ため息をついても幸せは逃げない?ため息の効果・心理・注意点まとめ

さまざまな情報が飛び交う現代では、テレビやスマホを見ているだけで疲れてしまい、ふとしたタイミングで「はぁ…」とため息が出ることもあるでしょう。
そんなとき、周りから「ため息をついたら幸せが逃げる」なんて言われたことがある人も多いはずです。
そこで今回の記事では、ため息に隠された効果やため息をつくときの心理、注意点などを詳しく紹介します。
本当に幸せは逃げてしまうのか?という疑問についても解説しますので、このページを参考にしてみてください。
Contents
「ため息をついたら幸せは逃げる」は嘘?
ため息とは、緊張が解けたときや何かに失望したとき、感動したときなどに思わず出る大きな吐息のことです。
日本では、「ため息をついたら幸せは逃げる」といわれたり、聞いているほうも気が滅入ると思われたりして、マイナスイメージを持たれていることが多いかもしれません。
しかし実際ため息は、体の機能の働きをよくしたり、バランスを整えたりと「体にとってはいい」ことが期待できる行為でもあるのです。
そのため、一概に「ため息をついたら幸せは逃げる」とは言い切れないでしょう。
ため息の効果
ここでは早速、ため息の効果を紹介いたします。
意外と知られていない、ため息に隠された体にいい効果をチェックしましょう。
自律神経のバランスが整う
ため息は、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。
緊張するような場面では、無意識のうちに胸やお腹の筋肉が硬くなりやすく、呼吸が浅くなることがあります。
浅い呼吸をしていると、酸素が十分に体に取り込めない状態が続いてしまい、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、自律神経が乱れやすくなります。
そんなときに腹式呼吸を意識して、「ふぅー…」と長く深いため息をつくことで筋肉の緊張がほぐれ、酸素を取り込みやすい状態に戻すことができるのです。
とくに緊張状態では交感神経が優位になっているため、深いため息によって副交感神経を働かせることで、気持ちが落ち着いていきます。
乱れていた自律神経が正常に戻るというのは嬉しい効果です。
深い呼吸によるリラックス効果
日々の疲れを癒すリラックス効果も、ため息をすることで得られる場合があります。
ため息のようなゆっくりとした呼吸法は、酸素を多く体に取り込むことができるため、酸素不足で低下している脳力を向上させることができるのです。
また、精神科医の研究によれば、胸式呼吸ではなく腹式呼吸をすることで、心身を落ち着かせる副交感神経を刺激することが可能といわれています。
そのため、ため息を交えた深い呼吸を習慣づけることで、ストレスやけだるさなどを取り除くリラックス効果が期待できるでしょう。
ストレスフル?ため息をつく人の心理
こちらではため息をつく人の心理を解説していきます。
最近ため息が増えてきたなぁと感じているなら、それは心や体からのサインかもしれません。
こちらを参考に自分のストレスに気づきましょう。
心配している
ため息をつく人の心理状態として、心配事に悩まされていることがよくあります。
仕事や恋愛、お金など原因はさまざまです。
心配していることがあるとき、人は無意識のうちに体が緊張状態になり、体内の血流が悪くなることがあります。
そのため、酸素を取り入れようと自然とため息が出ます。
もし心配事がある状態でため息が出たときは、体からの危険信号かもしれないので、一度ゆっくりと深呼吸をしてみてください。
そうすることで、体や心の負担が軽くなることが実感できるでしょう。
思い通りにいかない
自分の思い通りに事が進まず、ため息をつくケースもあります。
物事がうまくいかないと、むしゃくしゃしたり、やり場のない怒りや苦しみに襲われたりしますよね。
自分の思い通りにいかないことは、それだけでストレスに繋がります。
そのストレスを吐き出すために、無意識にため息が出るのです。
緊張している
講壇や告白する場面を控えているときなどは、「どうしよう…緊張する…」と緊張状態がMAXになり、「はぁ~」と一呼吸置きたくなるものです。
緊張しているときは、体中の筋肉が強ばっており、呼吸も浅い状態が続いています。
そのため、酸素をたくさん取り込もうとして、無意識にため息をすることがあるのです。
ため息が出たときには意識的に肩の力を抜いて、お腹を大きく膨らませるような気持ちでゆっくりと呼吸をしてみてください。
また、緊張する原因は、自分が求める理想像を高く持ちすぎているのかもしれません。
あまり自分を追い込みすぎないことも大切ですよ。
相手に呆れている
ため息をついている人は、相手に対して呆れているケースがあります。
他人の行動や思考が自分には理解できないと、呆れて物も言えず、ため息として表れることがあるのです。
しかし、このような状況でのため息は、相手をバカにした行為と見なされる可能性があります。
人の意見を聞くたびにため息をつく癖がある人は、気をつけたほうがよいでしょう。
また、上司や目上の立場の人に、目の前でため息をつかれた場合には、身の振る舞いを改めてみてください。
ため息をつかれるような行動を繰り返していると、そのうち怒られたり見放されたりして、いいことは何もありません。
怒っている
ため息をつく人の心理状態として、怒っていることも考えられます。
相手に対しての苛立ちを、ため息をつくことで意図的に主張しようとしているのかもしれません。
ストレス耐性が低く、怒りを表に出さないと自我を保てないという人に多く見られます。
幼い頃から周りの人が怒っていたり怒られていたりしている環境にいた人は、怒りっぽい性格になりやすく、事あるごとに怒ってはため息をつくことを繰り返してしまいがちです。
怖い表情するため息は、見ていて気持ちのいいものではありませんので、周囲から敬遠されやすい存在でしょう。
集中したい
勉強や仕事に集中したい一心で、ため息をつく場合もあります。
集中していると、周りの状況や声が見聞きできなくなるものですが、まだ集中できていない段階では周囲の音などは耳障りに感じるものです。
こんなときに、集中したいアピールでため息をつく人もいます。
また、脳医学者の研究により、集中力が持続する時間には限りがあるといわれています。
集中力が切れているのに無理に続けようとしても非効率ですし、それ自体がストレスとなり、ため息が出てしまうこともあるでしょう。
取り組んでいる物事がひと段落ついたら、休憩することも大事です。
めんどくさい
依頼された仕事や周りから何か言われたことに対して、めんどくさいと感じてついため息が出てしまうなんてこともあります。
「動きたくない」「嫌だなぁ」と思ってため息をつくわけです。
人は「めんどくさい」と感じた時点で、その物事に対してストレスを抱えています。
そのストレスを体外へ排出するために、ため息が出るのです。
めんどくさい出来事を避けられれば、ため息が減る可能性はありますが、仕事や人付き合いをする上では避けられないことも多いですよね。
体も心も健康であり続けるために、めんどくさいと感じることをプラスに考える思考転換が必要かもしれませんね。
ハァ…ため息の注意点
ため息にはいくつか注意点が存在します。
ため息をつくときには、こちらの点も覚えておきましょう。
ため息が多いとうざいと思われやすい
ため息をつくことは体や心にとって大切な行為ですが、ため息の回数が多いと周囲の人たちにうざいと思われてしまいます。
たまのため息であれば心配してもらえるかもしれませんが、頻繁にため息をついていると暗い印象を与えてしまいがちです。
たとえ悩んでいることがあったとしても、相手を不快な気分にさせないために、ため息のつきすぎには注意が必要です。
同じ問題で何度もため息をつくようならストレスが溜まっている可能性大
同じ問題で何度もため息をつくようなことが続いていたら、もしかしたらその案件が大きなストレスになっているのかもしれません。
同じ事柄でため息が続くようならば、一度その原因を考えてみてください。
ストレスの原因が人間関係にある場合には、交友関係の見直しをしましょう。
仕事に関することであれば、上司や同期に相談するのがおすすめです。
そもそもの問題から目を逸らさず、対処していくことが大切です。
ストレス過多が原因で病気になってしまうこともあるので、自分なりのストレス解消法を見つけて、こまめにリフレッシュしてくださいね。
意味もなくため息をつくなど癖になっていたら改善したほうがいい
特別な理由もなく、ただため息をつくことが癖になっていたら、改善を試みることをおすすめします。
意味のないため息は、つけばつくほど目の前のものに対してやる気や前向きな気持ちを失う原因になります。
その状態が続くと自己否定の気持ちも生まれかねないため、ため息は心身が本当に求めているとき以外はしないほうがベターです。
無意味なため息が癖になると、自分の気持ちがネガティブになるだけでなく、他人に与える印象もいいものではないので注意してください。
ため息自体は悪いものではない
ため息をつくことは、心身のバランスを保つ効果が期待できますし、ため息をついただけで幸せが逃げることはありません。
新型コロナウイルス感染症の影響で好きなことが制限されている人も多い中、ストレスが溜まることもあるかと思いますので、意識的に深くため息をついてストレスを吐き出してみてくださいね。
とはいえ、人前でため息をつくことが多ければ、周囲から敬遠される原因になります。
悩んでいたり疲れていたりして、ため息が頻繁に出るときは、自分と向き合いその原因を探りましょう。