敏感すぎて疲れてしまう「HSP」とは?5つの特徴と正しい向き合い方
敏感すぎて疲れやすいといわれている「HSP」。
最近よく耳にする、ネットで見かけるという人も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなHSPについて具体的に解説しつつ、特徴やセルフチェック診断、HSP気質との向き合い方まで記事にまとめます。
もしかしたらHSPかもしれない…と気にかかっている人はぜひ参考にしてみてください。
Contents
HSPとは
最近では、多方面で活躍中の有名芸能人である田村淳さんが公表したことでも話題になったHSP。
テレビ番組でも自身の体験を語られており、それをきっかけにHSPの存在を知ったという人もいるでしょう。
まずは、HSPとはどういうものなのか具体的に解説していきます。
病気ではなく生まれ持った気質
HSPは、「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の頭文字を取った言葉で、「生まれつき感受性が強く敏感な気質を持った人」という意味を持ちます。
これは、心理学者として研究を重ねていたエレイン・アーロン博士によって提唱された概念です。
周囲の環境によるものではなく、ストレスを処理する役割を持つ扁桃体が生まれつき活発で、敏感に不安や恐怖を感じてしまうという性質を持っています。
そんなHSPの特性を持って生まれた人は5人に1人の割合で存在し、人口の15~20%に当たるといわれています。
また、似たような特徴が見られるため誤解されがちですが、HSPはうつ病や発達障害とは異なるので正しく理解しましょう。
HSPの5つの特徴
HSPは生まれ持ったのであり気付かないまま大人になっていることも珍しくありません。
そこでHSPの特徴を知り、自分にも当てはまるものはないか確認してみましょう。
外部からの刺激に敏感
HSPの人は、外部からの刺激に敏感という特徴があります。
外部からの刺激とは、主に以下のようなものです。
- 時計のカチコチ音が気になる
- 電化製品が発する機械音に反応する
- 洋服のタグや素材のチクチクが気になる
- 強烈な太陽光や眩しすぎるライトに弱い
- タバコの臭いで気持ち悪くなる
- 他人の口臭で気持ち悪さを感じてしまう
- 芳香剤や良い香りのものでも過剰すぎるとNG
このように、一般的に気にせず通過できるような部分がどうしても気になってしまう人が多いです。
情報を深く読み取る
情報を深く読み取ることができるのも、HSPの特徴の一つです。
「一を聞いて十を知る」という言葉がありますが、HSPの人はまさにこれが簡単にできてしまいます。
なぜなら、自分が疑問に思ったこと、知りたいなと思ったことは、とにかく深く掘り下げて自分の知識として吸収していく特性があるからです。
したがって、HSPの人は、そうでない人に比べると知識量が多いという特徴もあります。
周囲の感情に共感しやすい
HSPの人は、周囲の感情に共感しやすく自分の感情まで左右されます。
怒られている人を見て自分も怒られているかのように落ち込んでしまったり、ドラマや本の主人公に強い感情移入をしてしまったりと日常生活の至るところで影響を受けてしまうのです。
周囲が持つポジティブな感情もネガティブな感情も、どちらにも共感してしまうので、頭が追い付かずパニックを起こしやすくなってしまいます。
疲れやすい
HSPの人は、刺激に敏感ゆえ疲れやすいという特徴があります。
気心知れた友達と遊ぶという一見楽しそうに思える時間でさえ、HSPの人は何かしらの刺激を受けてしまい、楽しいはずの時間にも疲れを感じてしまいます。
また、人混みや大きな音にも敏感に反応してしまうので、近所のスーパーに行くだけでもどっと疲れてしまうという場合も。
このようにHSPの人は、日常生活を平然とこなすことさえも難しく感じてしまうのです。
鋭い感覚を持っている
人の喜怒哀楽を素早く察知できたり、見落としがちなことに気付いたりと鋭い感覚を持っていることも、HSPの特徴の一つです。
職場の仲間などが悩みを抱えているときは、いち早く助け船を出せる能力もあり重宝される存在でもあります。
相手の気持ちを汲み取ることができるゆえに言葉選びも慎重なので、仕事上でも良好な人間関係が構築されるといえるでしょう。
簡単にHSPセルフチェックしてみよう
自身がHSPであるかを知るためのセルフチェック診断を用意しました。
以下にある10個のチェックリストにいくつ当てはまるか数えてみてください。
騒音が気になることが多い
明るい光が苦手
環境の変化に敏感
短時間でたくさんの作業をすると混乱する
音楽や美術にとても興味がある
疲労を感じると一人になりたくなる
子どもの頃「敏感だね」と周りにいわれたことがある
ミスや忘れ物にはいつも気をつけている
痛みにとても敏感
いくつ当てはまりましたか?
5個以上の項目に当てはまったという人はHSP気質を持っている可能性が高いです。
ただし、1~2個程度と少ない人でも、その内容に対してとても共感できるのであれば、HSP気質があるといえます。
HSP気質との向き合い方
HSPセルフチェックで「やっぱりHSP気質だった」という人もいるでしょう。
HSPは自身の特性によって「生活しづらい」「色々気にしすぎて疲れる」と悩みを抱えることも多いもの。
最後にそんな人へ向けて、HSP気質との向き合い方について解説していきます。
自分の感情を否定せず受け止める
HSP気質と向き合うためには、自分の感情を否定せず受け止めることが大事です。
HSP気質の人は、何らかのマイナスな出来事が起こると、その責任はすべて自分にあると思い込む傾向にあり、激しく動揺し落ち込みます。
また、落ち込んだ後に回復するまで時間を要することが多いです。
自身の失敗や過ちを反省するのは、人生において必要不可欠ですが、反省した後の気持ちの切り替えも大事ですよね。
まずは「悔しかった」「ショックだった」と自分の感情を否定せずに受け止め、自分で自分を納得させることが重要です。
そうすることで、自然と負の連鎖から解放され、気持ちの切り替えができるようになりますよ。
こまめにアウトプットする
HSP気質の人は、沸きでてくる感情や思っていることをこまめにアウトプットすることも重要です。
気心知れた友人や職場の同僚などに、自分の抱えている喜怒哀楽を話すことで、気持ちが多少なりともスッキリした経験はありませんか。
それは、友人たちに自分の気持ちを話して共感してもらうことで自己肯定感が得られ、結果として気持ちがスッキリするというもの。
HSPは敏感に感じとることが多いため、逐一アウトプットすることでストレスが軽減できるのです。
自分の感情をそこまでさらけ出せないという人は、SNSに頼ってみるのもおすすめです。
「独り言として口に出してみる」「Twitterで思ったことを呟く習慣をつける」など、どのような方法でも良いので、自分の気持ちをこまめにアウトプットできる環境作りをしていきましょう。
没頭できるものを見つける
趣味を作る・仕事に夢中になるなど、何かしらの没頭できるものを見つけるのも、HSP気質と向き合う上でとても大切です。
HSP気質の人は、テレビやラジオから聞こえてくるネガティブな情報にも敏感に反応しがち。
だからこそ、情報の発信源であるテレビやラジオ、スマホのニュースは遮断し、没頭できるものを見つけるようにしましょう。
何かに没頭することができれば、「心地良さ」や「楽しさ」を感じることができ、それが心の穏やかさを取り戻すきっかけにも繋がります。
騒音は自らシャットアウト
HSP気質の人は、日常生活で必ず触れることになる電子音や時計の音にも敏感です。
そのため、ノイズキャンセリング機能付きのヘッドフォンを使用するなど、騒音を自らシャットアウトしていくことも重要です。
ヘッドフォンを通じて、自分の好きな音楽を聴くだけで、驚くほど心穏やかになれるでしょう。
また、雑音を除去した生活を送ることで、ストレスからも開放されるというメリットがありますよ。
質の良い睡眠をとる
質の良い睡眠をとることも、HSP気質と上手に向き合っていくために必要な対処法の一つです。
睡眠不足の状態に陥ってしまうと、血液循環が悪くなり、感じたストレスがどんどん蓄積されてしまいます。
ストレスが溜まると精神的にも辛くなってしまうので、最悪の場合、精神科医に相談し精神医学に頼らなくてはならない恐れも出てきます。
一方で、良質な睡眠さえきちんととっていれば、たとえストレスを感じてしまったとしても、それを和らげることができるのです。
HSP気質の人に推奨されている睡眠時間は、7~8時間。
毎日、しっかり睡眠時間を確保していきましょう。
自分のペースで生活する
HSP気質の人は、周囲の人たちに行動や感情を合わせがちです。
そのような生活を続けていくことでストレスが溜まり、どんどんふさぎ込んでしまう恐れもあります。
そのため、自分のペースで生活することを念頭に置いておきましょう。
- 休日には誰とも会わずに一人の時間を設ける
- 公園など自分の落ち着ける場所を見つける
- SNSを開くのは1日1回までにする
このように自分のペースで生活するために、ちょっとしたルールを設けておくことをおすすめします。
リラックスできる時間を自ら作っていくことで、日常生活で感じるストレスも少しずつ減っていくはずです。
自分の個性を大切にHSPと上手に向き合おう!
HSP気質の人は、とにかく敏感で感受性豊かです。
だからこそ、人に気を遣いがちで疲れやすいという特徴があります。
そんな自分に嫌気がさしたら、まずは一度休んでみるのも方法の一つです。
この記事で紹介したHSPとの向き合い方を参考に、ストレスを溜めない生活を意識してみてください。
HSPの特性を自分の個性と受け入れ、上手に向き合っていくことが大切ですよ。
- HSPは「生まれつき感受性が強く敏感な気質を持った人」で、病気ではないので治療は必要ない
- HSPの人は、外部からの刺激に敏感に反応してしまうがゆえ疲れやすく、鋭い感覚を持っている場合が多い
- HSPはマイナス要素だけではないので、自分のことを受け入れてあげよう
- HSPと上手く向き合うためには「こまめにアウトプットする」「騒音は自らシャットアウト」「質の良い睡眠をとる」などを心がけることが大切