「厚かましい」の意味や類語・使い方&「図々しい」との違いを解説!
プライベートやビジネスシーンで、「厚かましい」という言葉を聞いたことがある人は、多いのではないでしょうか。
しかし、中には言葉の意味をなんとなくで認識していて、使い方を間違えている人もいるかもしれません。
そこで今回の記事では、「厚かましい」の意味や類語・使い方を解説します。
また、「厚かましい」とよく似た言葉の「図々しい」との違いも紹介するので、ぜひ正しく活用するために参考にしてください。
Contents
「厚かましい」の意味とは
「厚かましい」とは、言動に恥じることなく慎みがない、遠慮がない様子を意味する敬語表現です。
「厚かましい」は、「厚い」と「かましい」という2つの日本語から成り立っていて、それぞれ以下のような意味があります。
厚い・・・「他人への関わり方が深い」
かましい・・・「~の傾向がある」
この2つの用語の意味が合わさり、行動や態度に謙虚さが含まれていない様子を表す言葉が「厚かましい」です。
一般的にポジティブな意味合いで使われる言葉ではありません。
また、「厚かましい」はビジネス敬語としても浸透しています。
上司や取引先など、目上の相手に頼みごとをするシーンでは、「お手数をお掛けしてしまいますが」というニュアンスで、「厚かましいお願いではございますが」と前置きに使われることが多いです。
「厚かましい」の類語一覧
「厚かましい」の類語表現には、以下のような言葉があります。
- おこがましい:自分の立場を理解していない様子、差し出がましいこと
- 鉄面皮:図々しく恥を知らない言葉や態度のこと
- 馴れ馴れしい:無礼な態度、失礼な態度のこと
- 図太い:ちょっとやそっとのことでは動じない、神経が太い様子のこと
- 面の皮が厚い:図々しい、厚かましい様子のこと
「厚かましい」の使い方
続いて、「厚かましい」の使い方をチェックしていきましょう。
言い回し
「厚かましい」の言い回しとしては、以下のような例が挙げられます。
- 厚かましいお願いですが~
- 厚かましいとは存じますが~
- 誠に厚かましいお願いとは存じますが~
- 厚かましいお願いにも関わらず~
- 厚かましいにもほどがある
例文
「厚かましい」を使った例文は、以下を参考にしてみてください。
「厚かましいとは存じておりますが、私の意見を述べさせていただきます。」
「このような形の厚かましいお願いにも関わらず、快く引き受けていただき、誠にありがとうございます。」
「平気で人のものを借りていくなんて、厚かましいにもほどがある。」
「こっちの都合関係なくメールや電話の返事を催促する、厚かましいあの人の世話をさせられて、いい迷惑だ。」
「彼女は厚かましい態度で知られている。」
「厚かましい」と「図々しい」の違い
「厚かましい」と「図々しい」は、同じ意味合いの類語として多くの人に認識されていますが、どんな違いがあるのか気になりますよね。
それぞれの言葉の意味は、以下の通りです。
- 厚かましい:行動や態度に慎みがない様子
- 図々しい :他人の迷惑を考えずに自分本位に振る舞う様子
厚かましいは「恥ずかしいと思う気持ちがない」のに対し、図々しいは「人の気持ちを考えない」という意味合いに違いがあります。
また、厚かましいよりも図々しいのほうが、フランクな表現の言葉です。
厚かましいは主にビジネスシーンで、図々しいは基本的にプライベートの気兼ねない間柄の中で使われることが多いです。
「厚かましい」の英語表現
「厚かましい」の英語表現は、以下のような単語が挙げられます。
- imprudent(厚かましい)
- nervy(厚かましい)
- shameless(恥知らずの)
- cheeky(図々しい)
- pushy(押しの強い)
例文は以下のとおりです。
- What a nerve!「なんと厚かましい!」
- What impudence! 「厚かましいにもほどがある!」
- She is such an imprudent man. 「彼は厚かましい女だ。」
友達・同僚・ママ友…身近にいる厚かましい人の特徴
男性・女性問わず、厚かましい人って意外と近くにいるものですよね。
最後に、友達や同僚、ママ友など、身近に存在する厚かましい人の特徴を紹介します。
当てはまる人がいないかチェックしてみてください。
自己中心的な考えをしている
厚かましい人は自分のことが大好きで、自己中心的な考えをしていることが特徴です。
自分さえよければいいという考えのもと、さまざまな言動を繰り出します。
基本的に自分自身が得をすることしか考えていないので、損をしそうであれば誰よりも早く立ち去ります。
自分がしたことを他人から指摘されようものなら激しく反発し、相手を言い負かそうするので厄介です。
自己中心的な心理をもつ厚かましい人には、何を言っても通じないことが多く、周囲の人にとっては敬遠される存在です。
両親に甘やかされて育った
厚かましい人の中には、両親に甘やかされて育った人が多いです。
そういった環境で育った人は、成長しても自分の思い通りに物事が進むと思い込む傾向があります。
また、自分に不都合なことがあれば、誰かに押し付けることもしばしば…。
ちやほやされたり、言うことなすこと褒められたりして、何をしても甘やかされて幼少期を過ごしたからこそ、厚かましい人格が成形された可能性大です。
小さい子どものわがままや無邪気さは、まだ可愛いと思える部分はありますが、大人になっても続けていると、厚かましい以外の何物でもないことに本人は気づくことはありません。
何かしてもらってもお返しはしない
他人に何かしてもらってもお返しをしないことも、厚かましい人の特徴です。
厚かましい人は人からプレゼントされたり、親切な対応をしてもらったりしても、当たり前のことと認識している場合が多いです。
当然感謝の気持ちもなく、「お礼に何かお返ししよう」ということ自体思い浮かびません。
厚かましい人に見返りを求めても、無駄な行為に終わる可能性大です。
人の物が欲しくなる
厚かましい人は、他人が持っている物を欲しがる傾向にあります。
「隣の芝は青い」という言葉があるように、人の物が素敵に見えることは誰にでもあることですが、厚かましい人はその気持ちをオープンにします。
人の物が欲しくなったら躊躇なく、「欲しくなっちゃったからちょうだい」と要求するのです。
たとえ人が持っている物が欲しくなったとしても、情報を聞いて自分で買うか、間違っても本人に求めることはしないのが一般的です。
その一般概念をあっさり覆すからこそ、厚かましい人と呼ばれる所以なのでしょう。
初対面でも馴れ馴れしい
初対面でも馴れ馴れしく接することも、厚かましい人の特徴の1つです。
厚かましい人は人見知りをすることなく、距離感が最初から近い傾向にあります。
そんなに親しくない人でも、「奢ってくださいよ~」「疲れたから送ってもらえますか?」などと平然として頼みごとをします。
たとえ一度断られても、「えー…いいじゃないですか!優しくしてくださいよぉ!」となかなか引き下がりません。
初対面でも馴れ馴れしく自分の要求を貫き通そうとする姿は、まさに厚かましいという言葉がぴったりです。
「厚かましい」を使った言い回しはプライベート&ビジネスシーンで役立つ!
厚かましいとは、恥じることなく遠慮しない様子を表す言葉です。
普段多用する言葉ではありませんが、厚かましいを使った言い回しはプライベートやビジネスシーンで役に立ちます。
とくにビジネスシーンで無理なお願いをしなければいけないとき、「厚かましいお願いで恐縮ではございますが」と前置きに用いると、相手に配慮した言い回しとなります。
今回の記事や辞書などを参考に、厚かましいの意味や使い方を理解して、日常のあらゆるシーンで使いこなしてみましょう。