ノスタルジーとは?意味やレトロとの違い、日常・ビジネスでの使い方を紹介
ノスタルジーという言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
今では日常会話でも使われるようになりましたし、ビジネスシーンで使われることもあります。
ノスタルジーと似ている言葉にレトロという言葉もありますが、どこが違うのかわからない人も少なくないはずです。
この記事ではノスタルジーの意味やレトロとの違い、日常会話やビジネスシーンでの使い方などを解説します!
Contents
そもそも「ノスタルジー」とは?
そもそも「ノスタルジー」という言葉を使ったことがないという人もいるかもしれません。
まずはノスタルジーとはどういう意味か説明します。
ノスタルジーの意味
ノスタルジーとは「遥か昔の記憶や故郷などを懐かしく思う気持ち」を意味しています。
大人になってから学生時代の思い出を振り返ったときや、初デートのときに聞いた曲を耳にしたときなど、過ぎ去った時間を思い出し、少し切ないような寂しいような気持ちを表したいときに使われることが多いです。
ノスタルジーの類語
ノスタルジーの類語には、過ぎ去った時間を懐かしむという意味の「追憶(ついおく)」や遠い場所から故郷を懐かしむという意味の「郷愁(きょうしゅう)」などが挙げられます。
他にも「回顧(かいこ)」「望郷(ぼうきょう)」も同義語にあたります。
ノスタルジーの英語
ノスタルジーはカタカナで使われるので英語にありそうですが、ノスタルジーという英語はありません。
英語では形容詞のノスタルジック(nostalgic)や名詞のノスタルジア(nostalgia)が使われます。
ノスタルジーが日本語で使われるようになったのは、フランス語のnostalgieから由来しているという説が有力です。
ノスタルジーの類語「レトロ」との違い
ノスタルジーの類語のひとつに「レトロ」という言葉があります。似ている言葉なので、はっきりとした違いがわからないという人もいるでしょう。
ノスタルジーとレトロの決定的な違いは、主観的か客観的かです。
ノスタルジーは、自分が過去に経験したことや自身の思い出と密接に繋がっている懐かしい感情を表現する言葉であり、対してレトロは客観的に見て古いものに対して使われます。
レトロは「懐かしさを感じさせる」という意味で使われるため、そこに懐かしくて切ない気持ちや寂しい気持ちを表現するニュアンスは含まれません。
レトロを使った例文
レトロを使った例文をいくつか紹介します。
レトロの使い方がわからないという人はぜひ参考にしてくださいね!
- あのレトロな建物は自分が昔通っていた喫茶店に似ている
- 新築した家は現代的だからレトロな時計でも飾ろうかな
- せっかく一人暮らしを始めるなら自分が気に入るレトロな雑貨を揃えたい
- 先日見た舞台は、大正文化のレトロな風合いを鮮明に表していた
レトロの対象は主に物が多く、意外と日常生活の中に『レトロ』なものが存在するので意味さえわかれば間違えずに使える言葉ですね。
ノスタルジーの使い方【日常会話編】
ノスタルジーは日常会話ではどういう場面で使われるのか、例文を用いながら解説します。
「アメリカに行ったときに日本料理を食べてノスタルジーを感じた」
この例文では、アメリカという遠い国に行ったときに日本料理を食べたことで、自分の故郷を思い出して懐かしくなったという意味でノスタルジーが使われています。
都会で生まれ育った人は、東京やニューヨークなどの都会の大きなビルなどを見たときにノスタルジーを感じるかもしれませんし、田舎で育った人は、広い田園風景や美しい川や海を見たときにノスタルジーを感じるかもしれません。
今では日本料理は世界中で食べられるようになりましたが、それでも海外に行って日本料理を食べると、なんともいえない安心感を得ることができ、ノスタルジーを感じる人が多いでしょう。
「青春ソングを聞くとノスタルジーに浸ってしまう」
この例文では、過ぎ去った時間を懐かしむという意味でノスタルジーが使われています。
その時代時代で青春ソングは変わってきますが、自分が10代から20代前半の頃に流行って聞いていた曲などを大人になってから聞くと、「昔はこんなこともあったなぁ」「この曲が流行ったころは自分も弾けてたなぁ」などと自分の青春時代を思い返して懐かしい気持ちになったときに、ノスタルジーに浸ることが多いです。
歌や音楽、映像や香りなどは五感を介して脳に働きかけ、さまざまな気持ちを呼び起こします。
「白黒アニメ映画を観るとノスタルジーを感じる」
この例文は現在と過去の変化を見比べたとき、昔のものに懐かしさを感じるという意味でノスタルジーが使われています。
現在はカラーになったテレビドラマやTVアニメも、昔の作品は白黒で放送されていました。
白黒のアニメ映画は今ではなかなか見ることがないですが、当時はそれでも画期的な作品だったのではないでしょうか。
この例文では『白黒アニメ=古い作品』という解釈ができ、時の流れを感じるのでノスタルジーを感じると表現できます。
「卒業アルバムを開くたびにノスタルジーを覚える」
この例文では過ぎ去った時間を懐かしむ気持ちという意味でノスタルジーが使われています。
大人になれば、毎日会社と自宅の往復だという人も少なくありません。
そんな忙しい毎日を送っている人が休みの日にふと卒業アルバムを開くと、昔の楽しかったことが思い出され、当時のキラキラした日々と現在の日々との違いに落胆してしまうことも。
また、「あの頃はよかったな」などと純粋に当時のことを思い出して、ノスタルジーを感じる人たちもいます。
「あの歌手のノスタルジックな曲が好き」
この例文では形容詞のノスタルジックが使われています。
ここで使われるノスタルジックは、故郷や昔を彷彿させるという意味です。
自分の時代の歌手ではなく、今流行っている歌手が作曲する曲でも、歌詞やメロディーによってノスタルジックな気持ちになる人もいるでしょう。
なんとなく昔どこかで聞いたことがあるようなメロディーが使われていたりすると、よく知らない曲でもノスタルジックな気持ちになることもあります。
ノスタルジーの使い方【ビジネス編】
ノスタルジーとビジネスはあまり関係ないように思えますが、ノスタルジーはビジネスシーンでも使われることがあります。
ここでは、ビジネスシーンにおけるノスタルジーの使い方を紹介します。
「ノスタルジーマーケティング」
ビジネスシーンでは、ノスタルジーマーケティングという言葉があります。
これはマーケティング戦略のひとつで、「人はノスタルジーを感じると購買意欲が増す」という理論に基づいたマーケティング方法です。
たとえばある企業の人気商品のシリーズを復刻版としてシリーズ開始時のデザインを使うと、懐かしさに惹かれて買う人が増えるというノスタルジー効果が期待できます。
「ノスタルジー消費」
ノスタルジー消費とは、懐かしさにつられて商品を購入するという消費行動です。
年を重ねるほどに過ぎ去った時間を思い返し、どこか懐かしい物を買ってしまうようになります。
10代の若者はノスタルジー消費はしないかもしれませんが、40代を過ぎれば、自分の若き青春時代を思い出し、ノスタルジー消費をするようになるでしょう。
ノスタルジーな想いはみんなの心にあり、懐かしさ・儚さを表す言葉
心理学でもノスタルジーは非常に重要な役割を担っていると研究されています。
アメリカの社会学者が、ノスタルジーという言葉が「温かい」「古き良き時代」などの肯定的なイメージを連想させる言葉だと気付きました。
ノスタルジーな想いが心にあることで、人間関係の強化になったり、自尊心を高めることに繋がります。
この記事で紹介してきた情報や例文を参考に、懐かしさや儚さを表す言葉「ノスタルジー」をぜひ使ってみてくださいね!