「それな」の意味と使い方とは?「それなー」との違い&注意点を解説
SNSや会話でしばしば見聞きする「それな」という言葉は、返答や相槌としてよく使われる言葉です。
しかし、大人世代にとって「それな」はあまり馴染みのない言葉なので、「知ってはいるものの使いこなせていない」と感じている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、「それな」の正しい使い方や言い換え表現、使うときの注意点について解説していきます。
Contents
「それな」の意味とは
まずは、「それな」の意味や由来について詳しく見ていきましょう。
「それな」の意味
「それな」とは、相手の意見に同意あるいは共感のニュアンスで使われるスラングです。
「そうそう」「そうだよね」「その通りです」といった意味合いを含んでおり、相手の発言への相槌として使用されます。
LINEでのやり取りやくだけた談笑の場で使われることが多く、10代〜20代の世代を中心に広まった若者言葉の一種です。
「それな」の由来・元ネタ
「それな」の由来や元ネタには諸説あります。
有名大型掲示板で使われていたという説や、関西弁の「ほんまそれな」を略した説などが有力ですが、現時点でははっきりしたことはわかっていません。
ただ、広まりはじめたきっかけはXやLINE、InstagramといったSNSであり、他の若者言葉同様、ネットから日常へと浸透していった言い回しだといえそうです。
「それなー」との違い
「それな」と同じように使用されるフレーズとして、「それなー」があります。
一見同じ言葉のように感じますが、厳密には微妙なニュアンスの違いが存在します。
「それな」が同意や自分も知っていた(既知のこと)というニュアンスが含まれるのに対し、「それなー」は相手への共感の意味合いが強いです。
そのため、「〇〇したい」という提案には「それな」と返せば同意の意味になりますが、「それなー」と語尾を伸ばしてしまうと単なる共感にしかなりません。
とはいえ、感覚としては微妙な違いなので、人によって認識が異なる可能性もあります。
重要な約束を決める際は「それな」ではなく、「OK」「NO」のはっきりわかる言い回しに変えたほうがいいでしょう。
「それな」の3つの使い方
続いて、「それな」の具体的な使い方について例文とともに紹介していきます。
同意するときの使い方
「それな」は主に相手に同意するときに使います。
- 「推しの顔が良すぎる」「それな」
上記のように、相手の意見に「その通り」「自分もそう思う」といったニュアンスで使うことができます。
通常の同意や賛同よりも、やや前のめりで同意する意味合いが強いです。
普段よりも同意の気持ちを強調したいときは、「それな」で返答してみるといいでしょう。
肯定するときの使い方
同意と近い意味合いになりますが、「肯定」を示す際にも「それな」を使うことができます。
- 「次の授業まじだるい」「それな」
単純に相手の意見を肯定しているだけなので、そこで話が終了することが多いです。
その話題について盛り上がるというよりも、「うんうん」「そうだね」といったニュアンスに近いでしょう。
その場しのぎの使い方
その場しのぎの手段として、「それな」が使われることもあります。
- 「ちょっと最近遅刻が多すぎじゃない?」「それな」
この場合の「それな」は、「内心では反発したい気持ちが多少あるものの、反論すると面倒なのでとりあえず相手の話を肯定しておこう」という意味合いがあります。
話を早く終わらせるために、あえて相手の発言を肯定するのです。
「それな」の類語・言い換え表現
「それな」には、いくつかの類語表現・言い換え表現が存在します。
シーンや言いたいことに合わせて使い分ければ、より正しいニュアンスが相手に伝わりやすくなるかもしれません。
「ほんそれ」
「ほんそれ」とは「本当にそれな」を略した言葉です。
「それな」よりも、さらに強い同意を表すことができます。
普段の同意や同調は「それな」を使って、より心から同意したいときのみ「ほんそれ」を使うと効果的でしょう。
「わかりみ」
「わかりみ」は「わかる」を名詞化したフレーズであり、共感を表しています。
ほぼ「それな」と同じ意味合いのため、「わかりみ」「それな」を気分で使い分けてもいいでしょう。
また、より強い共感を表す言い回しとして「わかりみが深い」があります。
「一理ある」
「一理ある」とは、相手の意見に部分的に同意することを表す言い回しです。
すべてに完全同意というよりは、同意できるところもあるといったニュアンスで使われます。
「一理ある」自体はスラングではない通常の言い回しですが、「〇理」の部分を「百理」「千理」と言い換えることで、より強い同意を示す表現も存在します。
ただ、こちらの表現はあくまで造語なので、フランクな場でのみ使用するのがベターです。
「禿同」
「禿同」は「激しく同意する」を由来とするネットスラングです。
かつての大型掲示板『2ちゃんねる』で使用されていたものであり、現在はネットスラングの中でも死語に近いかもしれません。
「激しく同意」からわかるように、かなり強い同意を表すときに使います。
同じ意味を表すものとして、「禿どう」「ハゲド」「禿げ上がるほど同意」などの言い回しも存在します。
「それな」を使うときの注意点
気の利いたはずの言い回しでも、使うタイミングや場所を間違えると逆効果です。
最後に「それな」を使うときに、押さえておくべき注意点をチェックしておきましょう。
目上の人には使わない
「それな」はスラング的表現であり、非常にフランクな言い回しです。
そのため、目上の人相手や公の場で使用するのは避けましょう。
とくにビジネスシーンで取引先相手に使ったり、上司に使ったりしてしまうのはNGです。
意味が伝わりづらいだけでなく、TPOをわきまえない礼儀知らずな人だと思われてしまいます。
「それな」のニュアンスをよく理解し、使用する場や相手はよく考えることをおすすめします。
親しくても不快にさせる可能性がある
基本的に「それな」は親しい間柄やプライベートな場で使う限りは問題ありません。
しかし、親しい相手であっても、使うタイミングを間違うと不快にさせる可能性があるため注意が必要です。
例えば、相手が真剣な相談事を持ちかけているときに「それな」で返答してしまうと、真面目に聞いてないと思われてしまいます。
親しい相手であっても、「それな」を使うタイミングは厳選することが大事です。
「それな」は親しい人に対してのみ使おう
「それな」は、賛同や共感を伝えたいときに便利なスラングです。
「そうだね」「わかる」よりも力強くフランクに感情が伝わりやすいので、会話やSNSの中でも使いやすいでしょう。
しかし、「それな」はかなりカジュアルな言い回しであることを忘れてはいけません。
ビジネスシーンや目上の相手に使うには相応しくないフレーズなので、TPOをわきまえましょう。
適切なタイミング・適切なシーンを選んで、コミュニケーションのエッセンスとして「それな」を活用してくださいね。
- 「それな」とは、そう思う・その通りなど、相手の言葉への同意や共感を表すスラング
- 「それな」の主な使い方としては、同意・肯定・その場しのぎの返事の3つがある
- 「それな」は「ほんそれ」「わかりみ」「一理ある」といったフレーズで言い換えることができる
- 「それな」はかなりカジュアルな言い回しなので、使う相手やタイミングを間違えないよう注意しよう