「親しき仲にも礼儀あり」の意味&使い方!人間関係を円満にする心得とは
長い付き合いの恋人や夫婦といった慣れ親しんだ相手との関係性に甘えて、礼儀に欠けた行為をしてしまうことはありませんか?
しかし、「親しき仲にも礼儀あり」という言葉があるほど、誰に対しても礼儀をわきまえないと、良好な人間関係を築くことはできないかもしれません。
そこで今回の記事では、「親しき仲にも礼儀あり」の意味や言葉の使い方、相手に失礼だと思われる行動や態度などを紹介いたします。
自分自身の普段の身の振る舞いと見比べながら、参考にしてみてください。
Contents
ことわざ「親しき仲にも礼儀あり」の意味とは
「親しき仲にも礼儀あり」とは、どんなに親密な仲・親しい相手であっても、守るべき礼儀はわきまえなければいけないという意味を持つ日本のことわざです。
親しい関係になると、自然と態度や行動に遠慮がなくなってくるものですが、そういう相手ほどいい関係を保つために礼儀を持ち、失礼がないように努めることが大切です。
「親しい仲」には友人・恋人・家族だけでなく、職場の上司、学校の先輩など目上の立場の人も含みます。
ちなみに英語では、「A hedge between keeps friendship green.(間に垣根があると友情は生き生きと保たれる)」と表現されます。
こういった考え方は万国共通で、礼儀を忘れ不和が生じないよう、戒めの言葉として使われているのです。
【例文】「親しき仲にも礼儀あり」の使い方
「親しき仲にも礼儀あり」の使い方として、以下のような例文が挙げられます。
- 学生時代からの仲のいい友人だからこそ、祝いの席では親しき仲にも礼儀ありできちんとした言葉で祝辞を述べよう
- 一緒に暮らしはじめてお互いの生活スタイルがわかってきたけど、領域を守って失礼にならないよう親しき仲にも礼儀ありの気持ちを持ち続ける
- いつも男性にご飯代を出してもらってばかりなので、親しき仲にも礼儀ありでたまには手土産を持ってお礼を伝えよう
- 上司と仲良くしてもらっているけど、飲み会では親しき仲にも礼儀ありとして羽目を外しすぎないように気をつける
- 長く交友関係を持ち続けたいので、親しき仲にも礼儀ありの精神で関係を築いていきたい
- 気になっていた女性と恋人関係になり、「なんでも言い合える関係になろう」と話したが、親しき仲にも礼儀ありの精神は忘れないようにする
- 親子であっても、好き勝手にしていたら嫌な気持ちにさせてしまうことがあるので、親しき仲にも礼儀ありの姿勢を持つことが大切だ
この他にも、仲の良い後輩や部下が失礼な態度をとったときに「親しき仲にも礼儀ありだろ」と指摘用語として使われることがあります。
親しき仲にも礼儀あり…失礼だと思ってしまう行動あるある
こちらでは、実際によくある「親しき仲にも礼儀ありでしょ…」と不快に感じてしまうマナー違反な行動を紹介していきます。
男女問わず仲のいい相手だからといって、失礼な行動をとり続けていたら、信頼関係が壊れてしまうことがあります。
自身の行動と照らし合わせながら、チェックしてみてください。
先に遊ぶ約束をしたのに彼氏・彼女を優先された
無礼な行動としてよく挙げられるのが、先にした約束より、あとから入った恋人との予定を優先することです。
とくに恋愛至上主義の人ほど、恋人関係になったばかりの相手から、急に「会いたい」と連絡がくると、先約をキャンセルして会いに行きたいという心理が働きます。
しかし、常識的に考えれば、最初に約束していた人と会うことを優先させるのが当然です。
親しい間柄でも平気で予定の変更を申し出てくる行動は、礼儀を知らないと見られる原因になります。
秘密を暴露された
礼儀知らずな行動として、人の秘密を平気で周りに言いふらすことも挙げられます。
どんな理由があれ、秘密を暴露されるのは許し難い行為です。
通常、相手のことを考えれば、個人の恋愛や悩みといったプライベートな話は自分の心に留め、勝手に他の人に話すことはしません。
そのため、場を盛り上げようと他人の秘密や悩みを暴露する行動は、礼儀知らずな人と思われるでしょう。
ズケズケと否定してくる
遠慮なしに相手の意見を否定することも、親しき仲にも礼儀ありに反した行動と見られることがあります。
会議や話し合いの場面などで、「その考え方はムダです」「非効率だと思います」などと、相手の気持ちを考えずにズケズケと否定する言葉を口にしてしまう人っていますよね。
人の意見を受け入れる姿勢を一切見せないと、周りから礼儀知らずと思われる原因となります。
お礼を言ってくれない
親しい相手に対してお礼が疎かになっていると、礼儀知らずで失礼な人と感じるものです。
たとえ親や親友であっても、なにか手伝ってもらったり助けてもらったりした際には、感謝の気持ちを伝えることが大切です。
お礼を言わないことは、相手の好意を踏みにじる行為となり得るので、気をつけた方がいいでしょう。
貸した物を返してくれない
親しき仲にも礼儀ありの精神に反する行動に、貸した物をなかなか返してくれないことも挙げられます。
借りたものをなかなか返さないでいると相手は、「仲がいい人だから信頼して貸したのに…」「借りパクされたかも…」と思うことでしょう。
「借りたものは返す」という最低限のモラルを考えても、明らかにマナー違反です。
最悪の場合、横領罪に該当する可能性もあるので要注意です。
微妙な写真を勝手にSNSに載せられた
本人の許可もなく、相手の写真を勝手にSNSに載せることは、親しい仲でも礼儀知らずの行為です。
とくにセキュリティの観点から見ても、居場所を特定されるような写真は他人に共有してほしくはありませんよね。
たとえ個人情報を特定される要素がなかったとしても、映りが悪いショットを公開されたら良い気はしないでしょう。
平気で遅刻やドタキャンしてくる
相手との約束に平気で遅刻やドタキャンすることも、よくありがちな無礼な行動として挙げられます。
親しい間柄になると、いつも遅刻してくる人・ドタキャンばかりする人ということは、ある程度わかってくるでしょう。
しかし、それでも礼儀がない行動にはイライラするものです。
遅刻やドタキャンをしても、悪気もなく平気な顔をしていることは、親しき仲にも礼儀ありの精神を説きたくなるほど失礼な態度にあたります。
親しき仲にも礼儀あり!人間関係を円満にする心得
最後に、人間関係を円満にする心得を詳しく解説いたします。
以下の内容を参考に、相手とよりよい関係を築く方法を模索していきましょう。
相手を尊重する
相手を尊重する気持ちを持っていれば、親しい間柄の相手であっても、自然と礼儀をわきまえた行動をとるようになります。
恋愛関係でも友人関係でも、相手を尊重していれば先約を後回しにしたり、相手の秘密を周りに言いふらしたりする行動はしないはずです。
いきなり尊重する気持ちを持つことが難しい場合は、まず相手に思いやりを持つことからはじめてみましょう。
勝手に相手のテリトリーに踏み込まない
勝手に相手のテリトリーに踏み込まないことも、無礼な行動を防ぐのに効果的です。
人には誰しも、他人に踏み込まれたくない領域を持っています。
そのため、本人が言い出さないことに対しては根掘り葉掘り聞かず、受け身の姿勢を持つようにしましょう。
また、SNSに写真を載せるときは、一緒に写っている本人に確認することも大切です。
相手との距離感を見誤り、「これくらい大丈夫でしょ」などと勝手に判断すれば、失礼だと思われるリスクが高まります。
相手のテリトリーに入るときは、様子を見たり確認したりすることで、無礼な人という印象を避けることができます。
お金についてはきっちりすると決める
「金の切れ目は縁の切れ目」という言葉があるように、夫婦関係や兄弟姉妹関係であっても、お金の貸し借りは「基本的にはしない」と決めることをおすすめします。
万が一、どうしてもお金を借りなければいけない場面が訪れたときは、借りた日・返す日・金額が分かる借用書を残すようにしてください。
貸してほしいと頼まれたときも同様です。
親しい間柄だからこそ金銭に関しては慎重に、やむを得ず貸し借りする際には義理固く、誠実に対応することを心がけましょう。
マナーを守った行動を心がける
親しい仲にも礼儀ありの精神でいられるように、人としてマナーを守りましょう。
相手に対しての失礼な態度は、マナーを守っていれば防げることばかりです。
場や状況、立場をわきまえた言葉遣い・対応を間違えなければ、礼儀がないと思われることはありません。
マナーが身についていると示すことができれば、相手からの信頼感はグッと高まり、相手との関係はより強固なものになっていくでしょう。
自分がされて嫌なことをしない
親しき仲にも礼儀ありの基本として、相手との親密さに甘んじることなく自分がされて嫌だと思うことは、相手にもしないようにすることが大切です。
約束をするたび遅刻されたり、自分の意見を真っ向から否定されたりすれば、相手に対して嫌悪感を抱きますよね。
こういった自分がされて不快に感じる行動は、相手も不快に感じるのでやめましょう。
自分だったらどう思うかを考えながら行動するだけで、相手に対して配慮できるようになるはずです。
家族・恋人・友達…心許せる相手こそ「親しき仲にも礼儀あり」の精神を忘れずに!
人に対して無礼な態度をとり続けていれば、相手との信頼関係は崩れ、いずれ周りに誰もいなくなってしまうかもしれません。
気になっている異性との恋愛関係を進展させる上でも、礼儀をわきまえない行動をとれば、恋愛対象外になることもあります。
また、就職面接などで無礼な態度をとれば当然、審査はいい方向へは進まないでしょう。
礼儀正しく振る舞えるかどうかで、人生の幸福度を左右させる場面は多々あります。
人生をより豊かなものにするためにも、「親しき仲にも礼儀あり」の精神を忘れないことが大切です。