90年代を一世風靡した『コギャル』時代を彩る特徴からコギャル用語を解説
90年代日本におけるブームといえばさまざまなものがありますが、そのうちの一つに「コギャル」があります。
コギャルといえば、派手で明るいファッションスタイルが特徴的で、まさに90年代を象徴するもの…といっても過言ではないでしょう。
しかし、そんなコギャルがまた最近注目されだしたのです。
映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」では今は大人になった女性たちがコギャル時代だった頃を思い返す楽しくも切ない、熱い彼女たちが映し出されていました。
また、YouTubeで仲里依紗さんがギャルメイクを披露したり、水原希子さんが渋谷ギャルモデルに扮したりと、何かと『コギャル』が話題にあげられているのです。
そこで今回の記事では、そんなコギャルについて詳しく解説しながら、今となってはなつかしさあふれるコギャル用語を紹介していきます。
Contents
コギャル(子ギャル)って?
「コギャル(子ギャル)」とは、90年代に一世風靡した若者のファッションスタイルの一つ、もしくはそのファッションをまとっている若い女子中高生たちのことをいいます。
ストリートファッションやサーファーファッション、LAギャルファッションのような明るくカジュアルなテイストが特徴的で、髪型やメイクも全体的に派手なものが目立ちました。
コギャルの中でカリスマ的存在は、その頃大ブレイク中だった安室奈美恵さん。
安室さんのファッションを真似する人は、当時は「アムラー」と呼ばれ、コギャルという言葉とともに一大ブームとなりました。
その勢いはまさに社会現象ともいわれるほどで、若者の聖地である東京・渋谷を中心に、すさまじい旋風を引き起こしていました。
ちなみにコギャルという言葉の由来には諸説あります。
- 派手な成人女性と区別するための「子ギャル(小ギャル)」
- 「格好だけはギャル」を略して「コギャル」(ギャルの格好はしているが中身は未成年の子供)
- 高校生ギャルを略して「コギャル」
などの説があるといわれていて、コギャルという言葉はどこから来たのか実は定かではないのです。
いずれにしても、本来は若い女性たちのことを指すギャルという言葉に対して、より若い10代のギャルファッションの女性を表す言葉としてコギャルは浸透していきました。
また、コギャルファッションは世界でも注目され日本ではコギャルブームが去った後にSNSに公開されたコギャルファッションを見た海外の女の子たちが真似をするようになったのです。
コギャルパワーは世界レベルだったのですね!
90年代を風靡したコギャルの5つの特徴
では次に、90年代を象徴する文化の一つであるコギャルの特徴を細かく見ていきましょう。
ガングロ
コギャルといえば、いわゆるガングロな肌が特徴的です。
ガングロとは「とても肌の色が黒い」という意味で、コギャルファッションに身を包んでいた当時の女子高生たちは、こんがりと焼けた小麦色の肌をしていました。
それだけ肌が黒いのは、日焼けサロンに足しげく通っているからです。
その後コギャル文化も多様化し、美白を命とする「白ギャル」も生まれますが、当時のコギャルにとってガングロを保つことは非常に大きなステータスだったのです。
ギャル雑誌「egg」には、ガングロギャルのモデルたちが当時のカリスマとして登場していました。
明るいカラーに派手なメイク
ギャルカルチャーを一言でいうと、とにかく「派手」の一言に尽きます。
原色や蛍光色をベースとした派手カラーのファッションアイテムが中心となっており、ラメなどの装飾が多いのも特徴的でした。
また、コギャルのメイクも非常に派手なものが多く、後に主流となるナチュラルメイクとはまさに対照的といえるでしょう。
つけまつげやカラーコンタクト、アイシャドウなどで目を「盛って」いるのが大きな特徴です。
もちろん髪色もとても派手で、金髪や明るい茶髪、派手な色のメッシュなどが当時流行していました。
露出多めファッション
コギャル達のファッションは基本的に肌の露出が多めです。
ミニスカートやショートパンツ、タイトなTシャツやタンクトップなどがギャル系ファッションとして当時は中心になっていました。
特にコギャルの女子高生にとって、下着が見えるくらい短くした制服のスカートとルーズソックスを履きこなすのが当時のトレンドだったのです。
厚底シューズ
当時のコギャルに人気だったのは、厚底のブーツやサンダル、スニーカーでした。
10センチ以上の高いソールが特徴的で、多少歩きにくくても、当時は厚底シューズを履きこなしてこそコギャルといわれていたのです。
人気ブランドはココルル
ギャル文化を象徴するブランドといえば、ココルルが絶大な人気を誇っていました。
カラフルで派手なロゴが特徴的で、若者らしいポップなファッションアイテムを扱うブランドです。
ちなみに、ココルルのロゴがお尻部分に入ったジーンズは当時「ケツルル」の愛称で親しまれており、コギャルといえばケツルル…ともいえるくらい高い人気を集めていました。
また、アルバローザ通称「アルバ」もコギャルから絶大な支持があり、アルバのコートにアルバのショップ袋も鉄板ファッションの一部だったのです。
コギャル用語は死語?言葉&意味5選
ギャル用語はコギャル世代にとってなつかしの言葉ですが、世代ではない人からしてみれば、正直何をいっているのか全く理解できない言葉も多いかもしれません。
ではここからは、そんなギャル用語の一部を紹介していくので、意味をチェックしてみましょう。
チョベリバ
チョベリバとは、「最悪」や「最低」を意味します。
語源は「超ベリーバッド」で、略してチョベリバという言葉になり当時流行しました。
同じ要領の言葉として「チョベリグ」がありますが、これは「超ベリーグッド」のことで、つまりは「最高」ということですね。
ただ流行語として勢いがあったのはチョベリバの方になります。
なぜかというと、当時の大ヒットドラマ「ロングバケーション」で、主演の木村拓哉さんがドラマ内でチョベリバという言葉を口にしたからです。
これがチョベリバブームの発端で、若者を中心にチョベリバは大流行したのです。
MK5
MK5とは、「マジでキレる5秒前」のことです。
マジで(M)キレる(K)5秒前(5)ということで、要するにめちゃくちゃ怒っていること、不快に感じている心理状態を示す当時の流行語になります。
語源になったのは広末涼子さんの曲「MajiでKoiする5秒前」。
これをもじったことで、MK5という言葉が当時生まれました。
チョズク
チョズクとは、「調子に乗っていること」を意味します。
調子づいていること、これを略してチョズク。
主に周りにいる調子に乗っている人を悪くいう言葉として、チョズクという言葉は当時よく使われていました。
とりま
とりまとは、「とりあえず、まあ」という意味です。
「とりま、ご飯行こう」「とりま、10時集合で」的な使い方をされます。
流行したのは90年代後半~2000年代前半頃で、こちらもギャル用語だったといわれています。
オール
オールは今でも意外と使われることは多いですが、「徹夜して寝ないこと」を意味します。
夜通し遊んだり一夜漬けしてテスト勉強したりするときなどに「今日はオールで」とよく使われていました。
令和になってからのギャル文化はどうなった?
コギャルが流行した当時は、ポケベルから携帯電話が浸透するようになり大流行したり、たまごっちが品薄になるくらいブームになったりなど、さまざまな文化が話題となりましたね。
令和の世となった現代では、携帯電話はスマートフォンになり、たまごっちのような携帯できるゲームはさまざまなものが発売されています。
では、平成から令和になったことで、ギャル文化はどのように変化したのでしょうか?
令和ギャルの特徴をピックアップします。
アイメイクは「まつエク」
派手なアイメイクが特徴的だったコギャル。
当時はまつげを盛るテクニックとして、つけまつげがよく使用されていました。
現代でもつけまつげを使う人はいますが、どちらかというと主流となっているのはまつエク(まつげエクステ)になります。
まつげエクステの方がナチュラルに仕上がること、毎回まつげをつける必要がないことなどが、ブームが移った影響といえるでしょう。
落ち着いたファッション
現代の若い女性にとってトレンドとなっているのは、ギャルファッションというよりは清楚系の落ち着いたファッションです。
ベージュやホワイト、ブラウンなどのアースカラーを中心としたシンプルよりの服が多く、肌の露出もあまり激しくありません。
ミニスカートやショートパンツを履いている若い世代も、当時と比べるとやはり少なくなりましたよね。
とはいえ、厚底ブーツやサンダルは令和ギャルたちにとってもマストアイテムなのは変わりありません。
ハイトーンヘア
ファッショントレンドは繰り返すもので、最近は当時のコギャルを彷彿とさせるようなハイトーンヘアが流行しているといいます。
白髪に近いようなハイトーンカラーで髪を染め上げ、透明感を出すのが令和ギャルたちのポイントです。
コギャル時代のアルバムジャケットを匂わすファッションが再ブーム!
最近はコギャル時代を思い出させてくれるようなファッションが、少しずつトレンドになってきているといいます。
歴史は繰り返すという言葉があるように、人の文化も似たようなものが何年かの周期でトレンドになり、進化や発展を遂げていくのかもしれませんね。
ギャル文化を彷彿とさせるデザインを見てノスタルジーを感じる人たちもいれば、コギャル世代ではないからこそ新鮮に感じる人たちもいるでしょう。
時代の移り変わりやファッション文化の発展に触れながら、再来しつつあるギャル文化を楽しんでみましょう。
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