苦手と感じる心理とは?苦手な人との上手な付き合い方&おすすめの思考法
職場の上司や嫌味な友達など、自分の身の回りには決まって苦手な人がいるもので、そんな人と上手に付き合えたらどれほど気分が楽になるでしょうか。
今回は苦手と感じる心理学をテーマにして、苦手な人との上手な付き合い方・おすすめの思考法を記事にまとめます。
現在、自分自身が生活する環境の中で、人間関係にストレスを感じている人はぜひ参考にしてくださいね。
Contents
誰しも1人はいる苦手な人…そもそもどうして「好き嫌い」があるのか
どうして人に対して好き嫌いの感情が芽生えてしまうのでしょうか。
これは、脳が無意識に『好き嫌い』を判断するのが理由とされていて、人間は脳にある扁桃体(へんとうたい)という部分によって安全か危険かを瞬時に判断します。
- 毒性を持つ生物と遭遇したとき、叫ぶより前に身体が反応して避けようとする
- 物が落下してきたとき、危ないと思う前に身体が反応して避けようとする
いずれの反応も、扁桃体が危険と判断したからこその瞬時の行動です。
このように、人間は扁桃体によって『安全か危険か』をほぼ条件反射で判断します。
この反応は『好きか嫌いか』に対しても働きます。
人と出会ったときには、自分の過去の経験・相手の見た目などの情報が判断基準となり、扁桃体の力によって『好き嫌い』の判定をするのです。
たちまち嫌いと判断してしまえば、最初から嫌いという目で相手を見るため、相手の欠点ばかりを見つけて「あの人はなんだか苦手」となります。
苦手と感じる心理とは?
人に対して苦手と感じる心理状態について見ていきましょう。
あなたにも思い当たるものがあるかもしれませんよ。
攻撃されることから身を守るため
攻撃してくる人が苦手なのは当然で、そんな人と一緒にいたら身も心も不安で仕方ないでしょう。
この不安な気持ちから相手に苦手意識を抱き、自身の身を守るために避けるようになったり同じく攻撃したりするようになります。
苦手な人にどことなく似ている
自分の苦手な人を連想させる人は苦手になりやすく、このような状態を心理学において『投影』と呼びます。
- 職場の上司が苦手な父と似ていて嫌い
- 振られた元恋人に似ている男性が苦手
- いじめっ子に似ている女性が取引先にいて苦手
誰も自分に危害を加えたわけではありませんが、投影によって苦手な人が思い出されることで、苦手に感じてしまうのです。
相手に劣等感や嫉妬心を抱いている
嫉妬心を抱いている相手は苦手に感じやすい傾向にあります。
自分の最もダメな部分と相手の優れた部分を比較して、劣等感に苛まれ苦手意識が湧き上がるのです。
一緒にいて劣等感を抱いてしまう相手のことを好きになれるはずがなく、自分にとっての比較対象や競争相手は嫌いになってしまう可能性が高いでしょう。
デリカシーがなく不快
デリカシーのない人は自分の行動に対して正しいと思い込む傾向があるため、思いやりがなく冷たい人間に感じて苦手な人も多いでしょう。
聞かれたくないことを人前で聞かれた、断っているのにしつこくしてくるなどデリカシーのない言動に苦手な人断定してしまいます。
子供っぽいなど感覚のズレを感じた
相手の行動が子供っぽいなど、感覚のズレを感じたときには『自分とあの人は合わない』と苦手意識を持つようになります。
- 公共の場でルールやマナーを守れない
- ささいなことでも我慢できない
- 少しでも気に入らないことがあると不機嫌になる
相手のこのような一面を見てしまえばガッカリしてしまうため、あまり関わりたくない…と距離を空けたくなるのです。
苦手な人への上手な接し方5選
自分と苦手な人との関係性によっては無視できず、コミュニケーションをとらなければならないのが辛いところです。
そこで、苦手な人に対してストレスフリーで付き合える、上手な接し方を5つ紹介します。
適度に距離を保って深入りしない
価値観が違う人と一緒にいてもストレスを感じるだけですから、苦手な相手には深入りせず適度に距離を保って付き合いましょう。
- 仕事は一緒にするけど昼食は一緒に食べない
- 仕事の話はするけどプライベートの話はしない
- 連絡先は交換するけどLINEはしない
このように、距離を保って割り切った付き合いをすれば相手と関わる機会を最小限に止めることができるため、悩みに感じてしまうことも少なくなります。
気にしすぎるのはやめて自然に振る舞う
苦手な人と一緒にいても落ち着かず、相手のことを気にするほど相手の嫌な部分が目立ってしまうものです。
そこで、相手を意識せず自然に振る舞うことを心掛けましょう。
先入観を持たず、相手の言動に嫌いという感情を混ぜないようにするのが重要です。
相手を避けずに挨拶・お礼・謝罪など人として当たり前の接し方をし、割り切った関係性を築きましょう。
相手のいいところを見つけて褒める
苦手な相手に対しては、避けるのではなく褒めるのも上手な接し方の一つであり、褒め続けることで、相手は自分に対して好意的になってくれます。
人間というのは自分自身に対して『価値ある存在』と思いたい気持ちがあり、他人にも同じように認められたいと感じています。
そのため、相手を褒めることで『自己重要感を満たしてくれる大切な存在』と位置付けされ、お互い良好な関係を築けるようになるのです。
割り切って自分の役割を全うする
苦手な相手とどうしても付き合いが必要なときは、無理に仲良くなろうとせず割り切って自分の役割を全うすることだけを考えてください。
- 丁寧にコミュニケーションをとる
- 相手を立てて気分良くさせる
- 自分から積極的に行動する
ドライなように感じますが、苦手な人相手にストレスを溜めてしまうよりもこのように振る舞う方が、自分にとって快適な日常を過ごすことができるでしょう。
ちゃんと相手の話を聞いてあげる
苦手な人と会話することに抵抗がない人は、相手の話をしっかり聞いてあげるようにしてください。
そうすることで、苦手ポイントが目立ちにくくなる可能性があります。
話を聞くときのポイントは、
- 相手の話に対して相槌を打つ
- 相手の意見に対してリアクションを返す
- 相手の話に対して、深く掘り下げる
- 相手の話を遮らず、否定・批判もしない
- 自分の意見・価値観は優先しない
聞くだけなのに注意項目が多くめんどうだな…と思うかもしれませんが、長時間・毎日行わなくていいのです。
週に1度なら…月に3回ならいいか…くらいのスタンスで聞いてあげるだけでも、相手も満足し苦手ポイントが薄れていきますよ。
苦手な人に遭遇したときにおすすめの思考法
苦手な人に遭遇したときは考え方一つで苦にも楽にも変換することが可能です。
苦手な人に対して悩まないためにおすすめの思考方法を以下で解説していきます。
空間を楽しむことだけにフォーカスをあてる
苦手な人と遭遇したときには、相手のことを考えるのではなく今自分のいる空間・環境を楽しむことだけを考えましょう。
たとえば、デパートで苦手な人と遭遇したときは『デパートで買い物する』ことに集中し楽しみましょう。
いちいち苦手な人に気を取られていては、本来の目的を見失ってしまいます。
できるだけ余計なことを考えない
苦手な人と遭遇したときは、ネガティブな気持ちやイライラした感情になってしまいがちですが、できるだけ余計なことを考えないようにしましょう。
一定の気持ちを保ち会話すれば淡泊な対応ができるので、一緒にいてもさほど気持ちが乱れることがありません。
会話も早く切り上げられるのでおすすめです。
そもそも嫌いという感情は『悪』ではない
人を嫌いになると、そんな自分が嫌になってしまう人もいますが、そもそも嫌いという感情は『悪』ではありません。
どうしても苦手な相手なら自分の感情にウソをつく必要はなく、『嫌いでも構わない』と冷静になることで、相手のこともそれほど気にならなくなりますよ。
反面教師にして前向きに捉える
苦手な相手の性格に対して反面教師にするくらいの気持ちを持てば、『自分を正せるきっかけになる』と前向きな捉え方ができるようになります。
- 気分次第でコロコロ機嫌が変わる
- 面接などきちんとした場所でもTPOがない
- 目上の人に対する言葉遣いや態度が悪い
このような振る舞いをする人たちに対して悩むのではなく、『自分を成長させるために参考になる』と反面教師にしてしまえばいいのです。
人生の主役は自分だと心で唱える
苦手な人のことを考えると、頭の中が苦手な人中心に回るため、あらゆる出来事に対してその人に振り回されてしまいます。
なかには、職場の苦手な人が原因で転職する…なんてケースも。
そうならないために自分の人生の主役は自分自身であることを心で唱え、自分中心の視点で物事を考えましょう。
職場や学校にいる苦手な人ともうまく付き合って味方にしちゃおう!
人間関係の悩みは心の病気につながり、悪化してしまえばカウンセラーや精神科医を受診しなければならない可能性も出てきます。
そうならないためにも苦手な人への対処が必要であり、おすすめの対処法はうまく付き合って味方にしてしまうことです。
特別親しくならなくてもいいので、接し方さえ間違えなければ味方にするのも難しくありません。
そうすれば苦手な人が苦手ではなくなるでしょう。
- 人に対して好き嫌いを感じるのは、脳の扁桃体という部分の働きが理由になっている
- 人を苦手と感じる心理に、苦手な人に似ている人を苦手になったり嫉妬心を抱いたりすることが挙げられる
- 苦手な人に対する上手な接し方は、適度に距離を保ち、たまに聞き役になること
- 苦手な人に遭遇したときは、存在を気にしないことがポイント
- 苦手意識を持つことは悪いことではないので反面教師にすると吉