団塊の世代とは?5つの世代から団塊世代の特徴、退職後の過ごし方まで紹介
あなたは、団塊世代の人に対してどのようなイメージを持っているでしょうか。
多くの人は、年配の人を指す時に団塊世代と表現しますが、正確な意味を知らずうっかり上司に対して使ってしまっては大問題です。
あなた自身も恥をかいてしまいます。
日本社会では安倍政権も終わり平成から令和へ。
また一つ新たな時代に突入しようとしている今、団塊世代はもちろん他の5つの世代についても学んでおきましょう。
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「団塊の世代」の意味とは?
団塊(だんかい)とは、元々は地質学の専門用語で、堆積岩の中の特定の成分を含んだ塊のことを意味する言葉。
例えばマンガンが含まれる団塊の場合はマンガン団塊と呼びます。
つまり、団塊世代の団塊とは地質学の専門用語から派生した言葉であり、1947~1949年に誕生した世代が団塊世代と呼ばれているのです。
また、高齢化社会の言葉が示すとおり団塊世代の人口は多く、これは当時の日本が第一次ベビーブームと呼ばれる期間で出生数が多かったことが理由になっています。
団塊の世代の由来
地質学の専門用語である団塊が、世代をあらわす言葉として使われるようになったのは、後に発売された小説がきっかけです。
1976年に堺屋太一さんが小説『団塊の世代』を発表。
この小説のタイトルがそのまま団塊の世代という言葉の語源になっています。
また、小説『団塊の世代』によって団塊の世代が社会・経済に与える大きさが一般に周知されたため、団塊という言葉は世間に広まっていったのです。
団塊の世代の年齢は?
団塊の世代の人達は1947~1949年に誕生しているため、2020年になった現在では70代中盤に突入しています。
年齢的に、日本の高度経済成長の真っただ中に社会人になっているため、後のバブル経済期も含めて日本経済の右肩上がりを実感しています。
また、生まれた年代を示す「〇〇世代」の言葉は団塊世代だけでなく、現在他にも5つの世代が存在するため、それぞれの世代を時代の背景とともに覚えておきましょう。
新人類世代
1960年代に生まれた世代
語源は経済人類学者・栗本慎一郎さんの造語。新人類は政治に無関心な世代と呼ばれており、これは学生運動が下火になった時期に成人を迎えていることが理由です。
世界大戦による貧しさや厳しさを経験した世代から「忍耐力がない若者」と揶揄されましたが、現在50代になった新人類はゆとり世代に対して同様の嘆きを抱えています。
また、新人類が社会に出た頃の日本ではビジネス環境が成熟しつつあり、スマートにPDCA(計画・実行・評価・改善)を回せることが評価されました。
バブル世代
1965~1969年頃に生まれた世代
文字どおり、日本企業がバブル景気で賑わった時代に社会人になった世代で、大卒の半数以上が一部上場企業に入社するほどの大量採用期です。
現在では問題視される長時間労働も当時は誰も疑問に感じておらず、勤務時間外の接待会食・接待ゴルフ・接待麻雀なども社会人にとっては常識でした。
また、1986年に「男女雇用機会均等法」が施行されて以降、これまでは『高卒→就職→寿退社』が一般的だった女性も、大学を卒業して企業で活躍を見せるようになります。
氷河期世代(団塊ジュニア)
1971~1982年頃に生まれた世代
就職氷河期という言葉が初めて登場したのは、1992年に発売されたリクルート社の雑誌『就職ジャーナル』です。
また、1971~1974年頃に生まれた世代は団塊ジュニア世代とも呼ばれており、これは団塊世代の子供たちの世代に該当するのが理由。
バブル崩壊によって非正規社員として働いた人も多く、その影響でリストラ・経費削減・業績悪化などに対して高い危機意識を持っています。
ゆとり世代
1987~2004年頃に生まれた世代
2002~2010年に学習指導要領が施行。
「詰め込み」から「ゆとり」へと教育方針が転換された時代に教育を受けた世代です。
社会人として大きな特徴はワークライフバランスを重視していることであり、上司の誘いを断るなど自分の時間を大切にする傾向があります。
指示待ちの姿勢などから職場で批判されがちですが、一方で会社に頼らず自分の信念に基づいて生きる一面は評価され、実際に優秀な人材も生まれています。
さとり世代
ゆとり世代後期となる1996~2005年頃に生まれた世代(諸説)
「脱・ゆとり教育」を経験した世代ですが、現在ではゆとり世代との明確な区別がなされておらず、「1996~2005年頃に生まれた世代」というのも諸説になります。
経済環境的に将来への期待感がなく、安定した生活を目指す考えを持っているため、その一面が「コスパ優先」「ノーブランド志向」などのスタイルにあらわれています。
また、人あたりの良さも特徴の一つですが、これは叱責・衝突を避けたい気持ちを強く持っているのが理由であり、周囲に気を遣って適度な距離感を保っているのです。
今や高齢者「団塊の世代」5つの特徴
1947~1949年に生まれた団塊の世代は、今では70代中盤の高齢者です。
ただ、団塊の世代は『高齢者』の一言であらわせないほどの特徴がいくつかあります。
もちろん、その特徴は必ずしも全員一致しているわけではないですが、世間的に団塊の世代には次の特徴があるといわれています。
人口が多かった
厚生労働省の調査によると、団塊の世代に該当する人口はおよそ800万人。
人口ピラミッドの隆起点にもあたり、近年日本が高齢化社会と呼ばれる理由が分かるでしょう。
これほどの人口の多さのため、当時学校では1学年につき2ケタのクラスが存在することも珍しくなく、1クラス60人前後の大人数で教室不足になっていたそうです。
競争心が強い
前述したように団塊の世代の人口は多く、他の世代に比べて競争が激しかったため、団塊の世代は競争心が強いのも特徴です。
受験・就職・出世において、常に競争が激しい環境に置かれた経験を持っており、団塊の世代に自己主張が強い性格の人が多いのはその影響があるのでしょう。
若くして働く人が多かった
団塊の世代の大学への進学率は15~20%程度。
中卒・高卒で働く人が多く、「金の卵」と呼ばれて若い労働力として企業から歓迎されていました。
これに伴って、地方から上京して東京をはじめとした都市部で就職する人が増加、この頃から人口の都市部への集中が進むようになったのです。
海外のブームが日本にやってきた
現在では日本にアメリカ文化が取り入れられているのは至って自然なことですが、その先駆者となったのは団塊の世代の人たちです。
ミニスカートの女王ツイッギーやビートルズなど、アメリカンカルチャーの影響を受けた人が多く、日本でアメリカ文化が好まれるようになりました。
専業主婦が主流だった
団塊の世代は当時『性別役割分業論』の影響が強く、「男は仕事・女は家庭」の意識が一般的となっていました。
そのため、ほとんどの女性が結婚を機に退職して専業主婦になっており、共働き世帯はごく僅かだったそうです。
退職したあとの「団塊の世代」の過ごし方
毎日会社に通勤している人から見れば、定年後の気楽に過ごせる生活は羨ましく感じるかもしれません。
しかし、いざ定年を迎えるとやることがないと嘆く人も比較的多く、団塊の世代の人たちが定年後にどのようなセカンドライフを過ごしているのかを見てみましょう。
新たな仕事を始める
団塊の世代は仕事一筋で生きてきた上、日本の高度経済成長期の真っただ中に働いていたため、中流家庭以上の蓄えを持っています。
しかし、定年後も仕事の道を選択する人もいて、起業して新たなビジネスを始めるケースがあります。
これまで培ったキャリアと経験から、若者には発想できないサービス・商品を立案して大成功を収めた人もいるでしょう。
趣味に励む
仕事が忙しく長時間労働も日常茶飯事だった団塊の世代は、趣味に打ち込む時間はあまり確保できなかったでしょう。
そこで、定年を機に趣味に励む人も多く、とくに趣味がない人でも家族と時間を過ごす中でやりたいことを探そうとします。
元々、団塊の世代は、「大量消費社会」の担い手となったほど購買意欲が高いため、定年後は趣味に資金投資して没頭する人も少なくありません。
住宅ローンの支払いも終わり、金銭的な余裕が出てきたことも関係しているのでしょう。
ボランティア活動
一言でボランティアといっても幅が広く、清掃・イベントのサポート・通学する児童の見守りなど多種多様です。
そのため、団塊の世代で趣味を持っていない人でもやりたいことが見つかりやすく、市役所などでボランティアを探す人もいます。
やりたいことをするという点では趣味と似た感覚ですが、ボランティア活動は社会から必要とされている実感も得られます。
元気な団塊の世代は令和も楽しいセカンドライフを過ごそう!
いくら団塊の世代が仕事に励んできたからといって、定年を迎えた途端に意気消沈するのは勿体ないことです。
厳しい環境を生きてきた団塊の世代は、若者の社会人より元気でたくましい一面を持っていますから、令和になった時代でも楽しいセカンドライフを過ごしましょう!
その姿はきっと若い世代から見て羨ましく、また微笑ましく映ることでしょう。