「ギブアンドテイク」の意味とは?4種類のギブアンドテイクの特徴&心理
「ギブアンドテイク」というと、平等・公平のイメージが強い言葉ではないでしょうか。
この精神を持つことは、人間関係や経済活動を円滑にする可能性を秘めています。
今回の記事では、相手との関係性によって異なるギブアンドテイクの特徴や、ギブアンドテイクによるポジティブ・ネガティブな心理状態、心がけるべきポイントを解説していきます。
ギブアンドテイクのベストなあり方を理解し実践することで、より人生が豊かになりますので、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。
Contents
ギブアンドテイクとは
「ギブアンドテイク(与える&受け取る)」という言葉は、あらゆる場面で使うことがありますが、具体的な意味を理解している人は少ないかもしれません。
ここでは、ギブアンドテイクという言葉の意味や類語について紹介していきます。
言葉の意味
ギブアンドテイクを英語表記にすると「Give and Take」ですが、日本語と英語では多少ニュアンスが異なります。
英語では一般的に、「持ちつ持たれつ」「公平なさま」「意見や情報のやり取り」などといった意味合いで使われることが多いでしょう。
日本語表現のギブアンドテイクは、ビジネスの場からプライベートまで、あらゆる人間関係において使われ、「何かを与えた代わりに何かをもらう」といった対等な互助関係を意味します。
ギブとテイクのバランスが同じようなイメージです。
一方、英語表現のギブアンドテイクは、日本語以上に与えることが重要視されており、見返りを求めて何かを与えるような計算高い考え方ではありません。
英語ではポジティブな意味合いなのに対し、日本語表現では損得勘定が見え隠れする分、マイナスイメージをもっている人も少なくないでしょう。
類語
「ギブアンドテイク」は、さまざまな人間関係の場で使われていますが、下記のように複数の類語があります。
- 持ちつ持たれつ
- 相互協力
- 相互扶助
- 助け合い
- 相利共生
- 共存共栄
どの用語も、お互いに与え合うことや、支え合うことに関連しており、互いにとって有意義な関係性を意味するポジティブな言葉が並びます。
関係性によって異なるギブアンドテイクの特徴
ギブアンドテイクは、相手との関係性によって特徴が異なります。
仕事上や恋愛上、その他あらゆる人間関係の構築において、ギブアンドテイクは活用されているのです。
ここでは、関係性によって異なるギブアンドテイクの形を解説していきます。
恋愛におけるギブアンドテイク
恋愛にこそ、ギブアンドテイクの重要性が潜んでいます。
恋愛において、「無償の愛が美しい」とされる考えもありますが、好きな相手から愛されたいと望まない恋愛はありません。
とはいえ「あなたを愛してるんだから、同じくらい愛情を返して」「君にこれだけ尽くしてるから、同じくらい尽くして」という恋愛心理では、それが叶わないと相手への気持ちが冷めてしまい、いずれ関係が破綻することになります。
ビジネスのように、契約や取引がある関係性とは異なり、恋愛は感情面だけで繋がっているため、損得や利害関係を追求しはじめると、恋愛関係は成り立ちません。
たとえば
「彼女の笑顔が見たくて花束をプレゼントしたら、最高の笑顔で喜んでくれた」
というシーンは、代表的な恋愛におけるギブアンドテイクの例です。
また
「仕事が忙しい彼氏の体を労わり、バランスの良い食事を用意したら、彼氏から感謝され翌日も元気に仕事に向かった…」
これもギブアンドテイクの代表例です。
このように、恋愛においてのギブアンドテイクは、2人が良好な関係を維持するのに最適といえるでしょう。
仕事におけるギブアンドテイク
お金を支払って商品やサービスを得ることもギブアンドテイクですが、双方にとって有益な関係性を築くためにも役立つのが、ギブアンドテイクを使用したコミュニケーションです。
ビジネス上のギブアンドテイクについて研究をした組織心理学者アダム・グラント氏は、仕事における人の行動を分析し、3つのタイプに分けました。
- 何よりも自分の利益を優先する人 「テイカー」
- 惜しみなく人に与える人 「ギバー」
- 上記の中間で利害や損得を考える人「マッチャー」
そして、それぞれが得る評価やポジションについて調査したのです。
その結果、生産性や給料がもっとも高かったのは、他者志向の「ギバー」であり、惜しみなく与える人だからこそ、高い評価や成果を得られるという結論に至りました。
実際にビジネスでの成功者の多くが「ギバー」であり、仕事において利他的に振る舞うことで人脈が広がり、ビジネスのチャンスが増えます。
必然的に与えた以上のものが返ってくるというわけです。
友情におけるギブアンドテイク
友人関係は他の人間関係に比べ、平等な関係性だからこそ純粋な助け合いが生まれやすく、この繰り返しでギブアンドテイクの精神が身につくといっても過言ではありません。
ギブアンドテイクを意味する「助け合い」の精神は、幼少時代から学んできたことであり、私たちは、あらゆる場面で無意識にギブアンドテイクをおこなっています。
たとえば、学生時代のノートの貸し借りや、誕生日のお祝いをしてもらったお返しに何かプレゼントをするといった行為は、多くの人が当然のようにしてきているはずです。
また、社会人になって友人主催の飲み会に誘われたから、自分主催の飲み会にも誘うなど、無意識にギブアンドテイクが成り立っているわけです。
このように、「与えられたら返す」といった行動は、幼少時代による「助け合いの精神」から身についたものといえるでしょう。
家族間におけるギブアンドテイク
「家族間にギブアンドテイクなんてある?」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
たとえ夫婦間や親子間でも、ギブアンドテイクは存在します。
たとえば、夫が働いて家族を養う場合、妻は家事をこなし家族の健康を守るという家庭の在り方もギブアンドテイクの1つです。
また、親が子供に衣食住を与え、教育をするのに対し、子供は元気にすくすくと成長することで親を安心させます。
これも立派なギブアンドテイクなのです。
日頃、意識する機会は少ないかもしれませんが、家族間もギブアンドテイクが成立している場面は多々あります。
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ギブアンドテイクのポジティブな心理状態
はじめから「相手に与えたい」「何かしてあげたい」という純粋な気持ちの人は、その時点でポジティブな思考の持ち主です。
人はポジティブでいると、物事が望む結果になる可能性が高まります。
ここでは、ギブアンドテイクによるポジティブな3つの心理状態を紹介していきます。
相手のために行動することが嬉しい
ギブアンドテイクによるポジティブな感情として、相手のために行動すること自体が嬉しいという心理状態が挙げられます。
わかりやすい例でいうと、親子の関係でしょう。
親は子供から何かもらうために愛情を注ぐわけではありません。
好きな人ができたら尽くしたくなる人も、だいたいこの心理傾向があります。
相手の喜ぶ顔を見ること、さらに与えることそのものに喜びを感じている場合は、ポジティブな心理状態であるケースが多いでしょう。
もらったときに心から感謝する
相手から与えられたときの喜びが大きく、受け取る際に心から感謝する気持ちがあるのも、ギブアンドテイクによるポジティブな心理状態といえます。
見返りを期待していないからこそ、相手からのギフトに驚きながらもありがたいと思えるのです。
物や行動、言葉…些細なことにも感謝の念を抱く人は素敵ですよね。
このように、何かを返してもらうことを考えずに与えている人が、想定外に何かをもらったときには、感謝の気持ちが大きく、ポジティブなギブアンドテイクが成り立つのです。
ウィンウィン的な思考
双方に得がある関係性を表現する「ウィンウィン的な思考」も、ギブアンドテイクによくあるポジティブな心理状態です。
ウィンウィン的な思考の持ち主に、自分だけが得をしようなんて考えは一切ありません。
とくにビジネスシーンでお互いがこの心理だと、良好な関係が構築できます。
利益を得られるかどうかは相手次第という他力本願とは異なり、双方の企業や、お互いに利益が生じることが前提なので、ポジティブなギブアンドテイクが成立します。
ギブアンドテイクのネガティブな心理状態
人は、望むようなギブアンドテイクが実現しないときに、気持ちが沈んでしまうことや、期待外れで怒りがこみ上げてしまうことがあります。
ここでは、ギブアンドテイクによるネガティブな3つの心理状態を見ていきましょう。
与えてばかりで疲れる
人に与えてばかりで心が疲れている状態は、ギブアンドテイクによるネガティブな心理状態に陥っているかもしれません。
見返りを求めず、与え続ける人が最終的に幸福を得るという見解もありますが、現実問題、与えてばかりいても、自分が幸せになれる兆しがなければ、たいていの人は疲れるものです。
心が疲れている状態で無理して与え続けていても、悪循環になりかねません。
与えることに疲れたときは、無理をせず、自分のために時間を使うことが大切です。
与えた分返してほしい
与えた分返してほしいという思考も、ギブアンドテイクのネガティブな心理状態です。
見返りを得るために行動している、ということであれば、自分の欲を満たすことが目的となっています。
たとえば、恋人同士にありがちな「尽くしている分、愛情表現をしてほしい」という欲は、尽くすことに喜びを感じているわけではなく、「愛されたい」が本音です。
また、「彼氏のお弁当作りや家事など身の回りの世話をし続ければ、その先にプロポーズがあるだろう」という願望も、「結婚」が本来の目的となっている状態です。
このように、与えた分返してほしいという心理は、欲深さや計算高さがあり、押しつけがましさすら感じます。
ネガティブなギブアンドテイクは、2人の関係を悪化させる原因になります。
ギブがなければもう与えない
ギブがなければもう与えないというギブアンドテイクの精神も、ネガティブな状態です。
競争の途中で昼寝をしてしまったウサギが、休まず進み続けたカメに負けたという「ウサギとカメ」の童話にもあるように、私たち日本人は努力をすれば最後は目的を達成できると教えられてきました。
しかし現実社会では、そうもいかないことがあります。
とくに対人関係となると、相手の気持ちが関わってきますし、いくら努力してもギブが得られないとなると、イラつくこともあるでしょう。
そうなれば、「もう与える必要がない」と結論付けてしまう場合もあるはずです。
このように、ギブがなければもう与えないという気持ちは、ネガティブな状況が生まれやすく、人間関係の悪化につながりかねません。
ギブアンドテイクで心がけるべきポイント
ギブアンドテイクで心がけるべきポイントは、見返りを求めず無償で与え続けることです。
人が何かを与えるときに、見返りを目的としていれば、行動や言葉の節々にそれが表れ、相手に伝わってしまいます。
また、純粋な親切心でなければ、見返りが得られないときにネガティブな感情に襲われるだけです。
最悪の場合、相手に幻滅されることもあるでしょう。
もらうことを待つのではなく自分から与え続けてこそ、相手に心から感謝され、予期せぬところで自分に返ってくるのです。
ギブアンドテイクの最大の効果を発揮するためには、見返りを求めず無償で与え続けることを意識しましょう。
「愛」をギブアンドテイクできるパートナーを見つけよう
恋愛は、お互いに愛を求め合うのではなく、与え合うことで成り立ちます。
自分は与えているだけなのに自然と返ってくる…
そんな関係が、恋愛におけるギブアンドテイクの理想ではないでしょうか。
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ギブアンドテイクは与えることの重要性が高い
ギブアンドテイクでとくに重要視することは、与えることに重きを置くことです。
はじめから損得勘定で相手に与えるのではなく、見返りを求めず与えてこそ、相手から感謝され、その繰り返しで人からの信頼も高まります。
そうしてできた人脈は、なにものにも代え難い価値があり、人からの感謝がいつか形になって返ってきます。
利他思考と思いやりを持って与えることこそ、結果的に自分の人脈や成功に繋がり、人生がさらに豊かで有意義になることでしょう。