現代に蘇る恋の和歌「金木犀と私」ハッピーメールWebドラマ@第5話
大好きな恋人がいたアシスタントディレクターの佐久間絵里。
彼に二股をかけられ別れを告げたが「私が1番好きだったのに」と住野李佳に泣きつくのでした。
日本で最古の和歌集「万葉集」で最も多いのが恋を謳った相聞歌です。
そんな昔から恋に笑い、泣き、共に生きてきたんですね。
今回は、そんな万葉集にちなんだマッチングサイトをきっかけに結婚したハッピーなメールを紹介。
入院中の立花美波。
窓から見える金木犀が嫌いです。金木犀には鮮やかな色・華やかな香りがあって、私にはないものだから。嫉妬心かも…
他人との交流はせず孤独だった私の元に1通のハッピーメールが。
「春されば まづさきくれの 幸くあらば 後にも逢はむ な恋ひそ我妹」
春になると、真っ先に咲くさきくさの花のように幸せであれば必ずまた逢えるでしょう。
といった万葉集の相聞歌。
「もう春ですね…」とこの和歌をきっかけに、お互いの好きなものや趣味などを話す仲になっていった。
彼とのメールはとても楽しく、いつしかこの病室から外の世界へ舞い降りたいと思うようになった美波。
ある日彼といつものごとくメールをしていると「紫陽花が良い頃かも知れない」とデートの誘いがきたのだった。
「行く!行きたい!」と美波は外出許可を取り彼には病気のことは内緒にして、会いに行くことに。
上野公園の紫陽花はまだ満開ではなかったけど、とても綺麗だった。
美波は道端に咲く小さな花にも興味を示し、久しぶりの外出はとても気持ちよく、ようやく飛び出た気がしていたのだった。
彼は、そんな美波の姿に惹かれ、「いつも仕事ばかりで見落としていた道端の小さな花にも気付くことが出来た。」と感謝したのだ。
「また金木犀の咲く頃に行こう」と約束し、別れた2人。
だが、この約束が果たされることはなかった…
約束の日、美波は体調を崩してしまったのだ。
彼との約束を果たせなかったことから美波はマッチングサイトは見なくなり、恋愛にも消極的に。
1年後、なにげなくマッチングサイトを開けた美波の元に1通のハッピーメールが…
「あしひきの 山のしづくに 妹待つと 我立ち濡れぬ 山のしづくに」
君を待ち続けて僕はずぶ濡れになってしまった、山の木々の雫で。
そう、彼はあの日美波をあの場所で待っていたのだった。
そのことを知った美波は、彼と再会することにした。
待ち合わせ場所には笑顔で待つ、彼の姿。
そんな彼に走って抱きつく美波でした。
「今度こそ、金木犀!」
そして、今彼女は彼と結婚して、新婚生活の準備に追われているのでした。
「誰かを愛することって、とっても勇気がいりますよね。でも愛はその何倍もパワーを与えてくれる。」
美波に背中を押された住野李佳は、幸坂さんと向き合い、話し合う決意をしたのでした。
Contents
古典和歌に多く記されている「恋の和歌」ってどういうもの?
日本最古の歌集である、「万葉集」。
中でも恋の和歌が多く詠まれていることで有名です。当時の人たちは、和歌に感動や想いを乗せて謳うことで、相手に気持ちを伝えていたのですね。
現代の言葉とは違えど、「好き」「会いたい」と想う気持ちは何年、何百年経っても変わらないもの。そんな素敵な和歌をあなたも送ってみませんか?
【文学的な恋】有名な恋の和歌を7つのテーマに沿って厳選
あなたは、和歌を何首詠めますか?古典の授業で習ったものの思い出せないのがほとんでしょう。
ぜひ、これから紹介する和歌を覚えてください。
ふと、あの人のことを考えたときに和歌がよぎったらそれは恋の始まりかもしれません。
月(紀貫之)
好きな気持ちが、どうしても溢れてしまうことを、山から月が出てくる光景に例えた和歌です。
溢れんばかりの想い…ギュッと締め付けられますね。
雨(和泉式部)
降り続ける五月雨を恋の涙として表現する和歌も多くあります。
連日の雨に、逢えないあの人への気持ちを混ぜ合わせた切なくも情熱的な男性から女性に謳った恋の和歌です。
夢(小野小町)
好きなあの人を思いながら眠ったら夢に出てきた。
という、なんとも可愛らしい乙女心を謳った和歌です。
現代でも共感できる思いですね。
会いたい(藤原義孝)
「君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな」
あなたのためなら命など惜しくない、と思っていたのにあなたに会いたいから長生きしたい。
とあなたのためなら死ねる!と思っていても、一緒にいたい気持ちが勝ってしまう真っ直ぐで純粋な和歌ですね。
待つ(磐之媛命)
「ありつつも 君をば待たむ うち靡(なび)く 吾が黒髪に 霜の置くまでに」
私の髪の毛が、白髪になるまであなたを待っている。
とても一途で、重い女性の気持ちが謳われた和歌です。
現代では、考えにくい意味かもしれませんね。
切ない(柿本人麿)
山鳥のしっぽの長さと想い人に逢えない夜の時間の長さをかけた何とも切ない和歌です。
眠りたいのに、あの人のことを考えると眠れない…時間が過ぎるのは遅いな…と甘く切ない夜を表していますね。
片思い(小野小町)
世界三大美女の1人小野小町の和歌です。
片思いの相手への想いが大きすぎて疲れるくらいの気持ちを眠っている間だけは忘れられる。
といった甘くて苦しい片思いが最大限に表現されています。
現代に蘇る恋の和歌のような運命的な恋愛も実在する
7つの有名な和歌を紹介しましたが、あなたにも当てはまる・共感する和歌があったのではないでしょうか?
「そんな素敵な恋なんてない」と思っていますか?
それはまだ、あなたが知らないだけ。
いつどこで運命的な恋が待っているかなんて誰にもわかりません。
明日出会ったあの人と、あなたは恋をするかもしれません。
もしかしたら、もう出会っているのかも…
恋の和歌のように、あの人のことを思って切なくも甘い夜を過ごすことになるかもしれませんよ。