虚言症とは?嘘をつく人の6つの特徴と原因・治し方を解説
つい嘘をついてしまったという経験は、誰にでもあるものです。
しかし、すぐにバレて謝ったり、それを教訓にもう嘘をつくのはやめようと思う人も多いでしょう。
そんな嘘について「虚言症」と呼ばれる人たちがいるのはご存じですか?
まるで病気の症状かのように扱われるこの「虚言症」とは、どのようなものなのでしょうか。
今回は虚言症についてと、なってしまう原因・なりやすい人の特徴について紹介します。
虚言症とは
虚言症とは、どうしても嘘をついてしまう人を指す用語で虚言癖とも呼ばれます。
誰でも小さな嘘、やむをえない嘘をついた経験はあるでしょう。
しかし虚言症の場合、大きな嘘でも意識的あるいは空想的についてしまい、トラブルを招くことも少なくありません。
虚言症の裏には「パーソナリティ障害」との関係性がある可能性も考えられています。
そのため、嘘をつくのがやめられない・自分が虚言症の自覚がない場合、もしくは日常生活に支障をきたしているのであれば、精神科・心療内科など専門医のカウンセリングが必要です。
虚言症になる原因
なぜ、虚言症と呼ばれるほど大きな嘘をつく癖がついてしまうのでしょうか。
その原因や主な背景を解説します。
過ちや失敗を隠したいから
ミスや失敗をすると、怒られたくなくてつい嘘をついてしまうこともあります。
この場合の嘘はすぐにバレ、結局明るみに出ることに。
しかし虚言症になると、それをわかっていても毎回隠したり他人のせいにしたりと、嘘をつきながら逃げようとします。
その場しのぎの嘘は、つじつま合わせが必要になりさらに嘘を塗り重ねなければなりません。
結果、他人に迷惑をかけるだけでなく自分の信用も無くす、とても危険な行為です。
周りに構って欲しいから
承認欲求の強さが、虚言症を生んでいる可能性があります。
大きな嘘であるほど、周りが自分に注目してくれると思っているいわゆる「かまってちゃん」タイプがこれにあたるでしょう。
また「演技性パーソナリティ障害」との関係性があるともされています。
このタイプは、周りの気を引くためなら、どんどん話を作り出していきその結果、現実離れした話が出来上がってしまい後に引けなくなってしまうことも。
自分でも「この話はありえないだろう」と思いつつも、人からの注目度を優先してしまうのです。
全ての人に好かれたいから
いわゆる「八方美人」を、嘘によって作り上げてしまうタイプです。
人に嫌われたくない・好かれたい心理から、全てを相手が喜ぶ返答に変えてしまい、結果的に嘘をついている状態になることも。
しかしこれは、必ずしも悪いとは限りません。
状況によってはコミュニケーションスキルとなり得るので、使いどころや度合いを間違えないように取り入れるのはおすすめです。
自尊心を満たしたいから
自尊心を満たすために、嘘をつき続けるケースもあります。
嘘でも、自分を大きく見せれば周りは尊敬してくれるといった思い込みがあるため、話を盛りやすい傾向も。
完全な嘘ではなくても「(遠い)知り合いに、有名俳優の〇〇がいる」といったように、「空想虚言」に該当するような誇張が度々みられます。
結局深く突っ込まれればバレる嘘でも、一瞬でも自尊心を満たすために嘘がやめられなくなってしまうのです。
自分の利益や保身が大切だから
「自分が良ければそれでいい」と、考える人は自分が優位になるような嘘を平気でつきます。
嘘によってでも自分に利益があれば、他者がどのような影響を被ろうが関係ないと考えてしまうのです。
これは他者への共感性が低いことが原因のひとつであり、コミュニケーションが苦手な人に起きがちです。
この嘘には完全な悪意がある虚言性のため、巻き込まれないよう気を付けなければいけません。
虚言症に共通する6つの特徴
虚言症の人には、共通した特徴がみられます。
ここではその中でも、とくに多いとされる特徴について解説します。
プライドが高い
虚言症の人の中には、尋常じゃなくプライドが高い人もいます。
常に自分が一番に立ち、他の人を下に見たいがためにさまざまな嘘を積み重ねるケースが多いのです。
少しでも疑問をぶつけたものなら、機嫌が悪くなり憤慨する場合も。
虚言症がある以前に、人として付き合いにくいタイプが多いです。
損得勘定が強い
物事を損得でしか考えられない人も、虚言症になりやすいです。
もちろん得なほうを取りたいがために、人を蹴落とすような嘘も平気でついてしまいます。
その結果自分に利益が入るのであれば、後ろめたさも感じません。
最終的に信用を失い、孤立するタイプであるといえるでしょう。
寂しがり
寂しさを埋めるために、嘘をつき続けてしまう人もいます。
嘘をついてでも自分に注目を集めれば、かまってくれる人がいるためどんどん嘘を重ねてしまうタイプです。
この場合、元々人間関係の構築が苦手だったり、幼少期に親の愛情不足で過ごしていたりした背景を持つ人が多くなっています。
また、自分や他者が病気であることを捏造する「虚偽性障害」にもなりやすく、周りの同情から愛情を感じることを目的とする場合もあるのです。
自己中心的
自己中心的な人も、虚言症になりやすいタイプです。
自分がルールだと思っているため、たとえ嘘をついても周りが合わせてくれればそれが真実になるものだと思っています。
わがままが生んだ嘘には次第に誰もついてこなくなりますが、自分に合わせない周りが悪いと思い、また新しい場所でも嘘をつき続ける人も多いでしょう。
目立ちたがり
自分が目立つことに、快感を覚えるタイプです。
承認欲求が強く、嘘をついてでも賛美を得て優越感を得たいと考えています。
また、自分より他の人が目立つことを嫌がり、さらに注目を浴びるために嘘がどんどん大きくなる傾向も。
一時的に気を引くための嘘が多いため、最終的に自分が何を言ってきたかつじつまが合わなくなり、自爆してしまうケースも多いでしょう。
嘘を悪いと思っていない
道徳感情が欠けており、人に迷惑をかけたり傷つけたりする嘘を悪いことだと思っていないケースもあります。
自分がついた嘘で、他の人がどう思うかを考えられないため、嘘による弊害をなんとも思っていないのです。
「パーソナリティ障害」の特徴であるともいえますが、本人に悪意がないため改善させるのが難しいタイプです。
虚言症の治し方
虚言症は、治したいという気持ちをもち、改善するための対策方法を用いれば治療できます。
ここでは、具体的な治療法や対処法について解説します。
自分が虚言症であると自覚する
まずは自分が頻繁に嘘をつく、虚言症であると自覚することが大切です。
ほとんどの場合は意識的に嘘をついているケースが多いですが、中には無意識のうちに嘘が口から出てしまうタイプの人もいます。
人から指摘されたことがある人はもちろん、自分の言動に不安を感じる人は「もしかしたら虚言症かも」ということを頭に入れてセルフチェックをしてみましょう。
思い切って、周りの人に自分は嘘をついていることが多いかを聞いてみるのもひとつの手段です。
なぜ嘘をついてしまうかを考える
なぜ自分が、嘘をついてしまうのかを考えましょう。
目立ちたい・かまってほしい・見栄を張りたいなど、必ず嘘をつく理由がどこかにあるはずです。
嘘をつく切っ掛けやパターンがわかれば、その気持ちや欲望を嘘以外で解消する方法も見えてきます。
原因を見つけて対策を立てることが、改善への近道です。
嘘は人に迷惑をかけることを知る
嘘は、周りの人にも大きな影響を与える可能性があります。
ときには、その人の人生に関わるような場合があり得ることをしっかり考えましょう。
自分さえよければいい・他人は関係ないと考えるタイプの人には難しいかもしれません。
ですが、虚言症を治すにはそうした自分の価値観から見直す必要があります。
自分が相手の立場に立ったとき、嘘による影響を受けたらどう思うかをしっかり考えましょう。
嘘は必ずバレると自覚する
ほとんどの嘘はいずれバレます。
バレなかったとしても、一度ついた嘘は取り消せずに思わぬところからトラブルが勃発する可能性もあるのです。
そうなった際に残るのは「この人は嘘つきで信用できない」という、ネガティブな評価のみ。
さらにこうした評価は、周りにもすぐに広まってしまいます。
嘘をつくことは、ときに大きな代償をもたらすことを自覚しましょう。
自己肯定感を高める
虚言症の裏には、自己肯定感の低さや劣等感が関係している可能性があります。
自分に自信がないからこそ、作り上げた嘘で自分自身を守っているタイプです。
これはある意味自己防衛でもあり、その解決策はもっと自分に自信をもつことです。
いつかバレる嘘よりも、自分が努力によって積み重ねる成功例を増やし、ありのままの自分を好きになれるよう自己改革していきましょう。
精神科・心療内科でカウンセリングを受ける
自分が虚言症だと知ったものの、どう対処していいかわからない、どうしても嘘をつくのがやめられないといった場合はカウンセリングを受けましょう。
対応してくれるのは、精神科・心療内科になります。
とくに嘘をつく性格を真剣に治したいと思ったのなら、専門医に診てもらい自分の心の状態を知ることが大切です。
自分だけでどうにかしようとすると、気持ちが疲れてしまい精神状態が悪くなってしまう恐れがあります。
虚言症は嘘をついている自覚がない場合もある!自分の心と向き合い改善に向けてケアをしていこう
虚言症は、人に迷惑をかける可能性もある危険な行動です。
意識的にも無意識的にも、トラブルを招くような嘘は絶対についてはいけません。
虚言症の裏には、原因となる心の病が隠れている場合もあります。
嘘をついてしまう原因を探り、しっかりと向き合うことで嘘をついてしまう自分を改善していきましょう。
- 虚言症は大きな嘘も平気でついてしまう人を指す
- 背景には精神的な疾患が隠れている可能性あり
- 虚言症の人には共通した特徴がみられる
- 虚言症はセルフケアやカウンセリングで治療できる