が心地よいを感じることをする」など