自己顕示欲の意味とは?自己顕示欲が強い人の特徴・原因・対処法を解説
「あの人は自己顕示欲が強くて面倒」など、困った人を揶揄するとき自己顕示欲という言葉を使うことがあります。
なぜ、強すぎる自己顕示欲は本人や周りを振り回してしまうのでしょうか。
今回の記事では、「自己顕示欲が強い人」の特徴や原因・上手に付き合っていくための対処法について解説していきます。
自己顕示欲とは?
「自己顕示欲」とは、周囲から注目されたい、目立ちたいという欲求を意味します。
一般的に「自己顕示欲」はポジティブな意味で使われることはほぼありません。
目立ちたがり屋に、面倒な人というニュアンスを含むように、「自己顕示欲」も必要以上に注目されることを望む、自己肥大化した欲求といった意味合いを持っているからです。
もしも「自己顕示欲が強いね」と指摘されてしまったら、自分自身の振る舞いを反省したほうがよいかもしれません。
承認欲求と自己顕示欲の違い
「自己顕示欲」と似た言葉として「承認欲求」というものがあります。
どちらも自己主張が強そうなイメージですが、自己顕示欲が自己アピールを目的としているのに対し、「承認欲求」は他者から認められることを目的としているもの。
つまり、承認欲求は自分から動かずとも他人から素晴らしい人だと思われること、認められることを望む他力本願なニュアンスが強いといえます。
また、自己顕示欲は誰もが持つ承認欲求の一部でもあり、どちらも持ち合わせているタイプというのも少なくありません。
自己顕示欲が強い人の特徴
続いては、あなたの身近にもいるかもしれない「自己顕示欲が強い人」の特徴や行動パターンをみていきましょう。
自分の自慢話が多い
自己顕示欲が強い人は、とにかく自分の自慢話が多いです。
自慢話をすることで他人から注目を集めたい、自己承認欲求を満たしたいという気持ちが強いので、つい自分のすごい部分ばかりアピールしてしまうのでしょう。
とはいえ、他人の自慢話というのはたいてい面白くないもの。
他の話をしていてもすぐ自分の自慢話にすり替えてしまうので、周囲は辟易していることが多いです。
人からの評価を気にする
自己顕示欲が強い人は人からの評価を気にしています。
彼らにとっては「他人からの評価が高い」ことがステイタスであり、常にうらやましがられるような立場でいたいと考えているからです。
そのため、他者から注目されるような派手な仕事しかしたがらない傾向があります。
人と協力し合えない
人と協力し合えない・協調性がないというのも、自己顕示欲が強い人の特徴です。
自己顕示欲が強い人は自分が目立つことが一番であり、他の人のことは2の次3の次になりがちです。
協力することで他人が評価されるのは不本意であり、自分が目立てる作業以外は避けるタイプが多いでしょう。
人のことを褒めない
自分が一番の自己顕示欲が強い人は、決して人のことを褒めません。
他人が褒められる、イコール自分への評価が下がるとすら考えており、褒めることは損だと考えています。
どんなに素晴らしい人がいたとしても、素直に評価しないのが自己顕示欲が強い人の特徴なのです。
自分を良く見せる嘘をつく
自己顕示欲の強い人は、自分をよく見せるための手段を選びません。
実家はお金持ちだ、学生時代の成績はトップだったなど、自分自身を良く見せるために能力や実績を「盛る」ような嘘をつくことが多いです。
しかし、本当に優秀であれば嘘をつく必要はないでしょう。
根本では自分に自信がないため、自分を大きく見せようと嘘をついてしまうのです。
優秀な人にこそマウントをとる
自己顕示欲が強い人は、優秀な人であるほどマウントをとりがちです。
優秀な人にマウントで勝利すれば、それが評価の高さにつながると思っているからです。
しかし、実際にはマウントをとったとしても周囲の評価は変わりません。
にもかかわらず、自己顕示欲が強いために優秀な人を勝手にライバル視してしまうのです。
人によって態度が変わる
自己顕示欲が強い人には、人によって態度が変わるといったズルい面があります。
とくに自分より上の立場の人、ステイタスの高い人に対しては取り入ろうとしがちです。
少しでも偉い人と会話したことがあれば「あの人と私は親しい」と自慢するなど、他人のステイタスを自分の評価に利用することも忘れません。
そのため、人間関係の中でいらぬトラブルを引き起こしがちです。
注意・指摘を素直に聞けない
自己顕示欲が強い人は、注意や指摘を素直に聞けない傾向があります。
他人から完璧だと思われたい気持ちが強すぎて、自分の過ちを認められません。
つまり、自分のマイナス面を指摘してくる相手は敵であり、改善する可能性を自ら手放しているのです。
SNSへの投稿・自撮りが多い
自己顕示欲の強さはSNSの使い方にも表れます。
投稿回数が多い、やたらと自撮りが多いタイプは自己顕示欲が強いタイプといえるでしょう。
SNSは自己顕示欲が強い人との相性が良く、彼氏がいるアピールやお金持ちアピールなどで自己顕示欲を満たしている人も少なくありません。
自己顕示欲が強くなる原因
SNSの発達によって、他人の自己顕示欲を目にする機会が増えています。
いわゆる「自己顕示モンスター」のような存在が炎上するなど、「なぜここまで…」と疑問に思っている人も多いでしょう。
ここでは、そうした自己顕示欲が強くなる原因について解説していきます。
自分に自信が持てない
自己顕示欲が強い人は、根本的な意味で自分に自信がありません。
心の奥底では「自分なんて評価されない」「アピールしなければすぐに埋もれてしまう」といった不安に苛まれているのです。
本来なら少しずつ自己肯定感を育てていくべきなのですが、そこを自慢やマウントで誤魔化すことで、本来の自分と理想の自分のギャップを埋め合わせているのです。
両親からの愛情不足
自己顕示欲の強い人たちの中には、両親から十分な愛情がもらえなかったというタイプも少なくありません。
あまり構われずに育った、あるいは何をしても褒めてもらえなかったなど、幼少期に自己肯定感をつくる機会を失ってしまうと、大人になっても「認められたい」という気持ちが強くなってしまうのです。
プライベートが上手くいっていない
プライベートが上手くいっていないせいで自己顕示欲が強くなる人もいます。
仕事、あるいはプライベートが上手くいっていればそれなりに褒められる機会もあるでしょう。
しかし、何もかもうまくいっていないと他人から認められずに自信を喪失してしまいます。
そうした自信のなさが「もっと自分を見てほしい」という自己顕示欲につながっていくのです。
自己顕示欲が強い人への対処法
職場や学校などに自己顕示欲の強すぎる人がいると厄介です。
そんな「自己顕示欲が強い人」と上手くやっていくための対処方法をここでは紹介していきます。
自分にも自己顕示欲があることを理解する
自己顕示欲は決して一部の人の困った特性ではありません。
誰にでも少なからず「自己顕示欲」はあるものです。
まずは、自己顕示欲が強い人をシャットダウンするのではなく、自分にもあるものだと理解することからはじめましょう。
もちろん必要以上に関わる必要はありませんが、誰にでもある自己顕示欲が少し強くなっただけ、と思えれば少し見方も変わるのではないでしょうか。
適当に相槌して聞き役に徹する
自己顕示欲が強い人との会話は、適当に相槌して聞き役に徹するのがベターです。
基本的に自己顕示欲が強い人が聞き役に回ることはありません。
真摯にコミュニケーションを取ろうとするとストレスがたまるだけなので、適当に聞き流して相手を満足させてあげましょう。
褒め言葉を伝えて自信をつけてもらう
自己顕示欲が強い人は、本心では自信のなさに悩んでいます。
もし接する機会が多いなら、できるだけ誉め言葉を伝えて自信をつけてもらいましょう。
褒めることで相手の自己肯定感がアップすれば、強すぎる自己顕示欲も落ち着いてくるかもしれません。
注意するときは柔らかい言い方にする
自己顕示欲の強い人は、他人からの忠告が地雷です。
必要な注意でも反発されてしまう恐れがあるので、何か意見するときは柔らかい言い方にするよう心がけましょう。
正直面倒かもしれませんが、長い目でみればプライドを刺激しないほうが上手くいくはずです。
距離をおくことも時には重要
自己顕示欲が強すぎる人の場合、真面目に向き合っているとこちらが疲れてしまいます。
そんなときは相手と距離をおくことも考えてください。
付き合いは挨拶程度にとどめるなど、関わりを少なくすればストレスにならないはずです。
自分の心身の健康のためにも、上手く距離をとってお付き合いすることをおすすめします。
自己顕示欲の強さを感じたら我が身を振り返ろう!
目立ちたい!自分が一番でいたい!という自己顕示欲の強さは厄介です。
ときには周囲の人に迷惑をかけるなど、自己顕示欲が強い人は付き合いづらいという印象を持つ人も多いでしょう。
しかし、自己顕示欲は決して特別なものではありません。
人間であれば多かれ少なかれ「認められたい」「注目されたい」といった自己顕示欲は持っているもの。
まずはそこを認めた上で、自己顕示欲が強い人との付き合い方を考えると良いでしょう。
また、自分自身に自己顕示欲の強さを感じた時は、振る舞い方を今一度反省することをおすすめします。
- 「自己顕示欲」とは、周囲から注目されたい、目立ちたいという欲求のこと
- 自己顕示欲が強い人には、自慢話が多い・人からの評価を気にする・優秀な人にマウントをとるといった特徴がある
- 自分に自信がない、あるいはプライベートが上手くいっていないという背景が自己顕示欲が強くなる原因
- 自己顕示欲が強い人と上手く付き合うには、話は適当に聞き流すなどして上手に距離を取ることが大事