度し難いの意味とは?使い方&注意点を例文つきで紹介
「度し難い」とは、「救いようがない」「どうしようもない」という意味の言葉です。
日常的に使われることはあまりありませんが、大人なら知っておいた方がいい言葉だといえます。
この記事では、度し難いの意味や使い方、注意点について例文つきで紹介します。
記事後半では、度し難いの類義語や対義語についても徹底解説するので、度し難いという言葉について深く知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
度し難いの意味
度し難い(どしがたい)とは、「救いようがない」「どうしようもない」という意味の言葉です。
どうしようもない状況などを指す他に、救いようがない人に対しても使われることがあります。
たとえば、自分の手には負えないような厄介な人を「度し難い人だ」と形容するときにも使われます。
度し難いの語源
度し難いは、仏教用語が語源です。
元々使われていた言葉は「斎度し難い」でしたが、使われるうちに「斎」が省略されて、度し難いという言葉が広く使われるようになりました。
済度の「斎」は「すくう」、「度」は「わたす」という意味の仏教用語です。
つまり、済度は「仏が困難に苦しんでいる人を救って、悟りの境地すなわち彼岸に渡らせること」を意味します。
済度し難いは、「済度」に「することが難しい」という意味の「し難い」がついた言葉なので、「救済するのが難しい」「言い聞かせても伝わらない」を意味しているのです。
【例文つき】度し難いの使い方
度し難いという言葉は普段使われることが少ないので、具体的な使い方を知らない人も多いのではないでしょうか。
ここでは、度し難いの使い方&注意点について例文つきで紹介するので、自分で使うときの参考にしてみてください。
度し難いを使った例文
度し難いを使った例文をいくつか紹介します。
【例文】
- 「何回注意しても同じことを繰り返すなんて、彼は度し難い人だ」
- 「あれほどやめた方がいいと言ったのに、結局自分のやりたいようにしてしまったようだ。まったくあの人は度し難いにも程がある」
- 「彼は何度言っても自分の意見を変えようとしない。こんなにも度し難いわからずやに会ったのは初めてだ」
- 「このアプリはユーザーからこんなに不満が出ているのに、運営会社は一向に耳を貸そうとしない。実に度し難い経営体制だ」
度し難いは主に人に対して使われることが多いですが、最後の例文のように状況に対しても使うことができます。
度し難いを使う際の注意点
度し難いには「救いようがない」「どうしようもない」という意味があり、決してポジティブな意味では使われません。
誰かを非難したり、こき下ろしたりするときに使う言葉なので、面と向かって言うことはできるだけ避けてください。
本当にどうしようもない人を形容することが多いため、軽々しく使うべき言葉ではないことを覚えておきましょう。
度し難いの類義語
度し難いには似た意味の言葉がいくつか存在します。
ここでは、度し難いの類義語を紹介するので、言葉を言い換えたいときのために確認しておきましょう。
手に負えない
度し難いの類義語として、「手に負えない」が挙げられます。
「手に負えない」は「自分の力ではどうにもならない」「解決しようがない」という意味の日本語です。
「度し難い」に比べると非難するニュアンスが少なくなっているため、同じような人や状況に対しても使いやすいでしょう。
【例文】
- 「この生徒は一教師である自分の手に負えないほどのひどい不良だ」
- 「これほど複雑に絡まってしまった人間関係の問題は、自分の手には負えない」
どうしようもない
「どうしようもない」も度し難いの類語といえます。
「どうしようもない」の意味は「何をしても仕方がない」「解決するための方法がない」という意味の言葉です。
度し難いよりは一般的に使われることが多く、度し難いを言い換えたいときにも用いることができます。
【例文】
- 「彼はこちらの言うことに全く耳を貸そうとしないので、自分にはどうしようもない」
- 「大きな災害が起きた際には、人間の手ではどうしようもない」
たちが悪い
度し難いの類義語には、「たちが悪い」もあります。
「たちが悪い」とは「人や物事の性質が悪い」という意味の言葉です。
「たちが悪い」を漢字で書くと「質が悪い」になります。
「質」という漢字には「持って生まれた性格」「物事の性質」という意味があるため、「質が悪い」という言葉には「人としての性格が悪い」という意味が含まれます。
「たちが悪い」は「度し難い」よりもネガティブな意味合いが強い言葉で、「悪質な」というニュアンスを含んでいます。
【例文】
- 「彼は非常にたちが悪い性格なので、全員に嫌われている」
- 「わざと故障させてから修理して修理代を請求するなんて、何てたちの悪いやり口なんだろう」
度し難いの対義語
度し難いには反対の意味の言葉がいくつか存在します。
最後に、度し難いの対義語について紹介するのでぜひチェックしてみてください。
融通が利く
度し難いの対義語として、「融通が利く」が挙げられます。
「融通が利く」は「臨機応変にうまく処理することができる」という意味の言葉です。
こちらの要望に合わせて対応してくれるという意味で、度し難いの対義語にあたります。
「度し難い人」よりも「融通が利く」人の方がビジネスシーンで重宝されるのは、間違いないでしょう。
【例文】
- 「あの人は融通が効くのでいつも柔軟に対応してくれる」
- 「シフトの融通が効くバイトを探している」
素直
「素直」も度し難いの対義語といえます。
「素直」には「性質や態度がひねくれていないさま」という意味があります。
「素直な人」は誰かの指示や助言をまっすぐ受け止めることができる点で「度し難い人」と大きく異なります。
とくに誰かに物事を教わったりする際には、「度し難い人」よりも「素直な人」の方が成長しやすいといえるでしょう。
【例文】
- 「周りのアドバイスを素直に受け取る」
- 「彼は素直な性格なので人から愛される」
従順
度し難いの対義語には「従順」もあります。
「従順」は「人の言うことやルールなどにまっすぐ従うこと」「性格や態度が穏やかで、人に対して逆らわないこと」という意味の言葉です。
「従順な人」は「度し難い人」と違って、相手の言うことに黙って従うことが出来る人です。
ただし、「従順な人」は「自分の意見や考えと違っていても従うような、自分のない人」を指していうこともあるので、「素直な人」のようにポジティブな意味だけでは無いことに注意しましょう。
- 「彼は上司の言うことに従順で仕事をきちんとこなす」
- 「あの人は従順だが自己主張がほとんどないのはどうかと思う」
度し難いの意味を理解して、正しく使おう
度し難いとは「救いようがない」「どうしようもない」という意味の言葉です。
日常的に使う頻度の低い言葉ではありますが、正しい意味を知っておくことで教養を深めることができます。
また、度し難いはネガティブな意味の言葉なので、使う際には注意が必要です。
あなたの周りに度し難い人がいたとしても、軽々しく使うのは避けましょう。
言葉の意味だけでなく、正しい使い方や言い換え方を知ることで、言葉に対する理解をより一層深めることができますよ。
- 度し難いとは「救いようがない」「どうしようもない」という意味の言葉
- 度し難いは、基本的にネガティブな意味で使われるため、注意が必要である
- 度し難いの類義語には「手に負えない」「どうしようもない」「質が悪い」がある
- 度し難いの対義語には「融通が利く」「素直」「従順」がある